第22回 太郎賞受賞者特別展示 檜皮一彦「Kanon:檜皮 一彦 + 檜皮 しよ子 」

岡本太郎記念館(南青山6-1-19)

  • 2020/9/10(木)
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第22回 太郎賞受賞者特別展示 檜皮一彦「Kanon:檜皮 一彦 + 檜皮 しよ子 」

 第22回岡本太郎現代芸術賞で、最高賞の岡本太郎賞を受賞した檜皮一彦(ひわかずひこ)の特別展示が開催中。

 生まれつき四肢に障がいがある檜皮は、自身の生活や身体の一部といえる車椅子を積み上げ、音や光と融合したインスタレーション作品を手がける作家だ。今展の新作は、激しい音楽や眩しい光が車椅子という骨格の中で鼓動のように渦巻く、これまでの作品とは違い、生花とKanonの音色が優しく車椅子を包み込むような、作家の新たな一面を感じるものに。
 「今までは意図的に情緒的な部分は隠し作品に緊張感を持たせてきたのですが、今回は心境や環境の変化もあり、母に花を生けてもらいコラボレーションするという、自分の内面を見せるような展示になりました」と、充実した面持ちで語る檜皮。
 生け花の師範の腕前を持ちながら、息子が誕生してからは難しい子育てに専念するため主婦となり、また「どうしてこんな風に生んだんだ」と反発する思春期の息子と正面から対峙してきた母。そんな母とコロナ禍で一緒に過ごす時間が増えたことで、これまでの親子の時間を丁寧に確認することができたのだという。
 岡本太郎とその母・かの子が交わした往復書簡のように、一つの親子が心を通わす絆の形。少し気恥ずかしそうに、しかし豊かに場を満たすこの優しい空気は、鑑賞者の心にもきっと届くことだろう。

 なお、9月11〜13日には、作家と一対一で語り持参した花を作品の一部として展示できるワークショップも開催。気になる方はメールで申し込みを。

【会期】9月9日(水)〜9月27日(日)
【休館日】火曜(祝日の場合は開館)
【時間】10:00〜18:00(最終入館17:30)

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