東京を拠点に活動する中国出身の現代美術家Nimyu（ニミュ）と、日本で生まれ、長い間海外をベースに活動してきたTat Ito (タット・イトウ）による、初の2人展が開催中。

 Nimyuは、カラフルで、どことなく滑稽で不気味な描写によって、システム化された権力構造に対する認識を高めるとともに、飽和状態にあるデジタル社会における自己解放を促す作品を制作。映像と絵画を対にしてストーリーを展開させる手法も特徴だ。
 また、日本の絵巻と、ピーテル・ブリューゲルやボッシュのような物語性を重視した西洋絵画を組み合わせたTat Itoの独自の作品世界は、私たちの潜在意識と想像力に働きかけ物語の内側へ引き込んでいく力がある。
 同じ空間に展示されると不思議と共鳴するように際立つ2人の作品。この時代の波間でもがく人間をどこか冷めた目で俯瞰しているようでもあり、その渦中に自ら飛び込んで物語の一部になろうとしているようでもある、2人の独特の視点に注目したい。中毒性の高いシニカルでユーモラスな描写に、観ればみるほどハマってしまいそうだ。

【会期】8月27日（金）〜9月25日（土）
【休廊日】日月祝
【時間】12:00〜18:00