| ビール通の間で“伝説のビアホール”と語り継がれる、今は無き、東京・八重洲の『灘コロンビア』。この店で“ビール注ぎの名人”として多くの人を魅了した故・新井徳司氏の唯一の愛弟子、松尾光平氏が新橋で営む店がここ、『ビアライゼ ’98』。
「注ぎ方ひとつで苦味を隠して、ビール本来の長所である甘味を引き出す。ひと手間かけたビールは、“最初の一杯”で終わらず、何杯でも美味しく飲めるんです」と松尾氏。ビール=苦味という通念をあっさりと否定する。
自慢の“生”は、今では滅多にお目にかかれない貴重な「アサヒ樽生」。これを、戦後まもなくして製造されたという旧式のビアサーバーに通し、“かち割り氷”を使って冷却。とことん、昔ながらのやり方を踏襲する。氷でじんわりと温度を下げたビールは、「師匠に認められるまでに10年かかった」という凄技の “二度注ぎ”で注がれる。
キメ細やかでコシのある泡はほのかに甘く、軽い喉越しは水のよう。炭酸の含有量までもが微調整されて注がれるから、お腹の張りも気にならず、何杯でも飲めてしまいそうだ。
「ここのビールの味わいは唯一!」と、はるばる他府県から足を運ぶ常連も多数。『灘コロ』からの古株の常連に、新世代の常連、一見客が入り混じり、和気藹々とビール談議に毎夜花が咲く。 (2005.6.6現在)
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