古代オリエントから西洋絵画まで古今東西の美と触れ合える
松岡美術館
ロビーは、中央にブールデル《ペネロープ像(1912年)》が設置された静寂と落ち着きのある空間。紅葉や桜のある中庭には松岡氏の銅像が立つ。毎春に一般開放もされている。館内に順路はなく、6つある展示室を好きな部屋から鑑賞できる自由さも魅力
松岡地所の創業者である松岡清次郎氏が、生涯にわたり集めた美術品を一般公開すべく、1975年に開いた美術館。「ジャンルに関わらず良いものは良い」という方針で集められた収蔵品は、約800点に上る東洋陶磁器のほか、古代オリエント美術、ガンダーラ仏像やヒンドゥー教神像などの古代東洋彫刻、中国の明清書画、室町時代から昭和までの日本絵画、印象派などのフランス近代絵画、ヴィクトリア朝絵画、ブールデルやヘンリー・ムアなどの現代彫刻が約1,000点。まさに古今東西にわたる。
2000年に松岡氏の自宅跡地に移転。ロビーと中庭を配した瀟洒な造りで、1階は考古品や彫刻の常設、2階は陶磁器や絵画の企画展を年3回実施。生前の氏のポリシーにより、自館の持ち味を損なう恐れのある寄託や寄贈、他館から借りての特別展は行わない。毎回、担当学芸員が展示品の選定やイベントのアイデアなどを考案するという。受け持つ学芸員の着眼点の違いで収蔵品の多様な側面が覗けるのがいい。
第1〜4週の土曜にはギャラリートークを実施。子ども向けワークショップや催しにも積極的だ。操作音やフラッシュのない撮影、鉛筆でのデッサンが自由なので、学生の来館も多い。各ジャンルの美術を大局で楽しめる格好のスポットだ。
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1階は古代オリエント美術、現代彫刻、古代東洋彫刻が常設 | 2階は和洋絵画、中国書画、東洋陶磁器をテーマ別に企画展示 |
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《エネヘイ像》 エジプト 新王国時代 第18王朝末期/19王朝初期(紀元前1300〜1200年頃) 石灰岩 |
《彩色木棺》 エジプト 末期王朝時代 第30王朝〜プトレマイオス朝初期(紀元前4世紀頃) 木・プラスター・金・彩色 |
《青花龍唐草文天球瓶》 景徳鎮窯 中国 明時代永楽期・15世紀 |
ピエール=オーギュスト・ルノワール 《ローヌの腕に飛び込むソーヌ》 1915年 油彩/カンヴァス |
松岡美術館(白金台)
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2013年4月取材/2022年1月更新
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