茶道具、能面、お雛様などの美術品から名家の暮らしぶりを伺う
三井記念美術館
展示室は重役の食堂、事務室として使われた場所をリノベーション。かつて所有していた茶室も実物大で再現。併設のカフェでは、上生菓子などの甘味、旬の食材を使った御膳や麺類が楽しめ、鑑賞の余韻に浸れる
呉服商や両替商として財を成した三井一族。収集した文化財は、中野区にある三井文庫別館に展示されていたが、2005年、日本橋三井タワーの完成に合わせて、重要文化財に指定されている三井本館に移され、「三井記念美術館」となった。
三井家は11の家が共同で事業を所有・運営。直系の北家が惣領家となっている。美術館のコレクションは北家、新町家、室町家、伊皿子家、本村町家からの寄贈品を中心に構成されており、その多彩ぶりは仏像以外の日本古美術品はすべてそろうと言われるほど。所蔵点数は、二大人気を誇る雪松図屏風と卯花墻を含む国宝6点、重要文化財71点、重要美術品4点からなる美術工芸品約4,000点と、切手類約13万点。約半数が茶道具で、残りを絵画、書跡、刀剣、能面、能装束、お雛様などの調度類が占める。家によって、わびさび的なもの、派手なものと違いがあり、当時の京都の上流町衆の文化が垣間見えるのが特徴だ。常設展はなく、所属する学芸員の専門性を生かした特別展3回、館蔵品展2回の年5回、展覧会を開催している。
受付エントランス横にある映像ルームでは、三井家の歴史と美術館の成り立ちも紹介されている。
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円山応挙筆《雪松図屏風》【国宝】 江戸時代 |
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伝孫次郎作 能面《孫次郎》 【重要文化財】 室町時代 |
《志野茶碗 銘卯花墻》 【国宝】 桃山時代 |
《立雛》 1815(文化12)年 |
茶室「如庵(国宝)」再現展示ケース |
三井記念美術館(三越前)
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2013年9月取材/2014年4月更新
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