皇居東御苑

旧江戸城の本丸、二の丸、三の丸の一部を整備し、1968(昭和43)年に公開された皇居附属庭園。
大手門、平川門、北桔橋門から入ると、天守台、百人番所などの歴史ある建物とともに芝生や日本庭園、雑木林などが広がり、歴史だけでなく、多様な樹木や草花にも触れられる。

  • 2016/07/13
  • カルチャー
  • 緑の散策路

江戸城の正門だった大手門は、高麗門と櫓門から成る枡形門。御三家以外の大名が籠を下りた大手三の門跡と同心番所を過ぎると、視界が開け100m以上ありそうな広場に百人番所、中之門跡、大番所が現れる。1mくらいありそうな石で組まれた石垣がそびえるように建ち、威圧感抜群。往時の江戸幕府の権勢ぶりがうかがえる。

中雀門の先は、本丸跡の大芝生。通路を挟んで奥の芝生は大奥跡で合わせるとかなり広大。レジャーシートを広げて休憩するワーカーや寝そべる観光客などもおり、都心とは思えないのんびりしたムードが漂う。周囲には、焼失した天守閣の代わりとなった富士見櫓、武器庫だった富士見多聞、石室といった史跡が点在。竹林、茶畑、バラ園、桜の島、果樹古品種園など、植物ごとに10品種以上がまとまったスポットもあり、珍しい品種を見る楽しみも。天守台からは、丸の内のビル群や武道館などが見渡せて清々しい。

二の丸には、復元された日本庭園や武蔵野の雑木林、都道府県の木などの緑地が広がる。ゆったりと散策すれば、自然や季節の移ろいが全身で感じられて心地いい。日本庭園に錦鯉が泳ぐ姿は優美そのもの。菖蒲田には、明治神宮から株分けされた84品種のハナショウブが植えられており、見頃の時は華やかな雰囲気に染まる。
毎週水、土曜日には無料ガイドも。江戸城の名残を感じられる希少なスポットだ。

  1. 旧江戸城の正門だった大手門。2つの門の間は枡形と呼ばれる広場
    旧江戸城の正門だった大手門。2つの門の間は枡形と呼ばれる広場
  2. 長さ50m越えの百人番所(警備の詰所)。昼夜問わず同心100人が詰めた
    長さ50m越えの百人番所(警備の詰所)。昼夜問わず同心100人が詰めた
  3. 昭和天皇のご発意で整備された雑木林。奥には井戸も
    昭和天皇のご発意で整備された雑木林。奥には井戸も
  4. 9代将軍徳川家重の時代の庭絵図面を基に復元された回遊式の二の丸庭園
    9代将軍徳川家重の時代の庭絵図面を基に復元された回遊式の二の丸庭園
  5. 都道府県の木エリア。手前は鳥取県のダイセンキャラボク、宮崎県のフェニックスも
    都道府県の木エリア。手前は鳥取県のダイセンキャラボク、宮崎県のフェニックスも
  6. 落差10m以上の汐見坂より、江戸城本丸と二の丸を分ける堀(白鳥濠)を望む
    落差10m以上の汐見坂より、江戸城本丸と二の丸を分ける堀(白鳥濠)を望む
  7. 家康から代替わりごとに築かれた天守。明暦の大火で焼失し、以後再建されず
    家康から代替わりごとに築かれた天守。明暦の大火で焼失し、以後再建されず
  8. 中央の1本の樹を境に手前が大奥跡、奥が本丸跡の芝生
    中央の1本の樹を境に手前が大奥跡、奥が本丸跡の芝生
  9. 非常時に大奥用の調度などを避難させたと考えられている石室
    非常時に大奥用の調度などを避難させたと考えられている石室
  10. 本丸休憩所(売店)の側にある展望台からは丸の内のビル群が一望できる
    本丸休憩所(売店)の側にある展望台からは丸の内のビル群が一望できる
公園の歴史
1636(寛永13)年
江戸城完成
1657(明暦3)年
明暦江戸大火により江戸城天守閣が焼失
1963(昭和38)年
特別史跡に指定される
1968(昭和43)年
皇居附属庭園として公開
2014(平成26)年
11月13日に年間入園者数が初めて100万人を突破

基本情報

名称 皇居東御苑
所在地 千代田区千代田1
問合せ 03-3213-1111(代)(皇居東御苑管理事務所)
アクセス JR「東京駅」徒歩15分
東西線「竹橋駅」徒歩5分
公式サイト https://www.kunaicho.go.jp/event/higashigyoen/higashigyoen.html

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