アニメや人形、音楽など
絶妙なバランスがトランス感を生む
超自然的ヤマムラ・ワールド!
アカデミー短編アニメーション部門に、日本人監督として初ノミネートとなったアニメーション作家・山村浩二の作品『頭山』。本作を含むヤマムラアニメーション10作品が、まとめて上映されることに!
全作に共通しているのは、人間的なぬくもりを感じさせる映像とサウンド、そして擬声語や動作による表現を中心に万国共通で楽しめるよう工夫された構成。さまざまなタッチの手描きの絵やクレイ(粘土)人形、特殊な処理の動画など細部にまで工夫を凝らした映像と、気鋭のミュージシャンや音楽家を起用するセンス。その絶妙な組み合わせは、実験的でアーティスティックで、大人の目線でも観ていてもドキドキワクワクするものばかり。
なかでもおすすめは、かの『頭山』と『キッズキャッスル』。この2作を観ているとき、「これはオーガニックなトランスだ! カッコい〜!」と心の中で叫び、またひとつ素敵な作品に出会えた……と悦にいってしまったほど。
古典の落語をもとにした『頭山』は、構想6年のうちに山村氏がひたすら丁寧な手描きの絵を描き続けてようやく完成したという代物。語り・三味線・音楽は、“三味線ロック”を編み出した個性派の浪曲師・国本武春氏が担当。国本氏のユーモラスで安定した声や間合いと、不可思議な物語が相まって、独特のシュールな世界観が確立されている。
一方『キッズキャッスル』では、明るい色づかいのシンプルな絵で、小さな男の子がオモチャで遊んでいるときのイマジネーションを映像化。アカペラのボイス・パフォーマンスによる演出との相性も秀逸で、思わず童心に返って笑みがこぼれてしまう作品だ。
右脳にダイレクトに訴えかけてきて、国籍問わず、老若男女、誰もが楽しめる作品。それがヤマムラアニメのよう。5月にはDVD発売も予定。
公開 | 2003年4月5日公開 渋谷ユーロスペースにて上映 |
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制作年/制作国 | 1987〜2002年 日本 |
上映時間 | 1:06 |
配給 | スローラーナー+ヤマムラアニメーション |
製作 | ヤマムラアニメーションほか |
演出、美術、動画 | 山村浩二ほか |
上映作品 | 『頭山』 『水棲』 『バベルの本』 『キッズキャッスル』 『遠近法の箱』 『カロとピヨププト‐おうち』 『カロとピヨププト‐あめのひ』 『カロとピヨププト‐サンドイッチ』 『どっちにする?』 『キップリングJr.』 |
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