陰陽師U 試写会日記 毎週、熱田美希から映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ!傑作でも愚作でも、映画ってやっぱり素敵!!
陰陽師U

圧倒的な存在感と高い身体能力で
観る者をあやしの世界へと引き込む
狂言師・野村萬斎による陰陽師・安倍晴明 再び!



 小説に映画、漫画にTVドラマ……と、今やすっかり人気者。現代でもその名を広く知らしめた、平安中期に実在した希代の陰陽師・安倍晴明。「まるで晴明そのもの」と前作で絶賛された狂言師・野村萬斎主演によるシリーズ作第2弾が公開される。京都の晴明神社にて安倍晴明公鎮座壱千年祭が開催される本年(10月4日〜13日)。映画の出演者たちが参加する鎮魂御霊祭と「陰陽師 II」の試写がセットになったツアーの企画や関連書籍の発行などもあり、じわじわと盛り上がりを見せている。

陰陽師U
 物語はもちろんスペクタクルな時代ロマン。天文道や呪術や幻術を操る陰陽師・安倍晴明は、京に現れた人喰い悪鬼を追い、滅びた出雲族の謎に迫る。


 主要キャストやスタッフは前作から続投。原作者の夢枕獏が脚本に参加し、監督に滝田洋二郎、晴明の友である源博雅役に伊藤英明、晴明の操る式神の蜜虫役に今井絵理子。また本作の主要人物としては、夢遊病のようにさまよう姫に(深田恭子)、美しい琵琶の音を奏でる少年に(市原隼人)、人々の傷や病を癒す術師に(中井貴一)と、注目俳優が配されている。
陰陽師U
 クライマックスはお約束どおり、晴明V.S.敵役の一騎打ち。しかし一層パワーアップしたというVFXよりなにより目を釘付けにするのは、やはり野村萬斎の圧倒的な存在感。それは全編を通して、どんなシーンでも際立っている。ともすれば、映像トリックやほかの俳優たちがかすんで見えてしまうほどに。幼い頃から今に至るまで狂言師として日々鍛錬を積み、極めつづけている心身が発するオーラはとても強力。舞姿や立ち居振舞いが美しいことはもちろん、本人曰く“脳や聴覚に直接響くようなイメージ”である呪文を唱える声、優雅で退廃的な風情でありながらどこか落ち着きや説得力のある話し方など、自らの身体を緻密にコントロールする表現能力の高さには驚かされる。特異能力をもって気運を読み、邪気を制する晴明とはまさにこのような人物だったのかもしれない、という想像力を存分に掻き立て、ワクワク気分をもたらしてくれるのだ。


 風流な舞台セットや繊細な色彩の衣裳などの雅なヴィジュアルを背景に、まるで本物の陰陽師さながらの神秘的オーラを体感できる本作。ちょっとした不思議体験や非日常を楽しみたいときにおすすめだ。
『陰陽師U』 2003年日本映画
データ
2003年9月更新

陰陽師U

2003年10月4日公開
全国東宝系にてロードショー

■2003年 日本映画
■上映時間1:55
■松竹配給
■原作/夢枕獏
■監督/滝田洋二郎
■出演/野村萬斎
伊藤英明
今井絵里子
深田恭子
中井貴一



プロフィール
 
あつた美希 あつた美希
あつた美希
フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。