恋愛適齢期 試写会日記 毎週、熱田美希から映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ!傑作でも愚作でも、映画ってやっぱり素敵!!
恋愛適齢期

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恋に“遅すぎる”なんてない!
ラブリーなエピソードや会話に思いっきり笑う
成熟世代が主人公の超A級ラブ・コメディ



 さて、この邦題はいかがなものか。“適齢期”というキーワードはひっかかる言葉であっても、気にしたい言葉ではない。このタイトルを聞いただけで「観に行きたい!」と思うひとは、あまりいないかも。でも実は本作はかなり楽しいラブ・コメディ! 個人的には久しぶりに大笑いして大満足させてもらった、恋愛モノではここ数ヶ月でイチ押しの作品だ。成熟世代と若い世代との交流やギャップ、離婚経験者の揺れ動く感情、仕事にのめりこむ女性の本音などなど、社会現象をストーリーに巧くもりこんでラブリーに構成。原題『something's gotta give』は、働く独身女性たちや第三の人生をスタートさせる成熟世代に向けた、がんばってる人たちへのキュートな応援ムービーである。

恋愛適齢期
 結婚経験なし、付き合うのは30歳以下の女性のみ、と自由にロマンスを楽しむ63歳の独身男ハリー。ある日ガールフレンドの別宅に行くと、バツイチの売れっ子劇作家である彼女のママ、エリカと鉢合わせ。週末をともに過ごすことになるが、マジメで知的なエリカと率直で享楽的なハリーはまったくソリがあわない。その晩、彼女といちゃついていたハリーは心臓発作で倒れ、緊急入院。小康状態で退院しようとするがドクターストップがかかり、しばらく病院のそばにあるエリカの別宅に滞在することに。ハンサムな担当医はエリカの大ファンで、20歳以上の年の差をものともせず、彼女を食事にさそった。
恋愛適齢期
 エピソードのひとつひとつにそれなりの現実味があり、ときにファニーときにロマンティック。思わず吹き出したり「あるある」とニヤニヤ笑ったり、爆笑から含み笑いまでいろいろな笑いを提供してくれる作品だ。ストーリーを端的に説明すると、男っ気のない仕事一筋のデキる女(ダイアン・キートン)が、いきなりハンサムな若いドクター(キアヌ・リーブス)と金も時間も経験も豊富にもつ大人の男(ジャック・ニコルソン)に同時に愛されてどうしましょ? というかんじ。これだけ聞くと“女の妄想”ドラマに思えるかもしれないが、人々の会話やシチュエーションがとても楽しく、ちょっとしたBGMやインテリアが粋なところなど、大人なら誰でも楽しめるエッセンスがたっぷり。監督・脚本・製作は『ハート・オブ・ウーマン』のヒットで知られるナンシー・メイヤーズ。この作品よりも本作の方が断然おもしろい理由は、おそらくメイヤーズ自身が日ごろ実感しているオンナの本音を、思い切りよく描いたからだろう。本音や本質を上手にさらけだすことができる人は、とても魅力的。それは自ら納得できる成熟世代を迎えることができたとき、自然にできるようになるのかもしれない。顔のシワをあえて隠さず、恋愛に躊躇するエリカをチャーミングに演じたダイアン・キートンは、ゴールデン・グローブ賞ミュージカル・コメディー部門の主演女優賞を受賞、アカデミー賞でも主演女優賞にノミネートされ、「本年度最高の演技」と高い評価を受けている。


 ところでこの映画、男性や若い世代はどう観るのだろう? 公開後、周囲に感想を聞いてみようと思う。
『恋愛適齢期』 2003年アメリカ映画
データ
2004年2月更新

恋愛適齢期

2004年3月27日公開
丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系にてロードショー

■2003年 アメリカ映画
■上映時間2:08
■ワーナー・ブラザース映画配給
■監督・脚本・製作/ナンシー・メイヤーズ
■出演/ダイアン・キートン
ジャック・ニコルソン
キアヌ・リーブス



プロフィール
 
あつた美希 あつた美希
あつた美希
フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。