トロイ 試写会日記 毎週、熱田美希から映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ!傑作でも愚作でも、映画ってやっぱり素敵!!
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3年かけて役作りしたブラッド・ピットが
最強の戦士アキレスを熱演した一大スペクタクル
大掛かりな戦闘シーンと、戦いに関わる人々の心模様を描く



 かのブラッド・ピットと『ロード・オブ・ザ・リング』でブレイクした美形俳優オーランド・ブルーム、実力派のエリック・バナやブライアン・コックスなど、魅力的なキャストの共演による一大スペクタクル。ギリシャ最古の詩人とされるホメロスが伝えた一大叙事詩『イリアス』で語られる“トロイ戦争”をモチーフにした、2時間43分に及ぶ大作である。


 いくつもの国家が激しい紛争を繰り広げていた、紀元前8世紀ごろの古代ギリシャ。スパルタとトロイの2国間で和平が結ばれようとしていたその時、トロイの若い王子パリスはスパルタの王妃ヘレンと恋に落ち、スパルタ王の元から彼女を奪い、自国へと連れ帰ってしまう。怒り狂ったスパルタ王は、彼の兄であり、強大な力でギリシャの王国を支配していたアガメムノンに協力を要請。もともと難攻不落の国トロイを陥落したいと考えていたアガメムノンはそれに応じ、4万ものギリシャ軍と無敵の戦士アキレスとともに、トロイへと進軍する。

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 観る前は、「ただただ長く、派手な戦闘シーンが延々と続くだけだったらどうしよう」と少し心配していたが、それだけではなかった。兵士やその家族など、戦争に関わる人々の思いや状況も描かれ、考えさせられるところもあった。また、ヘレンとパリスのロマンス、妻を奪われたスパルタ王の誇りや意地、ギリシャを統べようとするアガメムノンの野心、一流の戦士アキレスの焦燥や束の間の恋など、それぞれの人間模様がきちんと描かれ、観客を飽きさせない。2時間43分という長丁場、退屈したり眠くなったり、それほど長すぎるように感じさせないのは、魅力ある作品の証拠だろう。
 3年かけてアキレスの役作りをしたというブラピは、腕が丸太並!というくらいムキムキのマッチョになっていてビックリ。鎧と兜をつけて剣を振り、鮮やかに敵を倒していく姿は、なかなか様になっている。最近あまり冴えないブラピ41歳だが、無敵の兵士ぶりに惚れ直す人も多いかも? また、後先考えずに他国の王妃を奪って大戦争を引き起こした、トロイの王子パリス役のオーランド・ブルームは、格好いい見せ場が今回はあまりない。『ロード・オブ・ザ・リング』で鍛えたであろう弓を引く姿が、凛々しかったぐらいだ。そして、素晴らしく活躍していたのは、トロイの兄王子であり自国を愛する英雄へクトル役のエリック・バナ。妻子とともに生き延びたいと願う気持ちと、自国の存亡を賭した大儀との間で揺れ動きつつ、勝算のない闘いに潔く身を投じるへクトルの姿に、誇り高い男気をしっかりと表現していた。


 戦争には殺戮があり、誰かの兄弟であり夫であり親戚であり友人であるひとりの人間同士が、命を落としていく。当たり前のことだが、現実に関わっていないとはっきりとは認識できない、大切な事実を、観る側に遠まわしに伝えているようにも思えた。
『トロイ』 2004年アメリカ映画
データ
2004年5月更新

トロイ

2004年5月22日公開
丸の内ルーブル&丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にてロードショー

■2004年 アメリカ映画
■上映時間2:43
■ワーナー・ブラザース映画配給
■監督/ウォルフガング・ペーターゼン
■原作 ホメロス
■出演/ブラッド・ピット
エリック・バナ
オーランド・ブルーム




プロフィール
 
あつた美希 あつた美希
あつた美希
フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。