スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐

誕生、絶望、喪失……さまざまな秘話が明らかに
かの壮大な叙事詩が、今ここに結ばれる
完結編にしてすべての始まりを語る会心の作!

  • 2005/07/01
  • イベント
  • シネマ
スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐© 2005 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

遠い昔、はるか彼方の銀河系で… この言葉、あのテーマ曲が響くだけで、気分は一気に最高潮。1977年の第1作から28年、名匠ジョージ・ルーカスが築き上げた一大叙事詩が遂に完結。なぜアナキンはダース・ベイダーとなったのか、なぜルーク・スカイウォーカーとレイア・オーガナは生き別れとなったのか……さまざまな秘話が、今ここに明かされる。新三部作ではダントツに楽しめる仕上がりとして、すでに本国での評価も上々。間違いなく、この夏一番の超話題作である。

クローン戦争から3年、ジェダイの騎士団は今も分離主義者と熾烈な戦いを続けていた。そんな中、共和国のパルパティーン最高議長が分離主義者同盟のグリーバス将軍に誘拐され、オビ=ワンとアナキンが救出へと向かう。アナキンは鍛錬と戦いに明け暮れる一方、怒りや憎しみ、愛を禁じられたジェダイの騎士という立場にありながら、元老院議員パドメと密かに結婚。人目を忍ぶ生活ながらも2人は幸せに暮らしていた。が、パドメが子供を授かると、アナキンは不吉な夢にうなされるようになる。

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戦闘機の着地と同時にポーンと飛び出し、ライトセーバーで鮮やかに敵を倒していくオビ=ワンの姿に思わずほれぼれ。物語はオビ=ワンとアナキンによる疾走感に満ちた空中戦に始まる。ライトセーバーやフォースを駆使する生身の格闘、強く深まるが故に諸刃の刃となるアナキンとパドメの愛、分離主義者らと共和国サイドの激化する戦争、そしてC-3POやR2-D2や懐かしのチューバッカなどお馴染みの仲間たちの活躍。2時間21分の上映時間では足りないくらい、これでもかと詰め込まれた盛りだくさんの内容に、中だるみは一切なし。痛快な活劇から悲劇的な顛末まで、観客の目や心を惹きつけ、その表と裏が語られていく。

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐

よりリアルな質感で華麗な剣さばきをみせてくれるヨーダはもちろん、咳をしながらヨボヨボ歩く敵役のグリーバス将軍、トカゲと竜のあいのこのような生物など、デジタル・キャラクターもメインからサブまですべてが魅力的。「50か60の要素を合成した」という目には見えないレベルから職人的な特殊効果を重ねたショットもあり、2200を越すカットに映画史上最大のデジタル処理を施したという本作。VFXスーパーバイザーとしてILMのジョン・ノールとロジャー・ガイエット、アニメーション監督にはロブ・コールマンが参加。視覚効果のプロフェッショナルたちにより、爽快さも熱気も悲壮感も、すべてが肌にビリビリと伝わってくる臨場感が醸し出されている。

遂に結ばれた永遠の物語の輪。ここまで書いたところで、その伝説の片鱗にも触れられはしない。ルーカス監督独自の映画作りの手法やクリステンセンの積んだハードなトレーニング、全作を手がけた作曲家ジョン・ウィリアムズの才能、作り込まれた美術や衣装、俳優陣の活躍などなど、限られたスペースでは伝えきれないエピソードの数々がある。もっと知りたい、という方はさまざまな撮影秘話やこだわりなどがアップされた充実の公式サイトへ。また7月8日から目黒区美術館(〜9月4日)、東京国際フォーラム(〜8月21日)の2ヶ所で同時開催される “アート オブ スター・ウォーズ エピソード3展”を訪れるのもいいだろう。

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐

全6作の完成は嬉しいものの、終わってしまうことへの寂しさもある中、朗報がある。ルーカス監督は現在、2つのTVシリーズを企画しているとのこと。まず“エピソード2”から“エピソード3”に繋ぐOA中の5分間アニメを30分に拡大して3Dアニメ化する。そしてもうひとつは、“エピソード3”から“エピソード4”に至る物語を実写ドラマとして製作する(俳優陣は一新)、とのことである。

どうやらこの普遍の物語は、ルーカス監督の情熱が燃え盛る限り、さまざまな形で続いていくよう。とはいえ、実写版のTVシリーズが日本に届くことなど、まだまだ先のお話。まずは完結した映画版への感動と、果てしない物語は続いていく……という期待感に浸っていよう。

作品データ

スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
公開 2005年7月9日公開
日劇1ほか全国超拡大ロードショー
制作年/制作国 2004年 アメリカ
上映時間 2:21
配給 20世紀FOX映画
監督・脚本・製作総指揮 ジョージ・ルーカス
音楽 ジョン・ウィリアムズ
出演 ユアン・マクレガー
ヘイデン・クリステンセン
ナタリー・ポートマン
サミュエル・L・ジャクソン
クリストファー・リー
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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