ダ・ヴィンチ・コード 試写会日記 毎週、熱田美希から映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ!傑作でも愚作でも、映画ってやっぱり素敵!!
ダ・ヴィンチ・コード

絵画を解釈し、史実と伝説の謎に迫る
緻密な世界観はどこまで映像化されたのか?
一大ミステリーにハリウッドが挑んだ勝負の行方



 2003年の発行から44ヶ国語に翻訳され、全世界5,000万部を超える劇的な大ヒットとなった同名小説が遂に映画化。主演に2度のオスカー受賞経験のあるトム・ハンクス、共演に『アメリ』のオドレイ・トトゥ、本国フランスとハリウッドで活躍中のジャン・レノ。ロン・ハワード監督が仕掛ける、壮大なサスペンス・ミステリーである。


 パリのルーヴル美術館で館長のソニエールが殺害された。彼はレオナルド・ダ・ヴィンチの有名な素描を模して、不可思議なメッセージを残して死亡。そのメッセージに名前が記されていたハーヴァード大学の図像学者ラングドンは、フランス司法警察のファーシュ警部(ジャン・レノ)に嫌疑をかけられて追われることに。ソニエールの孫娘にして暗号解読官ソフィーは祖父の真意に気づき、ラングドンとともに事件の謎に迫っていく。

ダ・ヴィンチ・コード
 謎を追い、追っ手から逃れるうちに明かされていく人々の意思。原作本にある読者自身が暗号を解読し、緻密なパズルを完成させているかのようなタッチを生かそうという努力が伝わってくる。「小説の膨大なインフォメーションをどのようにスクリーンに縮小するかが大事」とハンクスも語っていた通り、絵画を解釈し、史実の謎に迫り、伝説に大いなる疑問を投げかける壮大な展開は、回想やフラッシュバックを駆使してぎっしりと詰め込まれている。暗号や数字関連、宗教や秘密結社など専門的な用語や団体名が次々と登場するため、映画を観る前に原作や解読本などでキーワードを軽く頭に入れておくと、スムーズに入り込むことができるだろう。
 ハワード監督と脚色のアキヴァ・ゴールズマンは、『ビューティフル・マインド』でアカデミー賞をともに受賞した名コンビ。ゴールズマンは一大現象を巻き起こした成功作の脚色に気後れしたそうだが、原作者のダン・ブラウンが本作の製作総指揮となり、新しく発見した事実を脚本に織り込むなど映画化に協力的だったため、「ある意味『ダ・ヴィンチ・コード』 最新版となった」と監督は語っている。


 人間として学者としての良心を感じさせるハンクス、可憐な存在感のトトゥ、頑固な意志で迫力のレノ、名だたる共演者も含めてキャストは皆それぞれに好演。また、フランスではルーヴル美術館やシャトー・ヴィレット、英国ではテンプル教会やウェストミンスター寺院など歴史的建造物の数々で撮影された映像は、伝統を感じさせる趣が美しい。


 公開を前に宗教団体からの抗議、一部の国から内容の編集や上映制限などが求められ、物議をかもしている本作。原作者ブラウンは現在、ラングドンを主人公にした暗号スリラー第3弾に着手しているとのこと(シリーズ第1作は00年刊行の『天使と悪魔』。『ダ・ヴィンチ〜』は2作目)。本作が興行的に成功すれば、ほかの2作も映画化されることになりそうだ。さて、全世界の観客の評価は果たしていかに。
『ダ・ヴィンチ・コード』2006年アメリカ映画
データ
2006年5月更新

ダ・ヴィンチ・コード
2006年5月20日公開
日劇1+日劇3ほか全国東宝洋画系にて超拡大ロードショー

■2006年 アメリカ映画
■上映時間2:30
■ソニー・ピクチャーズエンタテインメント配給
■監督/ロン・ハワード
■脚色/アキヴァ・ゴールズマン
■原作・製作総指揮/ダン・ブラウン
■出演/トム・ハンクス
オドレイ・トトゥ
ジャン・レノ
イアン・マッケラン
ポール・ベタニー
アルフレッド・モリーナ



プロフィール
 
あつた美希 あつた美希
あつた美希
フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。