19年ぶり、米国のヒーローがスクリーンに復活!
スーパーマンのファンであるシンガー監督が
イメージぴったりの新人を起用した爽快な仕上がり
「空を見ろ! 鳥だ! 飛行機だ! スーパーマンだ!」。このフレーズを知っているのはどの世代までなのだろう(笑)。1938年にアメコミから生まれた希代の英雄スーパーマン、遂にスクリーンに復活である。監督は『ユージュアル・サスペクツ』『X-メン』のブライアン・シンガー、主演に26歳の新人ブランドン・ラウス、共演に若手女優ケイト・ボスワース、2度のオスカー受賞で演技派として知られるケビン・スペイシー。ロマンスありアクションあり、わかりやすく楽しめるスーパーヒーローものの王道である。
5年前、故郷の星と生き残りの同胞を求めて忽然と姿を消したスーパーマンは、何も見つけられないまま傷心で地球へと還ってくる。新聞記者クラーク・ケントとしてデイリー・プラネット社に復帰した彼は、運命の恋人ロイスが幼い息子と婚約者とともに新たな人生を歩みだしていることにショックを受ける。
ロケットより早く空を飛び、目から強力ビームを放ち、拳銃の弾をはじき返す“鋼の男”。すべてが丸ごとわかりやすい、これがなんとも気持ちいい。いまどき、赤いケープにトランクス、青い全身タイツにSマークもないだろう、という冷めた目線を覆すものが本作にはある。まず、新人ラウスの妙に爽やかで素朴な雰囲気がスーパーマンにぴったりで、とてもキュート。ボスワースが演じるヒロインともよく合っていてフレッシュな印象だ。そして宿敵レックス・ルーサー役をスペイシーが引き受けたことにはびっくり。良質な映画や舞台の出演で演技の巧さに定評のあるスペイシーは、この手のミーハー映画にしっかり出演するのは初めてでは?彼の茶目っ気のある悪役ぶりは、若手中心の本作をキュッと引き締めている。
スーパーマンの映画復活は約10年前から、ティム・バートンをはじめさまざまな監督の名前があがっては頓挫し続けてきたとのこと。スーパーマンの映画4作の主演を務めたクリストファー・リーブ(落馬事故で全身麻痺となり、2004年に他界)が素晴らしい評価を得ていたことで、跡を継ぐスタッフや出演者がなかなか決まらなかったようだ。本作では、昔からリーブ・スーパーマンのファンだったシンガー監督が名乗りを上げ、新人ラウスを見出し、生前にスーパーマンの父ジョー=エルを演じたマーロン・ブランドの映像と台詞を取り入れるなど、映画の前シリーズの要素を生かしつつ、物語はオリジナルの現代版として製作。自分の居場所探し、恋愛、家族の絆というテーマがドラマとしてシンプルに盛り込まれている。
物語のオチについて「ただのご都合主義?」と突っ込んでも詮無いこと。人々の危機を気前よくばんばん救い、びゅーん、と飛んでいくスーパーマンを眺めていると、ちょっといい気分になる。そういう映画もいいものである。
公開 | 2006年8月19日公開 サロンパス ルーブル丸の内ほか全国松竹・東急系にてロードショー |
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制作年/制作国 | 2006年 アメリカ |
上映時間 | 2:34 |
配給 | ワーナー・ブラザース映画 |
脚本・ストーリー設定 | マイケル・ドアティー ダン・ハリス |
出演 | ブランドン・ラウス ケイト・ボスワース ケビン・スペイシー ジェームズ・マースデン フランク・ランジェラ サム・ハンティントン エヴァ・マリー・セイント |
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