エディット・ピアフ 愛の讃歌 試写会日記 毎週、熱田美希から映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ!傑作でも愚作でも、映画ってやっぱり素敵!!
エディット・ピアフ 愛の讃歌

© 2007 LEGENDE-TF1 INTERNATIONAL-TF1 FILMS PRODUCTION
OKKO PRODUCTION s.r.o.- SONGBIRD PICTURES LIMITED
普遍の名曲「愛の賛歌」「バラ色の人生」を生み、
愛と歌に心を捧げて47年の生涯を駆け抜けた
フランスを象徴するシャンソン歌手ピアフの物語



 ジャン・コクトーやマレーネ・デートリッヒと親しく交流し、イヴ・モンタンら若い才能を見出し、恋と歌に生きて47歳で早世したエディット・ピアフの物語。出演は注目の女優マリオン・コティヤール、ベテランのジェラール・ドパルデュー、監督はオリヴィエ・ダアン。フランス出身のスタッフやキャストが、シャンソンで世界を魅了した不世出のスターの生き様を映し出す。 彼女の歌った曲以上に波乱に満ちたその生涯を、ピアフの実際の歌声や言葉を生かして描いた作品である。


 第一次世界大戦中の1915年、路上歌手の母と大道芸人の父との間にパリで生まれたエディットは、3歳から祖母が取り仕切る娼館で祖母や娼婦たちに育てられる。その後、父と一緒にドサ回りをするうちに自分が歌で稼げることに気づいたエディットは、20歳のころには路上で日銭を稼ぐように。そしてパリの名門クラブ、ジェルニーズのオーナーであるルイ・ルプレにスカウトされ、彼の名付けたピアフ(仏語ですずめ)という名でデビューし、クラブ歌手としてブレイクする。
エディット・ピアフ 愛の讃歌
 華やかなデビュー後、殺人事件の嫌疑で表舞台から追われ、著名な作詞・作曲家の厳しいレッスンを受けて復活。そしてマルセル・セルダンとの運命的な恋と喪失、4回もの交通事故、アルコール中毒や薬物依存…自分を持て余しているかのような過剰な生き様が、痛いほど伝わってくる。 ピアフはマルセル以外にもイヴ・モンタンらと恋をし、テオ・サラポと結婚したことでも知られているが、本作ではそのフランス的なアムールの人格についてはさほど深く触れられていない。そこは個人的に少し物足りなくも思うが、死を目前に、まるで老婆のような風貌となった晩年のピアフの日常とこれまでの人生が交錯していく展開は、観る側を飽きさせない。


 身長169cmの主演のコティヤールは、身長約142cmと小柄だったピアフをそれらしく上手く演じている。もともとピアフのファンだったというコティヤールは劇中で実際に歌うことが少なくとも、録音された曲にあわせて歌うシーンが単なる物まねに終わらないよう、声や歌い方をしっかりと訓練。 「ピアフの歌い方、体や舌の動かし方、小さな息遣いさえも把握しておきたかった。彼女がどこで息をしているかを紙にメモして、その後音楽をかけ、カメラを回して撮影してみる。幾晩も徹夜して、出来ていないところをノートにメモしたわ。ピアフに成り切るために」。 ダアン監督曰く、コティヤールはそもそも若い頃のピアフに顔が似ているとのこと。「マリオンは多くのシーンを無声映画の女優のように演じた。息遣いやリズムのとり方を考えながら、愛を込めて彼女が歌う歌は、魂と身体を融合させ、見事にピアフを蘇らせた」と絶賛している。
エディット・ピアフ 愛の讃歌
 「愛の賛歌」「バラ色の人生(英語ver.)」をはじめ、日本でも越路吹雪、美空ひばり、美輪明宏、中島みゆき、桑田佳祐らのカヴァーでも知られる名曲とともに、ピアフの激しい人生を綴る本作。フランスでは、1963年の彼女の葬儀でパリ中から人が集まったためにパリの交通網が完全にストップし、本作の公開から8週間で500万人の観客を動員。 時を超えて今もなお本国で愛され続けるピアフの物語は、これからの季節にふさわしいドラマティックな作品である。
『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』
2007年 フランス・チェコ・イギリス合作
データ
2007年9月更新

エディット・ピアフ 愛の讃歌
2007年9月29日公開
有楽座ほか全国ロードショー

■2007年 フランス・チェコ・イギリス合作
■上映時間 2:20
■ムービーアイ配給
■監督・脚本/オリヴィエ・ダアン
■出演/マリオン・コティヤール
シルヴィ・テステュー
パスカル・グレゴリー
エマニュエル・セニエ
ジャン=ポール・ルーヴ
クロチルド・クロー
ジャン=ピエール・マルタンス
ジェラトール・ドパルデュー



プロフィール
 
あつた美希 あつた美希
あつた美希
フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。