魔女の呪いで豚の鼻をもって生まれた女の子が
自らの手で確かな愛と信頼を獲得していく
ファンタジックな個性派ラブ・ストーリー
クリスティーナ・リッチ主演、リース・ウィザースプーン製作のキュートで個性的なラブ・ストーリー。魔女の呪いにより豚の鼻をもって生まれた女の子の生きる道とは? 共演は『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』のタムナスさん役でブレイクしたジェームズ・マカヴォイ、ベテランのキャサリン・オハラ、リチャード・E・グラント、監督は本作が長編デビューとなるマーク・パランスキー。可笑しくて心が温まる、愛にあふれた物語である。
裕福な名家の一人娘ペネロピは、5代前の先祖が魔女にかけられた呪いによって、豚の鼻と耳をもって生まれてくる。両親は世間の目から娘を隠し、不憫に思いながらも愛情をかけて育てていく。呪いを解くには「お前たちの“仲間”が、娘に永遠の愛を誓うこと」という魔女の言葉を実践すべく、18歳になったペネロピに母はやっきになって良家の子息とのお見合いを画策。が、誰も皆ペネロピの顔を見ると一目散に逃げ出してしまう。お見合いを始めて7年目のある日、彼女を見ても逃げ出さないマックスと出会うが…。
カラフルでキュートでちょっと変。狙い通りのかわいらしいラブ・ストーリーである。なんといっても配役、そして衣装やインテリア、小物類など、すべてがいい具合のテイストで選ばれている。キメキメというわけではなく、ヴィンテージ風やクラシックなもの、遊び感覚のあるおもちゃなどがたくさん配され、肩の力の抜けたニュアンスがスタイリッシュだ。『キューティ・ブロンド』のリースが製作~というフレーズから、シンプルなサクセス・ストーリーをイメージしていたが、本作はちょっと違う。絵柄の派手さとは裏腹に、等身大の幸せを自分の手で掴む、という地に足のついた実直な物語であるところも面白い。
リッチはイノセントなペネロピ役で持ち前の魅力をあますことなく発揮。無防備に我が道をゆくところがいじらしく、お嬢様で世間知らずでもどこかたくましい、誰もが共感できるキャラクターとなっている。マカヴォイは裏がありながらもペネロピに純粋に惹かれていくマックスを好演。親バカの両親をオハラとグラントがコミカルに演じ、ペネロピの友達となるパンク系のアニー役でウィザースプーンも顔をだしている。
自らの映画製作プロダクション、タイプA・フィルムズをもつウィザースプーンにとって初のインディペンデント作品、短編映画で評価されていたロサンゼルス育ちのパランスキー監督にとって幸先のいい長編デビューである本作。美しいお姫様を王子様が幸せにしてくれるお伽話ではなく、外見にコンプレックスのある女性が裏切りや嘘を乗り越えて愛や信頼を獲得していく、というファンタジックにアレンジされた現代的なテーマが魅力だ。逃げ出したお見合い相手を捕まえるために執事がスニーカーを履き、娘のお見合いをTV番組でも見るかのごとく家族で見物するなど、こまごまとしたエピソードがクスッと笑えるところも好い。彼氏彼女と、友達と、家族と。すべての客層をハッピーにしてくれるピュアな個性派ラブ・ストーリーである。
公開 | 2008年3月1日公開 テアトルタイムズスクエアほかにて全国順次ロードショー |
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制作年/制作国 | 2006年 イギリス |
上映時間 | 1:41 |
配給 | 東京テアトル/デスペラード |
監督 | マーク・パランスキー |
脚本 | レスリー・ケイヴニー |
製作 | リース・ウィザースプーン スコット・スタインドーフ ジェニファー・シンプソン |
出演 | クリスティーナ・リッチ ジェームズ・マカヴォイ キャサリン・オハラ リチャード・E・グラント ピーター・ディンクレイジ サイモン・ウッズ リース・ウィザースプーン |
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