インクレディブル・ハルク

魅力的なキャストでハルクが再びスクリーンに!
ブルースの葛藤、ベティとのロマンス
よりドラマティックに仕上げたアクション大作

  • 2008/08/01
  • イベント
  • シネマ
インクレディブル・ハルク© 2008 MVLFFLLC. TM & © 2008 Marvel Entertainment. All Rights Reserved.

アメリカのマーベル・コミックの人気キャラクター“ハルク”を、’03年の『ハルク』とはキャストやスタッフを一新してマーベル・スタジオが映画化。出演は演技派のエドワード・ノートン、溌剌とした魅力をもつリヴ・タイラー、演技に定評のあるティム・ロス、ベテランのウィリアム・ハート。監督は『トランスポーター』のルイ・レテリエ。ブルースの葛藤やベティとのロマンスなど、人間ドラマの部分を強化したアクションムービーである。

研究室の事故で多量のガンマ線を浴びて以来、心拍数200を超えると緑の巨人、ハルクに変身してしまう科学者のブルース・バナー。その体質を軍事利用しようと目論むロス将軍の追っ手を逃れ、ブルースは南米で逃亡生活を送っていた。怒りを制御する方法を学び、アメリカの見知らぬ科学者とともにインターネットを介して普通の人間に戻るための治療薬の開発を進めていたところ、ロス将軍の部隊から襲撃を受ける。

ティム・ロス

『美女と野獣』『ゴジラvsモスラ』の要素を思わせる、わかりやすいドラマ展開でシンプルに楽しめる仕上がり。充実の出演者や人間臭いエピソードを盛り込んだ物語の内容から、もっと心理描写を丁寧に見せていくのかと期待していたものの、そこはさほどでもない。ゲスト出演はブラジルの格闘家ヒクソン・グレイシーや原作者スタン・リー、TV版で変身後のハルクを演じたルー・フェリグリノなど、ファンにはたまらない仕込みがいろいろあるとのこと。家族で観に行くのにも良い、夏休みシーズンにふさわしい作品だ。

リヴ・タイラー

原作者の作者スタン・リーとジャック・カービー曰く、『フランケン・シュタイン』と『ジキル博士とハイド氏』を融合させて作り上げた、というハルク。’62年にマーベル・コミックで発表され、’77年から実写ドラマが放送、’03年にアン・リー監督によって映画化され、今回はマーベルが自社で立ち上げた映画製作会社マーベル・スタジオが映画化。時代を超えて愛されるハルクの魅力について、レテリエ監督は語る。「ブルース・バナーはアンチヒーローだ。彼は“こんなパワーなどいらない”と思っている。だが彼はそのパワーを放棄できないことも知っている。もし彼が放棄すれば、他の誰かが悪用するからだ。それがこのキャラクターがたどる旅路――“受容”の旅路だ。人間は誰でも怒りを抱いている。怒りをうまくコントロールできる人もいれば、そうでない人もいる。怒りを勇気に変えることはたやすいということをブルースは知っているんだよ」

ノートンはハルクに変身してしまうブルースの苦悩を表現。自ら脚本に参加するなど意欲的に取り組んでいたとのこと。タイラーはブルースを信じてハルクを受け入れるベティを持ち前の魅力で好演。ベティの父でありブルースの敵であるロス将軍を演じたハートは、原作のファンである実の息子と役作りについてじっくり話し合った、というから面白い。ハルクに敵対する野心的な軍人ブロンスキーは、ロスがうまいこと憎ったらしく演じている。

エドワード・ノートン

本国アメリカではマーベル・スタジオが『アイアンマン』(9月27日 日本公開)に続いて発表し、興行的にも成功を収めている本作。ラストにはロバート・ダウニーJR.が演じる『アイアンマン』の主人公スタークが登場し、マーベル・ムービーのさらなる展開を予想させる仕上がりとなっている。製作はワーナーであるものの、バットマンシリーズの最新作『ダークナイト』も8月9日に日本公開。’08年の今季はマーベル祭りが大いに盛り上がりそうである。

作品データ

インクレディブル・ハルク
公開 2008年8月1日公開
スバル座ほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2008年 アメリカ
上映時間 1:52
配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
監督 ジルイ・レテリエ
原案・脚本 ザック・ペン
出演 エドワード・ノートン
リヴ・タイラー
ティム・ロス
ウィリアム・ハート
ティム・ブレイク・ネルソン
タイ・バーレル
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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