双子を出産したアンジーが3年ぶりにアクション出演!
演技派のマカヴォイ×ロシアのベクマンベトフ監督
ヒネリの効いたアクション映像で注目の話題作
アンジェリーナ・ジョリーが’05年の『Mr.&Mrs.スミス』以来、3年ぶりにアクションに出演! ‘03〜’04年に発表された同名の人気グラフィック・ノベルを、『ナイト・ウォッチ』シリーズでロシア史上最高の興行成績をマークしたティムール・ベクマンベトフ監督が映画化。出演は『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』のタムナスさん役でブレイクし、良作への出演が続くジェームズ・マカヴォイ、ベテランのモーガン・フリーマン、そしてアンジー。列車上のアクションや派手なカーチェイスなど、ヒネリを効かせた映像で話題のアクション・ムービーである。
上司にイビられ、同僚に彼女を寝取られ、不安発作を抑えるための薬を常用し、口癖は「I’m sorry」。地味なサラリーマンのウェスリーは冴えない日々をやり過ごしている。だがある日、見知らぬ美女フォックスに声をかけられ、思いがけないことを告げられる。昔に亡くなったはずのウェスリーの父親は偉大な暗殺者で、彼にその後継者になってほしいというのだ。何がなんだかわからないまま、ウェスリーは太古から続く秘密暗殺組織"フラタニティ"を仕切るスローンのもとに連れられ、暗殺者として新たな人生を始めるかどうかの選択を迫られる。
一番面白いのは、斬新なカットが集約されたCM用のトレーラー。とてもワクワクさせられる。だが本編はというと展開が中途半端に突飛で、アクションといえども物語として物足りなさが否めない。“北米でオープニング記録を樹立”などのはなやかなニュースもあるようだが、“10代〜20代を中心に人気”という点で納得だ。
原作はマーク・ミラーとJ.G.ジョーンズによる同名のグラフィック・ノベル。漫画的なのもそのはず、ミラーはコミックライターとしてマーベル・コミックに『ULTIMATE X-MEN』『MARVEL KNIGHTS SPIDER -MAN』などを提供し、ここ10年でマーベル最高の売上となった『CIVIL WAR』を発表した人物とのこと。本作の原作小説は’04年にミラーが設立した出版社ミラーワールド・ブックスによる処女作。ミラーの最新作『KICK-ASS』はニコラス・ケイジ出演で、すでに映画化が決まっているそう。アメコミ風に遊びのあるストーリーは、ハリウッド映画向きなのかもしれない。
アクションの主演という意外な顔を見せたマカヴォイ。冴えないサラリーマンから一流の暗殺者に変貌するウェスリー役ということもあり、演技が上手い役者らしくそれなりにキマッてはいる。が、自身でも「文学作品の方がやりやすい」と語るだけあって、文芸作品の方が彼の個性がより映えるように思える。そんなマカヴォイの次回作は、文豪トルストイを主人公にした文芸ドラマ『THE LAST STATION』とのこと。フリーマンは組織を仕切るスローン役を確かな存在感で演じ、アンジーは組織の一員として誇りをもって仕事に徹する暗殺のプロ、フォックスを好演。本作の出演についてアンジーは語る。「この映画はちょっと風変わりで、ユーモアのセンスがある。どこかざらざらした、ヨーロッパ的な、ちょっと型破りなところがあるの。ティムール(監督)はとても徹底した没頭型の人間なのよ。そんな彼が大予算のハリウッド映画に、何か珍しいものを持ち込むのを見るなんて、ちょっといいでしょ」
弾道が非現実的に極端な弧を描く、組織に受け継がれてきたマル秘・銃撃テク、小柄でやせ型のマカヴォイが涙ぐましい努力で12kg増のマッチョな74kgになり、高架鉄道の屋根をジャンプなど自ら多くのスタントをこなし、プチ見どころがいろいろの本作。’08年7月に双子を出産したアンジーの3年ぶりのアクション出演、演技派のマカヴォイが肉体改造をしてスタントにも挑戦、ロシアのベクマンベトフ監督がハリウッドに初進出。そして日本語の吹き替えはあのDAIGOが初のアフレコ。とかく話題はてんこもり。なーんにも考えずに楽しむためのエンタメ作である。
公開 | 2008年9月20日公開 日劇1ほかにて全国ロードショー |
---|---|
制作年/制作国 | 2008年 アメリカ |
上映時間 | 1:50 |
配給 | 東宝東和 |
監督 | ティムール・ベクマンベトフ |
原作 | マーク・ミラー J.G.ジョーンズ |
脚本 | マイケル・ブラント&デルク・ハース クリス・モーガン |
出演 | ジェームズ・マカヴォイ アンジェリーナ・ジョリー モーガン・フリーマン テレンス・スタンプ トーマス・クレッチマン コモン コンスタンチン・ハベンスキー |
記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。