現代を生きる大人の男女が本音でバトル!
マニュアル要素を恋愛ドラマに落とし込む
ハイテンションでちょっとアダルトなラブコメディ
「マシンで肉をおとして、ペラペラの下着を着ろ! 男はオッパイやケツに惚れる」「理想のタイプは頭がよくて、イヤミのない美形。この世のどこかにいるはず」対極の見解をもつ男と女が恋愛ネタでガチンコ勝負!男の本能を説く毒舌恋愛カウンセラー V.S. 理想の王子を信じる敏腕女性プロデューサー、その対決の行方は?出演は人気TVシリーズ『グレイズ・アナトミー』のキャサリン・ハイグル、’04年の『オペラ座の怪人』で人気に火がついたジェラルド・バトラー、監督は’01年の『キューティ・ブロンド』で大ブレイクしたロバート・ルケティック。キワどいトークバトルの裏にある心情に、共感ポイントも盛りだくさん。現代をハードに生きる大人の男女の恋愛事情を描く、ちょっとアダルトなラブコメディである。
カリフォルニア州、サクラメント。地方局のTVプロデューサーとして多忙なアビーは美人で切れ者。恋愛願望はあれども彼氏ナシ、という彼女の前に、イケメン外科医である理想の男性コリンが現れる。そんな折、アビーの担当する情報番組に、過激な恋愛カウンセラー、マイクのレギュラー出演が決定。まったくソリが合わずに反発しあうアビーとマイクだったが、ひょんなことから協力関係を結ぶことに。それはマイクのアドバイスに従って、アビーがイケメン・コリンを彼氏にする、というシナリオだった。
「君にはそそられない。男をゲットしたければ、5つのルールを守れ」女性としてはムカッとくるも、かなり的を射たマイクの助言。昔ながらの定番的な内容が含まれつつ、「その1:説教しない。男は成長や変化や進歩に弱い」から始まるマイクの5か条はスルドイところをついている。恋愛マニュアル本の要素をふんだんに盛り込みながら、ハジけたラブコメディに落とし込む、日本で現在公開中の『そんな彼なら捨てちゃえば?』に近いタイプの作品だ。
脚本は、原案を新鋭の脚本家ニコール・イーストマンが執筆し、コメディとしてのアレンジと加筆に『キューティ・ブロンド』でもルケティック監督と組んだ脚本家コンビ、キルステン・スミスとカレン・マックラー・ラッツが参加。3人の女性脚本家による現代女性の目線を35歳のいち男性でもあるルケティック監督が仕上げたためか、男と女の本音が下品となる臨界点スレスレのキワどいあたりで巧いこと描かれているようだ。
ハイグルはお堅いワーキングウーマンから男好きする女性に化けるアビー役を好演し、製作総指揮も担当。体を張ってエロとギャグを表現する某シーンは37回も撮り直したそうで、かなりいろいろ投げ打ってさらけ出しているところがスゴイ。また真摯で落ち着いたイメージのバトラーも、過激なマイク役でイケイケ炸裂。いつもの10倍の台詞をまくしたてたという機関銃トークにも不自然さはなくユーモラスだ。ある意味、「手堅く売れている俳優2人がここまでやるか!」というノリが、本作の一番の見どころかもしれない。
肉食女子、草食男子というワードが取り上げられている近ごろ。すべての女性がキャビアを嫌いなわけではないし、すべての男性が下半身だけで物事を判断しているわけでもないだろうが、当たらずとも遠からず、という展開で引きつける本作。本国アメリカでは批評家の評価は低かったそうだが、興行収入はまずまずで観客からはそれなりに支持されている様子。ルケティック監督は本作に続き、次回作『Five Killers』でハイグルと2度目のコンビを組むとのこと(共演はアシュトン・カッチャー)。『キューティ・ブロンド』でブレイク後、まあまあの状態が続いていたルケティック監督。本作をきっかけに自らの本領を再確認、とかしたのだろうか。新作は魅力的なヒロインが自己実現するラブコメではなく、アクション・コメディになるとのこと。ともあれ今後も、ルケティックのちょっと風刺でハイテンションなコメディ作品が楽しみだ。
公開 | 2009年9月18日公開 TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー |
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制作年/制作国 | 2009年 アメリカ |
上映時間 | 1:35 |
配給 | ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント ※レイティング R15+ 指定(15歳以上がご覧になれます) |
監督 | ロバート・ルケティック |
原案・共同脚本 | ニコール・イーストマン |
共同脚本・製作総指揮 | カレン・マックラー・ラッツ キルステン・スミス |
出演 | キャサリン・ハイグル ジェラルド・バトラー エリック・ウィンター ジョン・マイケル・ヒギンズ シェリル・ハインズ |
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