ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 1

シリーズ最終章は今秋と来夏公開の2本立て!
ハリーたちは闇の帝王を倒すべく、命懸けで決起する
心と絆の強さが試されるファンタジー・アクション

  • 2010/11/19
  • イベント
  • シネマ
ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 1© 2010 Warner Bros. Ent.
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2001年から約10年かけて、ハリー・ポッターシリーズ映画版が遂に完結。最終章は2部構成で、今秋と来夏の2回にわけて上映。その内容とは? 出演はシリーズでおなじみのダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、レイフ・ファインズほか。監督は’07年の『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』、’09年の『ハリー・ポッターと謎のプリンス』に続いて最終章の2部作とシリーズ作品の後半すべてを手がけるデイビッド・イェーツ。魔法界は闇の力に圧倒され、ハリーv.s.闇の帝王ヴォルデモートの対立は激化。強大な敵を倒すべくハリーが選んだ過酷な道とは。これまでの作品でもっとも激しいアクションとシリアスな人間ドラマで描く、人気ファンタジーシリーズの第7作である。

ホグワーツ魔法魔術学校のダンブルドア校長をなくした魔法界は、闇の帝王ヴォルデモートに掌握されつつあり、暗黒の影を落としている。そしてヴォルデモートに対抗する力をもつ“選ばれし者”ハリーは、死喰い人から執拗に追われるように。ヴォルデモートを完全に葬るためには、どこにあるのかもわからない“分霊箱”のすべてを見つけ出して破壊しなければならないと知った今。ハリーは命懸けの旅に1人で出ることを決意する。が、ロンがハリーを引きとめ、ハーマイオニーも一緒に改めて、3人であてのない厳しい旅に出る。

ダニエル・ラドクリフ

最終決戦に向けて、ますますダークでハードなカラーが深まる本作。ある影響により、ハリー、ロン、ハーマイオニーの親友同士の絆がゆらぎ、不信や疑念、嫉妬や卑屈さなどのドロドロとした感情がぶつかり合うシーンも。頼れる大人たちを次々となくし、自分たちだけで問題を解決しようとハリーたちが歩き出すところも含め、ある種、思春期の言いようのない不安定さ、大人の庇護のもとから自立していこうとする過程がよく投影されているようにも。もちろん暗いばかりではなく、ハリーとロンの妹ジニー、ロンとハーマイオニーとのロマンスもあり、ファンの期待に応えるシーンも描かれている。

見どころはハリーたちの派手なアクションシーンのみならず、冒頭では7人のハリーが一堂に会するユーモラスなシーンも。このシーンのメインはほんの8秒であるものの、実際の撮影では96テイクを数日間かけて撮影し、かなりの時間と手間がかかっているとのこと。また、そもそもハリーシリーズはホグワーツ魔法魔術学校を舞台にした学園ドラマの側面もあるが、本作では学校はほとんど映らず、ハリーたち3人が放浪するロードムービー風の内容に。ロンドンのピカデリー・サーカスから、深い森、海辺、断崖、雪のふる街と背景がどんどん変わっていくところも見応えがある。これらのシーンはスコットランド峡谷をはじめ、約3ヶ月かけてロケーションを行ったそうだ。

もともと2Dと3D両方の上映予定だったこの作品は、公開約1ヶ月前に2Dのみの上映が決定。インフォメーションによると、「関係者全員の最大限の努力にも関わらず、 作品のクオリティを維持したまま最高の3D品質基準で観客の皆様にお届けすることができないと判断した結果」とのこと(PART2は2Dと3D両方で上映予定)。とはいえ本作はかなり寄り気味の顔のアップや激しいアクション、画面の端が歪んで見えるほどの奥行き感など、映像の作りそのものが3D向けになっているため、肉眼でも3Dのような立体感を覚えるほどの仕上がりとなっている。

ダニエル・ラドクリフ

’01年からハリーを演じているラドクリフは現在21歳になり、ハーマイオニー役のワトソンは20歳、ロン役のグリントは22歳に。あんなに幼かった子たちがぐんぐん育ち、あまりの育ちぶりに同じキャストのまま子供役を演じ続けることを危ぶまれながらも、とうとうシリーズのラストまで演じ切ったあたり、なかなかに感慨深い。シリーズを通じて友情を育んできた3人は最終章を迎えることに寂しさを感じながらも、「これからも友情は続く」と語っている。ヴォルデモートを演じるレイフ・ファインズは邪悪で冷酷な悪役ぶりで、ヘレナ・ボナム=カーターが演じるベラトリックスは相変わらず狂犬ばりの凶暴さ、アラン・リックマン演じるスネイプ先生はダークさ全開、トム・フェルトンが演じるドラコには迷いが浮かび、イバンナ・リンチが演じる不思議系の同級生ルーナは事件に巻き込まれ、ボニー・ライトが演じるロンの妹ジニーはハリーと心を寄せ合って。ハリーを慕う屋敷しもべ妖精トビーも活躍し、それぞれのキャラクターらしさで魅せている。

「1人では勝てないぞ」というヴォルデモートの台詞が暗示するように、仲間と力を合わせて戦うハリー。暗黒に包まれる魔法界とハリーたちの運命やいかに。続編『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』は、2011年7月15日に2Dと3Dの両方で日本公開予定。来夏の大フィナーレへと続くこの作品を、まずはとくとご覧あれ。

作品データ

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 1
公開 2010年11月19日公開
丸の内ピカデリーほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2010年 アメリカ
上映時間 2:26
配給 ワーナー・ブラザース映画
原題 HARRY POTTER AND THE DEATHLY HALLOWS PART1
原作 J・K・ローリング
監督 デイビッド・イェーツ
製作 デイビッド・ハイマン
デイビッド・バロン
脚本 スティーブ・クローブス
出演 ダニエル・ラドクリフ
ルパート・グリント
エマ・ワトソン
レイフ・ファインズ
ヘレナ・ボナム・カーター
ロビー・コルトレーン
ブレンダン・グリーソン
ジェイソン・アイザックス
アラン・リックマン
イバンナ・リンチ
トム・フェルトン
ボニー・ライト
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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