ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2

10年越しの大ヒットシリーズが遂に完結!
ハリーが暗黒の支配者ヴォルデモートに決戦を挑む
3D/2D同時公開による迫力の一大フィナーレ

  • 2013/07/15
  • イベント
  • シネマ
ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2© 2011 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights © J.K.R. Harry Potter
characters, names and related indicia are trademarks of and © Warner Bros. Ent.
All Rights Reserved.

2001年から10年続いてきたハリー・ポッターの映画シリーズが遂に完結。出演はダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ヘレナ・ボナム=カーター、レイフ・ファインズ、アラン・リックマン、マギー・スミスほか、これまでのシリーズに出演した俳優たちが大集結。監督は’07年の第5作目『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』、’09年の『ハリー・ポッターと謎のプリンス』、’10年の『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』に引き続きデイビッド・イェーツ。魔法界における光と闇の勢力の全面対決、ハリーと暗黒の支配者ヴォルデモート卿との因縁の決戦、これまでに敷かれてきたさまざまな伏線がつながり、ちりばめられた謎が明かされてゆく。そしてハリーの決断とは――。冒険アクションありサスペンスあり人間ドラマありラブロマンスあり、完結編にふさわしいヴィジュアルとストーリーによる一大フィナーレである。

ヴォルデモートが君臨し、暗黒に支配された魔法界。ハリーはハーマイオニーとロンとともに、ヴォルデモートの命をわけた7つの“分霊箱”を見つけ出し、破壊する旅を続けている。残りの4つのうち、ひとつのありかに目星をつけた3人は、小鬼の案内でグリンゴッツ銀行へ。そして3つがそろうと死に打ち克つという死の秘宝のうち、“蘇りの石”は不明、“透明マント”はハリーが所有し、最強の魔法の杖“ニワトコの杖”はヴォルデモートが手に入れた。ヴォルデモートは決死の覚悟で分霊箱を探索して破壊するハリーたちの動きを感知し、闇の組織を強化し続け、手負いの獣のようにますます凶悪になっていく。

ダニエル・ラドクリフ

前作で断念した3D上映を、最終章2部作の後編でとうとう実現。日本では2D、3D、IMAX3D、日本語吹替版が同時公開される。劇中ではトロッコがレールの上を猛スピードで疾走し、巨人やドラゴンが大暴れし、ほうきでアクロバティックに空を飛び、熾烈な魔法合戦が展開。3D映像としても見どころが満載だ。ストーリーの中で個人的に一番響いたところは、ハリーが生き残っていけるように、陰に日向にずっと見守ってきた存在の秘められたエピソード。ハリーとヴォルデモートの最終決戦、魔法界に光と秩序を取り戻すという表のストーリーに加え、情感に訴える裏軸がしっかりしているため、見応えや面白さが際立って増している。

10年という長いシリーズで、’02年に他界したリチャード・ハリス(ダンブルドア校長役)を除いて、同じ俳優たちが演じ続けたキャラクターたちも今回で見納め。ラドクリフはあどけない少年から重い使命を担う青年へと成長し、自らの命を賭して戦うハリーを熱演している。第1作の撮影当時、ハリーと同じ11歳だったラドクリフも今年で22歳。自らがアルコール依存症に陥っていたことをイギリス版の雑誌『GQ』’11年8月号で告白したことには驚かされた。’09年の『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の撮影中からウイスキーを飲み始め(イギリスで18歳の飲酒は合法)、「有名人としてのライフスタイルに溺れた時期が数年あった」とのこと。そうした暮らしは自分には向いていないと気づいたそうで、今は’10年8月から断酒し、恋人との穏やかな暮らしを楽しんでいるそうだ。ハリウッドで成功した子役スターが道を踏み外すことはとても多いものの、その乱行が報道される前に自らの意志で克服して公表することは、そうあることではない。また彼はこれから俳優として息の長いキャリアを築き、子役スターはそれ以上にはなれないと言われるジンクスを打ち破りたいとも。ハリー=ラドクリフを全うした彼に、若手のいちイギリス人俳優として今後の活躍を期待したい。また劇中では、ワトソン演じるハーマイオニーとグリント演じるロンの恋もしっかり前進。ファンが期待するシーンも用意され、撮影前は「幼なじみ同士だから……」と照れまくっていた2人も本番では役に入り、信頼し合う若い恋人同士として初々しいシーンに。ヘビ顔の特殊メイクでヴォルデモートを演じるファインズ、ダンブルドア校長を殺害してホグワーツ魔法魔術学校の校長となったスネイプを演じるリックマン、ヴォルデモートの腹心で残虐なベラトリックスを演じるボナム=カーターほか、物語ではすでに死んだ役を演じるゲイリー・オールドマンやマイケル・ガンボンらをはじめ、たくさんのオールスターキャストが出演。ファンなら群集シーンで懐かしいキャラクターを探すのも楽しそうだ。

レイフ・ファインズ

原作者であり映画シリーズに製作として参加しているJ.K.ローリングはハリーシリーズについて、ヴォルデモートを“唯一の例外”として「彼だけは根っからの悪人で弁護の余地はない」としながらも、「どの登場人物も、もちろんハリーを含めて、欠点はあるわ。100パーセントの善人もいなければ、100パーセントの悪人もいない」とコメント。映画でもハリーの成長のプロセスをとても大事にしていたそうで、「そこは(小説でも)いちばん力を入れて書いたところだったから」と語っている。イェーツ監督は映画版ハリーシリーズについて、「キャラクター描写に重点を置くことで、原作に込められた数々のメッセージがおのずと出てくるんだ。そのメッセージとは忠誠心、愛、友情、思いやりの大切さだね。その対極に冷酷な心や邪悪な感情が位置している」とコメント。さらに俳優として物語を体感してきたスネイプ役のリックマンが、シリーズの特性について、「子供にとっては想像力を鍛えることが大切。想像力も大人になるために欠かせない“筋肉”だからね。一人前に成長するには人生の大きなテーマを自分なりに考えなくてはならない。何が善で、何が悪なのか。誰を信じていいのか、いけないのか。勇気とは、そして誠意とは何なのか。このシリーズは、そんな問いを投げかけているんだ」と明快に語っている。

ダニエル・ラドクリフ

今回でシリーズ最後の製作となる本作。キャストもスタッフも全員が一抹のさみしさと大いなる感謝を述べる中、リックマンが快いコメントを寄せている。「人生に別れはつきものだからね。何事にも幕を引くときはかならずやってくる。そうしないと、人は前には進めない。ひとつ言えるのは、この作品が有終の美を飾るにふさわしいということかな」。無名の新人から一躍人気スターとなった若手俳優たち、玄人好みの演技派から老若男女の幅広い世代に知名度があがった俳優陣、“ハリーシリーズを製作した”という大きな経験と実績を得たスタッフの面々。10年がかりのこの壮大なシリーズを通して、関わったすべての人たちの心身や環境にどれほどの影響が与えられたのか、それははかりしれない。ローリングは語る。「一連の作品はチームワークのたまもの。映画界の才能豊かな人たちとご一緒できたこと、そして信頼関係を築けたことは私の自慢なの。このシリーズに関わった経験は宝物だわ」。ホグワーツ魔法魔術学校を卒業した各人が、映画シーンでどのような活躍をしていくか。ここから始まる彼らの新たな旅に注目したい。

作品データ

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2
公開 2011年7月15日公開
丸の内ピカデリー1ほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2011年 アメリカ
上映時間 2:10
配給 ワーナー・ブラザース映画
原題 Harry Potter and the Deathly Hallows-Part 2
監督 デイビッド・イェーツ
原作・製作 J.K.(ジョアン・キャスリーン)ローリング
脚本 スティーブ・クローブス
製作 デイビッド・ヘイマン
デイビッド・バロンほか
出演 ダニエル・ラドクリフ
ルパート・グリント
エマ・ワトソン
レイフ・ファインズ
ヘレナ・ボナム=カーター
アラン・リックマン
マイケル・ガンボン
キアラン・ハインズ
ジェイソン・アイザックス
ヘレン・マクローリー
マギー・スミス
ロビー・コルトレーン
ウォーウィック・デイビス
ジュリー・ウォルターズ
トム・フェルトン
イバンナ・リンチ
ボニー・ライト
マシュー・ルイス
ジェイムズ・フェルプス and オリバー・フェルプス
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
XInstagram

記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。