ロック・オブ・エイジズ

世界中で上演されている人気ミュージカルを映画化!
トム・クルーズやメアリー・J・ブライジが名曲を熱唱
ロックと青春を謳い、シンプルに王道をゆくミュージカル映画

  • 2012/08/03
  • イベント
  • シネマ
ロック・オブ・エイジズ© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINENT INC.

現在もブロードウェイをはじめ、世界中で上演されている人気ミュージカルを映画化。出演は、カントリー歌手でプロの社交ダンサー、映画『バーレスク』に出演したジュリアン・ハフ、本作が映画初出演のメキシコ出身のシンガーで俳優のディエゴ・ボネータ、そしてトム・クルーズ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、ラッセル・ブランド、ポール・ジアマッティ、アレック・ボールドウィンほかベテランたち。監督・製作総指揮は振付家やプロデューサーとしても知られ、映画『ヘアスプレー』を手がけたアダム・シャンクマン、脚本・製作総指揮として舞台版の脚本家クリス・ダリエンソが参加。演技派俳優のトビー・マグワイアが製作に名を連ねる。シンガーとしての成功を夢見る青年と少女がロサンゼルスのストリートで恋におち……王道のサクセス・ストーリーと’80年代のロック・ナンバーの数々を楽しむ、シンプルなミュージカル映画である。

1987年、成功を目指す若者たちが集まるハリウッドの名所サンセット通り。ロックシンガーを目指す都会育ちの青年ドリューと、シンガーを夢見て田舎からやってきた少女シェリーは、伝説的なライブハウス「バーボンルーム」で恋に落ちる。2人のあこがれのロックスター、ステイシー・ジャックスがバンドから独立するラスト・ライブの日、シェリーの機転でドリューが前座バンドとして歌うも、ドリューはシェリーがステイシーと関係をもったと誤解し、2人は別れてしまう。

ロサンゼルスに実在するサンセット通りを舞台に描く、ロックと青春の物語。’80年代のヒット・ナンバーにのって、予想通りのわかりやすい展開でラストまで疾走する。

キャサリン・ゼタ=ジョーンズ

注目はやはり、ステイシー役でロックを本気のテンションで歌いあげる、ミュージカル初出演のクルーズ。彼はガンズ・アンド・ローゼズのヴォーカリストであるアクセル・ローズや、名ヴォーカル・コーチであるロン・アンダーソンの指導を受け、1日5時間、週5日のヴォーカル・トレーニングを行い、ギター・コンサルタントのエリック・ジャクソンからギター演奏を学び、本作に臨んだとのこと。シャンクマン監督は語る。「彼の歌を初めて聴いたときのことはまだ覚えているよ。彼には見事な4オクターブの音域があるんだ。あとで知ったんだが、彼の家系にはオペラ歌手が何人かいるそうなので、遺伝的に歌の素質があるのかもしれないね。でも、これまで誰も彼に歌を頼んだことがなかったんだ。彼の意外な才能を生かせるなんて、僕はとにかく幸運だったと思うよ」。そもそもステイシー役をクルーズにオファーしたことは、偶然がきっかけだったとのこと。監督が“映画界最大のスターにロック界最大のスターを演じてもらえたら”と考えていた時に、クルーズとばったり会ったそう。そこでミュージカル映画の出演をオファーしたところ、クルーズに「本気なの?」と聞かれ、ステイシー役を説明したら彼は爆笑し、その場で出演を承諾したそうだ。ところでクルーズというと、6月28日に妻のケイティ・ホームズから突然の離婚申請がなされ、7月10日には離婚協議の和解が報道されたことは記憶に新しい。これまでにない役柄で金と女と酒に浸る享楽的なロックスターを演じる映画が公開中に(全米公開は2012年6月15日)こうしたことになるとは、妻のケイティも気を配ったというか、私生活までドラマティックに演出されるような流れは、ザ・ハリウッド・スターとしてある意味とても正統、という感覚も。

ヒロインのシェリー役はハフが溌剌と、ロックシンガーを目指すドリュー役はボネータが初々しく好演。2人とも大役に抜擢された若手ながらキャラクターの雰囲気に合い、シンガーとして歌に安定感のあるところがいい。ステイシー役でクルーズがスターの堕落と再生をデカダンに、マネージャーのポール役でジアマッティは利益を独占しようとする俗物を、バーボンルームのオーナー、デニス役でボールドウィンはロック魂を渋く貫き、同店の技術担当ロニー役でブランドがユーモアを添え、「ローリングストーン」誌の記者コンスタンス役でマリン・アッカーマンが熱意を表現。そして映画版オリジナルのキャラクターとして、ロックを“俗悪”と批判する市長夫人パトリシア役で、『シカゴ』のオスカー女優ゼタ=ジョーンズがキレのいいダンスと歌を打ち出し、映画の核を引き締めている。またR&Bの女王メアリー・J・ブライジが高級ストリップ・クラブのオーナー、ジャスティス役を演じ、カメオ出演でエクストリームのヌーノ・ベッテンコート、ナイト・レンジャーのジョエル・ホークストラ、デビー・ギブソン、元スキッド・ロウのセバスチャン・バックほかミュージシャンやパフォーマーも多数登場。充実のメンバーとなっている。

ジュリアン・ハフ、ディエゴ・ボネータ

本作で流れる楽曲は、トゥイステッド・シスターの「We're Not Gonna Take It」、ジャーニーの「Don't Stop Believin'」といったロックの名曲、フォリナーの「I Want To know What Love Is」、ポイズンの「Every Rose Has Its Thorn」、REO スピードワゴンの「Can't Fight This Feeling」などのバラードなど。クルーズは劇中で、デフ・レパードの「Pour Some Sugar on Me」、ボン・ジョヴィの「Wanted Dead or Alive」、スコーピオンズの「Rock You Like a Hurricane」などを熱唱。メアリー・J・ブライジは、日本の某情報番組のオープニング曲として使用されているジャーニーの「Any Way You Want It」をカヴァーしている。

トム・クルーズ

本作の映画化は、シャンクマン監督がブロードウェイ版『ロック・オブ・エイジズ』を観て感動したことから始まったとのこと。「これまで数多くの舞台を観てきたけれど、あのミュージカルほど観客が楽しんでいる作品はなかった。観客は全員がすべての曲の歌詞を知っていて、席から立ち上がって一緒に歌い、心から楽しんでいたんだ。あの熱気、あの純粋な興奮、それを目の当たりにして僕はこの映画を作る決意が固まった」。そしてこの映画が完成したことについて、監督は語る。「僕たちは、音楽への賛辞、敬意、そして音楽に包まれることに対する愛情を表現するためにがんばったんだ。ハードロックだけでなく、’80年代のポップスとロック・アンセム(長く愛されている名曲)。人々がよく知っていて、楽しめる音楽。懐かしさを覚えるだけでなく、そういう音楽を新たな気持ちで楽しめるような映画にしたかった」。思わずメロディを口ずさみ、足がリズムを刻むヒット・ナンバーが続々。スクリーンからあふれるロック・ミュージカルの熱風にさらされてみてはいかがだろう。

作品データ

ロック・オブ・エイジズ
公開 2012年9月21日公開
丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
制作年/制作国 2012年 アメリカ
上映時間 2:03
配給 ワーナー・ブラザース映画
原題 ROCK OF AGES
監督・製作総指揮 アダム・シャンクマン
脚本・製作総指揮 クリス・ダリエンソ
原作 ボブ・ケイン
出演 ジュリアン・ハフ
ディエゴ・ボネータ
ラッセル・ブランド
ポール・ジアマッティ
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
マリン・アッカーマン
メアリー・J・ブライジ
ブライアン・クランストン
アレック・ボールドウィン
トム・クルーズ
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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