踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

正義とは? 理想主義は生き残ることができるのか
青島が誘拐事件を追うなか、すみれはある決断をしていた
オールスターキャストで臨む、シリーズ完結の大一番

  • 2012/08/31
  • イベント
  • シネマ
踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望© 2012 フジテレビジョン アイ・エヌ・ピー

1997年の放送開始から15年、ドラマや映画で大人気を誇ったシリーズが遂にファイナルを迎える。出演はおなじみの面々に加え、目玉の采配も。織田裕二、深津絵里、ユースケ・サンタマリア、柳葉敏郎、伊藤淳史、内田有紀、小泉孝太郎、北村総一朗、小野武彦、斉藤暁、佐戸井けん太、真矢みき、筧利夫、小栗旬ほか。監督に本広克行、脚本に君塚良一、製作に亀山千広。係長となった青島が所轄の捜査員たちといつものように街の安全を守る中、誘拐事件が発生。捜査員、警察組織、事件関係者、被害者、被疑者……時を経て、さまざまな思いや問題を抱える状況は、どのような道をたどるのか。オールスターキャストで事件に挑む、最後の大一番である。

青島やすみれ、和久がいつものように犯罪者を逮捕して湾岸署に戻ると、署管内で開催中の国際環境エネルギーサミット会場で誘拐事件が発生。署員たちが警備し、大勢の市民が参加している衆人環視のもとで犯行があった後、数時間後に被害者が射殺体で発見される、という最悪の事態に。事件に使用されたのは警察が押収した拳銃だった。緊急招集された捜査会議では、情報はすべて鳥飼管理官に文書での提出が義務づけられ、所轄の捜査員には情報が一切開示されない、という異例の内容を伝達。そして第2、第3の事件が発生する――。

柳葉敏郎

警察庁の思惑、従うしかない捜査員たち、事件の背景にあるものとは? “シリーズ完結”に向けてシリアスなテーマで描く。“踊る”シリーズは、’97年にフジテレビで放送をスタート。連続ドラマ終了後に 3本のスペシャルドラマが製作され、’98年に劇場版第1弾『踊る大捜査線 THE MOVIE』で初の映画化。2003年の劇場版第2弾『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』は、観客動員数1260万人、興行収入173.5億円で日本の実写映画興行収入記録のトップに。それまでの記録を塗り替え、いまも2位に50億円以上の差をつけて第1位を誇っているそうだ。

青島役はいつもどおり織田裕二が明るく調子よく熱血で、すみれ役の深津絵里はキリッと元気よく男前に、警察庁で出世した室井役の柳葉敏郎は多くを語らず懐は深く、真下役のユースケ・サンタマリアは軽いノリで湾岸署署長に就任し、署長を退任した神田役の北村総一朗さん、副署長を退任した秋山役の斉藤暁さん、副署長に昇進した袴田役の小野武彦さん“スリー・アミーゴス”こと湾岸署のもと幹部3人組は捜査員の指導係に。青島の同僚としては、故いかりや長介氏が演じたもと古参刑事、和久平八郎の甥である和久伸次郎役の伊藤淳史は温厚で熱心に、そして内田有紀、甲本雅裕、遠山俊也、川野直輝、滝藤賢一、佐戸井けん太も。また交渉課課長となった小池役の小泉孝太郎、前作からの新キャラクターである管理官、鳥飼役の小栗旬、そして警察庁の沖田役の真矢みきと新城役の筧利夫が再登場するなど、豪華なオールスターキャストが顔をそろえている。

織田裕二、深津絵里

「今作で“踊る”シリーズに終止符を打つ。THE MOVIE3、4を連作にし、4をFINALにする」と、製作の亀山氏はTHE MOVIE3の製作に入る段階で決めていたとも。同じスタッフ&キャストで製作し続けてきたなか、年月を経てその整合性にズレが生じてきたとき、無理にシリーズを続けてファンを裏切ることにならないように、という配慮からの決断、とのことだ。

ユースケ・サンタマリア

それは本当に正義なのか。友情、信頼、理想主義を土臭くつらぬくとは。シリアスなテーマが軸にありながら、冒頭のある意味キャラのイメージにぴったりの扮装と設定、オーダーミスにより捜査の経費でビールを大量発注、食事はビュッフェ形式か津多屋の幕の内弁当(ロケ弁で有名。おいしい)かとモメたり、やけにフルーツの話がでてくることが実はクライマックスで明かされることの大きなヒントになっていたりと、“踊る”らしい脱力系のネタもたっぷりの本作。関連番組は、8月27日(月)よりNOTTV(スマートフォン向け放送局)にて放送中のスピンオフ企画『係長 青島俊作2 事件はまたまた取調室で起きている!』では映画の2か月前の設定で、9月1日(土)にCX系にてオンエアされる完全新撮スペシャルドラマ『踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件』では映画の1か月前の設定が描かれ、映画で完結、という流れになっているとのこと。人気シリーズの幕引きは、フジテレビも東宝も総力を挙げての一大祭りに。あとは、THE MOVIE 2で獲得した日本の実写映画興行収入記録No.1という自ら打ち立てた記録更新なるか、という“自分との闘い”だろうか。

作品データ

踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
公開 2012年9月7日公開
全国東宝系にてロードショー
制作年/制作国 2012年 日本
上映時間 2:06
配給 東宝
製作 亀山千広 永田芳男
監督 本広克行
脚本 君塚良一
出演 織田裕二
深津絵里
ユースケ・サンタマリア
柳葉敏郎
伊藤淳史
内田有紀
小泉孝太郎
北村総一朗
小野武彦
斉藤暁
佐戸井けん太
真矢みき
筧利夫
小栗旬
香取慎吾
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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