ストロベリーナイト

女刑事・姫川玲子率いる人気ドラマシリーズの劇場版
犯罪と隠蔽された過去を追い、たどりついた場所とは?
人のこころの謎と事件の真相に迫るダークなミステリー

  • 2012/11/30
  • イベント
  • シネマ
ストロベリーナイト© 2013 フジテレビジョン S・D・P 東宝 共同テレビジョン FNS27社 光文社

累計240万部超、誉田哲也のベストセラー“姫川玲子シリーズ”原作による人気ドラマが映画に。出演はドラマのオリジナルキャストである竹内結子、西島秀俊、小出恵介、宇梶剛士、丸山隆平、そして劇場版には大沢たかお、染谷将太、金子賢ほか充実のキャストが集結。監督はドラマシリーズの演出を手がけた佐藤祐市。雨の夜、他殺死体発見の報を受け、女刑事・姫川は部下の菊田とともに現場へ向かう。隠蔽された過去、事件の真相、その根底に流れるものとは――。犯罪に挑む刑事モノにして情をつづる人間ドラマ、犯罪の経緯と人のこころの謎に迫るミステリーである。

ノンキャリアながら27歳で警部補となった警視庁捜査一課の女刑事・姫川玲子。バーで部下の菊田といるところへ他殺死体発見の連絡が入り、姫川は菊田とともに現場へ。被害者は暴力団の構成員である小林充29歳、左目が縦に切り裂かれ、ここ数日に起きた2件の殺人事件との一致から連続殺人事件として合同捜査本部が設置される。そんな折、姫川は「小林充を殺したのは柳井健斗」というタレコミを受ける。が、管理官から「柳井健斗には触れるな」という命令が一方的に下される。

竹内結子、大沢たかお

「バーキンじゃなく、オータクロア」。愛用している真紅のエルメスのバッグについて、バーで姫川が菊田に話す。刑事に不似合いでありつつも姫川のトレードマークであるバッグのエピソード、その理由を明かすシーンがうまく織り込まれているところもいい。本作ではこの冒頭からほとんどのシーンが雨。降りしきる雨の中、隠匿された過去、事件の真相、禁忌の関係、それぞれがこころと肉体に負った傷について描かれてゆく。

西島秀俊、竹内結子

天賦の分析能力と直感と行動力で突き進む刑事、姫川役は竹内がクールに好演。本作では刑事のみならず、姫川の女の部分、本能の面も表現している。姫川に惚れながら部下としてサポートする菊田役は、西島が誠実に。抑えた演技でいい男ぶりをまたしても発揮している。姫川班のメンバーである葉山役は小出が手堅く実直に、石倉役は宇梶がどっしりとあたたかく、湯田役は若い丸山が明るく演じている。そして肩書きを偽り姫川に近づく暴力団、龍崎組の若頭補佐であり極清会会長の牧田役を大沢が演じ、色気と陰のあるワルを表現。ドラマからのオリジナルキャストとして津川雅彦、渡辺いっけい、遠藤憲一、嶋政宏、武田鉄矢、そして劇場版には染谷将太、金子ノブアキ、金子賢、鶴見辰吾、石橋蓮司、田中哲司、三浦友和らも出演。若手からベテランまで演技派が顔をそろえている。姫川を中心にキャラクターそれぞれの個性がたち、人間模様やそれゆえの展開があるところもこの物語の見どころのひとつ。重いテーマが軸にあるシリアスなシリーズに、軽妙な存在感で息つぎや合いの手をいれているのは、生瀬勝久の演じる刑事、井岡の存在。相変わらず姫川にまとわりつき、菊田との押し問答というパターンで、緊張感あるストーリーにいい具合の弛緩を与えている。

大沢たかお、西島秀俊

テレビでは’10年11月にスペシャルドラマ、2012年1〜3月に連続ドラマとして放送されたこのシリーズ。そもそも「映画のようなドラマ、大人を満足させられるドラマを作りたかった」という製作陣の熱意とともにスタートしたとのこと。最初のスペシャルドラマからまさに映画のように作り込まれ、充実の俳優陣によるグッと惹きつける内容で。このシリーズをドラマから映画へ、というスタッフとキャストの強い思いが込められていたそうだ。劇場版の原作は作家の誉田哲也が2009年に刊行した、姫川シリーズの傑作と評される『インビジブルレイン』。テレビドラマのオンエア順にその原作を紹介すると、’06年に刊行された『ストロベリーナイト』、’08年の『シンメトリー』、’11年の『感染遊戯』、’07年の『ソウルケイジ』となる。そして劇場版のキャッチコピーは“姫川玲子 最後の事件”とも。さて、2012年11月に刊行されたばかりの姫川シリーズ最新刊『ブルーマーダー』の映像化やいかに。

作品データ

ストロベリーナイト
公開 2013年1月26日公開
全国東宝系にてロードショー
制作年/制作国 2012年 日本
上映時間 2:07
配給 東宝
原作 誉田哲也
監督 佐藤祐市
脚本 龍居由佳里
林 誠人
出演 竹内結子
西島秀俊
大沢たかお
小出恵介
宇梶剛士
丸山隆平
津川雅彦
渡辺いっけい
遠藤憲一
嶋政宏
生瀬勝久
武田鉄矢
染谷将太
金子ノブアキ
金子賢
鶴見辰吾
石橋蓮司
田中哲司
三浦友和
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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