土竜の唄 香港狂騒曲

監督・三池崇史×脚本・宮藤官九郎×主演・生田斗真
指名手配犯となった潜入捜査官・玲二が再臨!
個性派俳優“狂宴”、お色気倍増アクション・コメディ

  • 2016/12/12
  • イベント
  • シネマ
土竜の唄 香港狂騒曲© 「土竜の唄 香港狂騒曲」 製作委員会
© 高橋のぼる・小学館

監督・三池崇史×脚本・宮藤官九郎×主演・生田斗真。2014年の映画『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』から2年、潜入捜査官・モグラの玲二ふたたび。共演は前作から引き続き仲里依紗、上地雄輔、吹越満、遠藤憲一、皆川猿時、岩城滉一、堤真一、そして本作からの出演に瑛太、本田翼、古田新太、菜々緒ほか充実のメンバーで。累計発行部数680万部を突破する高橋のぼる氏の原作コミック『土竜の唄』より、人気のエピソード“チャイニーズマフィア編”をもとに描く。極秘任務の潜入捜査で広域指定暴力団・数寄矢会に潜り込んだ交番勤務の元巡査・菊川玲二。思いがけず組長から娘のボディガードと、極悪非道のチャイニーズマフィア仙骨竜を叩きのめす、という指令を下され……。充実のスタッフとキャストで青年漫画をハイテンションに映像化した、おバカでエロ満載、派手に振り切ったアクション・コメディである。

ごく一部の関係者しか知らない潜入捜査官として、秘密裏に任命された交番勤務の元ダメ巡査・菊川玲二。広域指定暴力団・数寄矢会の会長・轟周宝を挙げるべく数寄矢会に潜り込んだ玲二は、構成員である“クレイジーパピヨン”こと日浦匡也に気に入られ、兄弟の契りを交わした。そして警視庁では、警察官とヤクザの癒着の撲滅を目指すエリート警官・兜真矢が組織犯罪対策部に就任。もと巡査でありながら全国指名手配犯となった玲二を敵視する。その頃、玲二は轟周宝から無法なチャイニーズマフィア・仙骨竜を叩きのめし、周宝の娘・轟迦蓮のボディガードとなるよう命じられる。

瑛太,ほか

「これどうやって撮るんだろう?」。脚本を読みながら、生田斗真がふと真顔で思ったという本作。冒頭からお約束の裸体アクションでトップギアに入り、ハイテンションのままラストまで突っ走る展開となっている。おバカでエロ満載でも宮藤官九郎脚本らしく、玲二に意外と実直な色恋に対するポリシーやストレートな正義感があることにホッとするし、本能と理性、本音と建て前と衝動がせめぎ合う描写が観ていて楽しい。原作が青年コミックであることもあり男性向けの表現が盛りだくさんではあるものの、玲二を演じる生田斗真や彼をとりまく女たちを演じた女優たちの体を張った演技やアクションもたっぷりで、個人的には女性もポップコーンでも頬張りながら、それなりに楽しめるのではないかなと。

おバカでドスケベでも正義感あふれる潜入捜査官・菊川玲二役は、生田斗真が今回も「バッチ来ーーーい!!」と体当たりで好演。玲二を追う警視庁組織犯罪対策部のエリート警察官・兜真矢役は瑛太がいかにもエリートらしく、玲二の最終ターゲットである轟周宝役に岩城滉一、その愛娘で激しい気性の迦蓮役に本田翼、齬鼠(ももんが)組の組長でキレると暴れるはぐれヤクザ桜罵百治役に古田新太、チャイニーズマフィアの殺し屋・胡蜂役に菜々緒、そして前作から引き続き、スーパー義足を装備し日浦組の組長となったクレイジーパピヨンこと日浦匡也役に堤真一、玲二の元同僚の交通課勤務で“玲二が惚れた女”若木純奈役に仲里依紗、日浦組舎弟頭で全身豹柄のタトゥーをまとう黒河剣太役に上地雄輔、谷袋警察署の署長・酒見路夫役に吹越満、モグラ専属養成係で玲二を指導した赤桐一美役に遠藤憲一、厚生労働省の麻薬取締部の課長・福澄独歩役に皆川猿時、と個性派ぞろいの顔合わせとなっている。

本田 翼

「前貼りの貼り方はプロ級」「もともとできる限り自分でやりたいタイプ」と語る生田斗真による、体当たりのアクションシーンは今回もたっぷりと。冒頭の火あぶりシーンでは本物の炎を使用とのことで、「普通に身の危険を感じました」と語るとおり吹き替えは一切ナシ、生田本人が全裸でこなしている。さらには女優たちのいろいろな意味でのがんばりは、多くのキャストたちが称えるほど。迦蓮が玲二にああして、迦蓮と純奈が罵り合い、純奈が車をああする、そして殺し屋の胡蜂はお色気と腕力で玲二をオトしにかかり、三人三様の「ナイスファイトのパンチラ(古田新太)」あり……などなど。女性のああいう感じは好き嫌いが極端に割れるかもしれないものの、個人的には人気女優たちが恥も外聞もかなぐり捨ててビシッとキメたオラオラな演技を楽しんだ。お色気シーンの数々も比較的、強制されてとか媚を売るためとかではなく、自分がしたいようにする、という能動的な暴れ方がほとんどで女性がみてストレスになりにくいよう工夫されているし、玲二の方がよっぽど酷い災難や不遇な目に遭い続けることからまだマシというか。モモンガ親分が迦蓮の体をベタベタ触るシーンでは、手にパペット着用で直(じか)じゃないところとか、女優さんへの気遣いがさりげなくあるなとか。またラスト近くのクライマックスにかけて悪趣味かつ卑劣な犯罪の現場である豪華パーティシーンの一幕は、アメコミか妖怪大戦争のような風合いに、映画『キングスマン』のようなスタイリッシュさも少々、という仕上がりに。玲二と虎の奇想天外なコンビネーションも可笑しい。あと中盤ではジャスティス3(酒見・赤桐・福澄)がひそひそと歌う『土竜の唄』第2章(作詞:宮藤官九郎)の披露も。

古田新太

「Don’t think. FEEL!」(ブルース・リー主演の映画『燃えよドラゴン』の名台詞。“香港狂騒曲”らしい)と映画の公式HPにある通り、何も考えずにまずはご覧あれ、と。シリーズ2作目は好き嫌いや評価としてはわかれるところだとは思うものの、観客のみなさんの声はいかに? 最後に2016年12月5日に東京で行われたバトルプレミア&完成披露舞台挨拶にて、生田斗真が観客へ伝えたメッセージをどうぞ。「本当にこの映画は人におすすめできる映画だと思います。友達や恋人や家族を連れて、2016年の笑い納めをしに映画館に足を運んでほしいと思います。そして、この映画を全国のよい子たちにもたくさん観てほしいです。この映画を観て、よい子のみんな、男になろうぜ!」

作品データ

土竜の唄 香港狂騒曲
公開 2016年12月23日より全国東宝系にてロードショー
制作年/制作国 2016年 日本
上映時間 2:09
配給 東宝
原作 高橋のぼる
監督 三池崇史
脚本 宮藤官九郎
出演 生田斗真
瑛太
本田 翼
古田新太
菜々緒
上地雄輔
仲 里依紗
堤 真一
吹越 満
遠藤憲一
皆川猿時
岩城滉一
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
XInstagram

記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。