パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊

ジョニデ=ジャック・スパロウ最大の危機!?
それぞれの父を思い奔走する息子と娘を連れて、
海の死神に対抗すべく、伝説の秘宝を求めて航海へ

  • 2017/06/09
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パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊© 2017 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

ジョニー・デップが海賊ジャック・スパロウを演じる人気シリーズの5作目。世界最速の海賊船ブラックパール号はボトルの中に封印されたまま、ジャックは落ちぶれ“伝説”は過去となっていた。そんななか、ジャックに復讐を誓う“海の死神”サラザールが解き放たれ……。共演は、『ノーカントリー』のオスカー俳優ハビエル・バルデム、『キング・オブ・エジプト』のブレントン・スウェイツ、『メイズ・ランナー』のカヤ・スコデラリオ、『英国王のスピーチ』のジェフリー・ラッシュほか。製作は“パイレーツ”シリーズをすべて手がけているヒットメーカーのジェリー・ブラッカイマー、監督は映画『コン・ティキ』で注目されたノルウェー出身の監督コンビ、ヨアヒム・ローニング&エスペン・サンドベリが手がける。慣れ親しんだキャラクターたちのいわゆる続編ものであり、家族や仲間とポップコーンを片手に気軽に楽しむ、夏休み向けのエンターテインメント大作である。

世界最速の海賊船ブラックパール号はいまだにボトルシップのまま、ジャックは落ちぶれて“伝説”は過去となっていた。そんななか、ジャックに復讐を誓う“海の死神”サラザールが解き放たれ、海を行く海賊船はサラザールが操る幽霊船サイレント・メアリー号にことごとく襲われ撃沈されてゆく。サラザールが迫りくるなか、ジャックは最悪の危機から逃れるべく、<最後の海賊>のみが見つけ出せるという伝説の秘宝<ポセイドンの槍>を探す航海へ。また別の思いから、<ポセイドンの槍>を切望する面々、かつてジャックと冒険を共にしたウィルの息子ヘンリー、女性天文学者のカリーナも同行することに。そのころ、アン女王の復讐号で悠々と航行していたジャックの宿敵・海賊バルボッサもまた、サラザールから身を守るべく、<ポセイドンの槍>を手に入れようと画策していた。

ハリウッドのお約束、人気キャラクターによる続編もののエンターテインメント大作である本作。原題の“Dead Men Tells No Tales”とは“死人に口なし”の意。“パイレーツ”シリーズの元となったディズニーランドの人気アトラクション「カリブの海賊」に流れるフレーズのひとつをタイトルにし、原点や初心にもどるという姿勢が伝わってくる。今回の企画には、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーとディズニーが「シリーズを前進させるストーリーの探究」を目指し、第1作の“呪われた海賊たち” にあるファンタジーとアクションとコメディと超常現象が魅力的に融合した内容を目指したとのこと。そして製作陣は、ヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリの監督コンビを抜擢。彼らは実話をもとに海洋冒険物語を描いてアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた初のノルウェー映画『コン・ティキ』や、Netflixオリジナル作品『マルコ・ポーロ』などで高い評価を得ている。サンドベリ監督は本作の製作について語る。「シリーズの原点といえる第1作目に敬意を払い、制作しました。全世界で注目される作品なので、その責任を重く感じています。世界中に多くのファンがいるだけでなく、私たち自身もノルウェーで本シリーズを観ていたファンのひとりですからね」

ハビエル・バルデム,ほか

海賊ジャック・スパロウ役はジョニーがいつもながら軽妙に。大切なものを簡単に手放して“ツキに見放された”といったくだりには、ジョニーの私生活にどこか重なる感覚がありつつも、どこ吹く風といったジャックらしさで表現。現地時間の2017年5月18日、ロサンゼルスのドルビーシアターで開催されたUSプレミアにて、ジョニーはこのキャラクターの魅力と思い入れについて、このように語った。「ジャック・スパロウの素敵なところは、何か聞かれてもすっとぼけたり、無責任にふざけたり、みながしたくてもできないそんなようなことを堂々とできる役であるのが素晴らしいんだ。『これで最後?』とちょっと思いつつ撮っていたけれど、自分の中にはいつだってジャック・スパロウがしっかりと生きているのを感じています」
 ジャックに強烈な恨みを抱く“海の死神”サラザール役は、ハビエルが亡霊メイクでおどろおどろしく。個人的には、特殊メイクなしのハビエル本人の味わいのある濃厚な存在感のほうが断然迫力があると思うものの、今回はキャラクターに徹しているのだろう。次世代の新キャラとしては、愛する父にかかった呪いを解くために奔走するウィル・ターナーの息子、ヘンリー役はブレントンが諦めない熱心な青年として、生き別れた父が残した日記から<ポセイドンの槍>の謎に挑む女性天文学者カリーナ役はカヤ・スコデラリオが気丈に、それぞれフレッシュな感覚を作品にプラスしている。さらなる続編のシリーズ第6弾のうわさもあるなか、若い役者たちに世代交代をして新シリーズに……という製作陣の思惑があるのだろうか?
 定番キャラとなっているジャックの宿敵バルボッサ役は、ジェフリーが金銀財宝に囲まれてわかりやすく上機嫌に、バルボッサの肩にいる猿のジャックも小生意気に元気よく、ジャックの海賊仲間であるギブス役のケヴィン・R・マクナリーもいい感じで。さらにはヘンリーの父であり、第1作でかつてジャックと冒険を共にしたウィル役のオーランド・ブルームとエリザベス役のキーラ・ナイトレイの出演も? またジャックのおじ役として、牢獄の1シーンにポール・マッカートニーが登場するのもお見逃しなく。

カヤ・スコデラリオ,ブレントン・スウェイツ

撮影はオーストラリア東海岸のクイーンズランド州ゴールドコーストをベースに、モートン・ベイ、レノックス・ヘッドランド保護区、ヘイスティングス・ポイント、熱帯雨林が広がるタンボリーン・マウンテン、グレート・バリア・リーフで有名なウィットサンデー諸島、カナダのバンクーバーなどで行われた。船としては、プロダクション・デザイナーのナイジェル・フェルプスが、全長約49mの船を含む13艘の船舶をデザインし、ブラックパール号とアン女王の復讐号は完全に再建造したとも。<ポセイドンの槍> <北を指さないコンパス> <ガリレオ・ガリレイの日記>といったキーアイテムがわかりやすく登場するのは、ゲームに日常的に親しみのある若い世代にとって入りやすい世界観かもしれない。

また本作は、“パイレーツ”シリーズ初の4D上映が行われることも話題に。シートの動きや水滴や風圧などで臨場感を演出する4D上映は、確かに海賊映画とは相性が良さそうだ。特に今回は通常比200%の水量(!)で「テーマパークのアトラクションと見間違うほどの“ずぶぬれ”演出」とか。大人からするとちょっと引くほどの内容なのかといぶかしみつつも、雨合羽を着込んでいくか、真夏に童心にかえって体験してみる、というのもアリだろうか。
 最後に、本作を手がけたノルウェー人監督コンビのひとり、ローニング監督の本作への思いとメッセージをご紹介する。
 「私たちは史上最高の海賊映画を作ることを目指しました。力強い感情が核にあり、素晴らしいキャラクターたちが登場する、楽しくてスペクタクルなアクション満載の壮大な映画です。第1作目の魂をとらえると同時に、本作に新しさを吹き込むため、私たちはこれまで何年も力を注いできました。そして今、私たちがそれを成し得たかどうか、それを判断するのは観客の皆さんです」

作品データ

劇場公開 2017年7月1日よりTOHOシネマズ日劇ほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2017年 アメリカ映画
上映時間 2:09
配給 ウォルト・ディズニー・ジャパン
原題 PIRATES OF THE CARIBBEAN:DEAD MEN TELL NO TALES
監督 ヨアヒム・ローニング
エスペン・サンドベリ
製作 ジェリー・ブラッカイマー
脚本 ジェフ・ナサンソン
出演 ジョニー・デップ
ハビエル・バルデム
オーランド・ブルーム
ジェフリー・ラッシュ
ブレントン・スウェイツ
カヤ・スコデラリオ
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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