ミッション:インポッシブル/フォールアウト

スタントなし、トム本人のハードなアクション満載!
3都市の同時核爆発を未然に防ぐことができるのか?
イーサンとチームの活躍を描くM:Iシリーズ第6作

  • 2018/07/30
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ミッション:インポッシブル/フォールアウト© 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

トム・クルーズが製作も兼任し、辣腕スパイのイーサン・ハントを演じる人気シリーズの第6作。共演は『スター・トレックBEYOND』のサイモン・ペッグ、『グレイテスト・ショーマン』のレベッカ・ファーガソン、『ブルージャスミン』のアレック・ボールドウィン、『パルプ・フィクション』のヴィング・レイムス、『パトリオット・デイ』のミシェル・モナハン、そして本作より映画『マン・オブ・スティール』のヘンリー・カヴィル、Netflixドラマ「ザ・クラウン」のヴァネッサ・カービー、『ブラックパンサー』のアンジェラ・バセットほか。監督は2015年の前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』で高い評価を得たクリストファー・マッカリーが、シリーズで初めて同一監督として手がける。3つのプルトニウムが盗まれ、イーサン率いるIMFのチームは複数の都市の同時核爆発を未然に防ぐミッションを受けるが……。絶体絶命の不利な状況に追い込まれてもあきらめず、イーサンとチームの力で厳しいミッションに挑む姿を描く。俳優本人たちによる規格外のハードなアクションがこれでもかと盛り込まれ、幅広い層がポップコーンとともにシンプルに楽しめる、夏休み向けのアクション大作である。

トム・クルーズ

3つのプルトニウムが盗まれ、IMFのエージェント、イーサン・ハントと彼のチームは、3の都市の同時核爆発を未然に防ぐミッションを受ける。この事件にはシンジケートの生き残りが結成したアポストル(神の使徒)が関連し、手がかりは“ジョン・ラーク”という謎の男と彼が接触する裏社会でも名の知れた女性“ホワイト・ウィドウ”のみ。さらにハントの動きを不服とするCIAから送り込まれた、敏腕エージェントのオーガスト・ウォーカーが監視役につき、成り行きで収監中の敵ソロモン・レーンの脱走に手を貸すことになったハントは、味方の女スパイ、イルサとも対立する羽目に。核爆発までの猶予が刻々と迫るなか、ハントと仲間たちに予想外の余波(フォールアウト)が次々と降りかかり、ミッションは困難を極めてゆく。

おなじみのカーチェイスはもちろん、トムが骨折して話題となったビルジャンプをはじめ、ヘリコプターにしがみつき落下、成層圏寸前の高度7620mからのヘイロージャンプなどなど、アクションをあげてゆくだけでもおなかいっぱい、というくらいの本作。実はテスト試写でみた観客から「アクションが多すぎる」と言われ、これでもアクションシーンを少しカットしたとのこと。2018年7月18日に東京で行われた来日記者会見にて、マッカリー監督は前作に引き続き監督を手がけたこと、本作を製作する際の思いについて、ユーモアを交えてこのように語った。「前作で飛行機にしがみつくトムの姿を観て、もうやり尽くしたと思ったので、続編を務める監督はかわいそうだなと思っていたら、自分がやることになってしまった(笑) だけど、今回は前作を超えようという気持ちではなく、シリーズに相応しい作品にしようと決めていたんだ」

トム・クルーズ

どれほど難しいミッションにも果敢に挑む諜報員イーサン・ハント役は、トムが命がけで体現。もともと身体能力が優れていて肉体の限界にチャレンジしてゆく俳優と知っていても、ここまでする!? というほどのきわどいアクションの数々に恐れ入る。IMFチームの古株としてイーサンを支えるルーサー役は、ヴィング・レイムスがおだやかに、IMF研究室のシステム・アナリスト出身であるベンジー・ダン役は、サイモンが現場の諜報員として慣れつつある様子で、CIAの長官からIMFの長官となったアラン・ハンリー役は、アレックがチームのメンバーに親心をもつ人物として、イーサンの監視役であるCIAエージェントのオーガスト・ウォーカー役は、ヘンリーが強靭な男として、『ローグ・ネイション』の敵役でありイーサンに復讐をしかけるソロモン・レーン役はショーン・ハリスが、それぞれに演じている。また元MI6の諜報員イルサ・ファウスト役はレベッカが、イーサンの妻ジュリア役はミシェルが、謎の女性“ホワイト・ウィドウ”ことアラーナ役はヴァネッサが、アランに変わってCIA長官となったエリカ・スローン役はアンジェラ・バセットが演じ、魅力的な女優たちが味のあるキャラクターとして登場している。

M:Iシリーズのモットーとして、「人間はできるだけグリーンスクリーンは使わず、実際にできるスタント、アクションをする。そして実際のロケ地を活用する」(マッカリー監督)ことから、今回もアクションやロケーションが充実。カーチェイスは、凱旋門からオペラ座まで、オペラ通りなどパリ中心部の観光地を短いあいだ封鎖して撮影。イーサンが1986年式BMW「M5」セダンや、バイクを運転し、装甲トラックなどを巻き込む高速のチェイス・シーンだ。またニュージーランドでは、イーサンが約600メートル上空を飛ぶヘリコプターA400機にしがみつき約12m落下する、2年かけて企画・準備したというアクション、南アルプスの険しい峡谷を舞台に展開する息をのむようなヘリコプター・チェイス、移動式の医療キャンプがあるシーンを撮影。ヘリ・チェイスのシーンでも、トム自身がイギリスでアクロバット飛行士たちとともに2000時間の訓練を経て、実際に警察機関でもしばしば使われるという高性能の単発機、エアバスH125(かつてのAS350)の最新式を操縦、ウォーカー役のヘンリーもエアバスBK17ヘリコプターを操縦している。
 そしてイギリスで役者ふたりによる小規模なアクション、屋上でのチェイス・シーンを撮影していたとき、ビルからビルへ跳ぶシーンでトムが骨折。距骨(きょこつ。すねの骨の下、かかと骨の上にある骨)が砕け、医者の診断は全治9カ月だったものの、6週間で撮影に復帰。その時のことをトムは、このように語っている。「理学療法や1日10〜12時間のトレーニングなど、回復に向けてできることは何でもやって、6週間後には再び撮影を開始した。10週間後には走れるようになり、12週間後には全力で走っていた。2日間、全力でブラックフライアーズ駅の屋上を走ったら、その後3日間は歩けなかった」
 さらにトムの足が完治はしていないなか、ヘリ・チェイスの後のクライマックスのシーンは、ニュージーランドに合う場所がなかったことから、ノルウェーのプレーケストーレンにて撮影。フィヨルドにある岩の台地、高さ約600mの断崖絶壁は、天気が変わりやすく強風で、長い冬を目前に凍える寒さだったとも。
 そして本作でトムが挑戦したヘイロー(HALO)ジャンプ(高高度降下低高度開傘)は、精鋭部隊が探知されずに敵地へ潜入するための特殊なパラシュート降下方法。ボーイングC-17グローブマスターIIIに乗り高度7620mから飛び降りるシーンのため、トムは骨折を治してからスカイダイビング・チームとともにアブダビへ向かい、トレーニングを開始。プロでも1000回以上のジャンプが必要なほどのシチュエーションを、トムが100回のジャンプで成功させたことを訓練スタッフが称賛している。このシーンの撮影には、イギリス陸軍パラシュート連隊のパフォーマンスチーム、レッド・デビルズに所属していた元パフォーマーや、航空医療のスペシャリスト、2万3,000回以上のジャンプ経験をもつベテランの空中写真家、アラブ首長国連邦軍が協力。映画用に顔が見えるヘルメットと酸素装置や、スカイダイビング中に撮影できるパナビジョンのIMAXレンズといった装置や機材の制作も。こうした難しいアクションシーンへの挑戦について、トムは「観る人に、自分もその場にいるような感覚になって欲しかったんだ」とコメント。非常に難しかったヘイロージャンプのシーンを撮り終えた時のこと、映画製作とスタッフたちへの思いについて、このように語っている。「みんなすごく興奮して、自分たちの達成を誇りに感じていた。それこそが最高の気分、自分が映画作りに夢中になっている理由だと思う。各分野のものすごい才能を持ち、映画を愛し、観客を楽しませたいと願う人びとと仕事をするのは素晴らしいことだ。そういう瞬間というのは、素晴らしい気分になるし、本当に忘れられないものだ」

ヘンリー・カヴィル,アンジェラ・バセット

2008年の『ワルキューレ』、2012年の『アウトロー』、2014年の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』、2015年の『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』、そして本作で、トムと一緒に仕事をしてきたマッカリー監督は、「トムはベストパートナーでもあり親友だ」とコメント。そして前述の記者会見にてトムの映画への献身について、冗談を交えながらこのように称えた。「トムと仕事をするまでは、白髪がなかったけど、一緒に仕事をし始めてから、一人で二人分老けたよ(笑) 何度も言っていることだが、トムほど映画にすべてを捧げている人はいない。彼のその情熱は他人にも感染するんだ。みんな今までのどの作品よりも努力するようになるし、できると思っていなかったこともできるようになるんだ」
 ノルウェーの断崖で撮影されたシーンでは、あまりにも度を越えた過激なシチュエーションに思わず笑いが、という感覚も。個人的には細かいことながら、ラスト近くでベンジーが縛った悪人の縛り方が、自分がされたことへの報復も含みつつ面白い感じになっていて、縛られた人間が暴れるとオットセイみたいな奇妙な動きになるとか、隅っこにユーモアのある監督の遊び心が面白く。コメディやジョークが好きなんだな、という親近感も。
 ここまでやって、次回は一体どこまで……といち観客として思いつつ、次作でもきっと斬新なチャレンジを披露してくれるだろうことが楽しみだ。最後に、トムからのメッセージをご紹介する。
 「楽しくてアクション満載のエンターテインメント大作だよ。皆さんのためにベストを尽くして作りました。きっとワクワクするはず!」

作品データ

劇場公開 2018年8月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2018年 アメリカ
上映時間 2:28
配給 東和ピクチャーズ
原題 MISSION:IMPOSSIBLE -FALLOUT
監督・製作・脚本 クリストファー・マッカリー
製作 J.J.エイブラムス
原案 ブルース・ゲラー
出演・製作 トム・クルーズ
出演 サイモン・ペッグ
ヴィング・レイムス
レベッカ・ファーガソン
アレック・ボールドウィン
ミシェル・モナハン
ヘンリー・カヴィル
ヴァネッサ・カービー
ショーン・ハリス
アンジェラ・バセット
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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