eHills Club 試写会日記

毎週、映画ファンの皆さんへ熱いメッセージ! 傑作でもB級でも映画ってやっぱり素敵!!

アラジン

W・スミス×G・リッチー監督×作曲家A・メンケン
ディズニーの人気アニメを充実のメンバーで実写化
名曲とキャラクター、ビジュアルを鮮やかに表現

アラジン© 2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

ランプの魔人の活躍と、プリンセスと青年のラブロマンスを描き、不動の人気を誇るディズニー・アニメーションを実写化。出演はAmazon Prime Videoオリジナルの「トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン」などのメナ・マスード、2019年11月に全米公開予定の新作『チャーリーズ・エンジェル』のナオミ・スコット、『メン・イン・ブラック』シリーズや『スーサイド・スクワッド』のウィル・スミスほか。監督は『シャーロック・ホームズ』シリーズのガイ・リッチー、音楽には、1992年のアニメーション映画『アラジン』の主題歌「ホール・ニュー・ワールド」を手がけた作曲家アラン・メンケンが再び参加。キャラクターやサウンドを現代的にアレンジし、実写で新たに魅せるファンタジー作品である。

ナオミ・スコット,メナ・マスード

貧しいながらもまっすぐな心をもつ青年アラジンは、街の市場で泥棒扱いをされて困っている美しい女性に出くわし、彼女を助けて、相棒である猿のアブーと一緒に逃げる。アラジンは彼女が王女ジャスミンと知らず、王宮の侍女だと思い込み、ジャスミンも身分を隠したまま、2人は惹かれ合う。その後、王座を狙う国務大臣で魔法使いのジャファーのたくらみをきっかけに、アラジンは思いがけず“3つの願いを叶える”ランプの魔人ジーニーと出会い……。

かの有名な人気ディズニー・アニメの実写版。ガイ・リッチー監督らしいエネルギッシュな勢いがあり、オリエンタルなデザインやヴィジュアル、ヴィヴィッドな色彩も楽しいエンターテインメント作品だ。キャストがアラブ系ではないことに賛否があるのは知っているが、もともとディズニーのアニメーションとして観ていた物語の実写化なので、個人的にはそれほど違和感なく、エンタメ作品として満喫した(アメリカ映画で日本人役を中国人や韓国人が演じているのを観ると、仕方ないと思いつつも違和感があるのは否めないので、アラブ圏の人たちにとって違和感があるのは当然かもしれないけれど)。2019年5月21日にロサンゼルスで行われたUSプレミアにて、ウィルは自身が演じたジーニー役についてこのように語った。「(ジーニーを演じることは)恐ろしいことだったし、このような役を台無しにしてはいけないと考えたよ。(1992年のアニメ版で声を担当した)ロビン・ウィリアムズがジーニー役として素晴らしい仕事をしていたから、ノスタルジーを感じさせるようなジーニーを演じたいと思ったんだ。大作であるからこそ、子どもの頃に(アラジンを)観た人々がもう一度観て、子どもの頃の経験を思い出せるような映画にすることが大切だと思った。同時に、自分らしさも加えようと思ったんだ」

メナ・マスード,ウィル・スミス

いつか人生を変えたいと願っている青年アラジン役は、メナ・マスードが等身大で好演。前に出すぎずにソフトで陽気な甘い歌声が、有名な曲の数々にハマッている。ジャスミン役のナオミ・スコットは、強い意志と明確な目標をもつ現代的なプリンセスとして。本作の新曲「Speechless」で、ジャスミンが胸の内を訴えるように歌うシーンでも堂々と表現している。魔法のランプの中に千年間閉じ込められていた無敵の青い魔人ジーニー役は、ウィルが明るく華やかに。全身青色のパートはCGであるものの、通常の肌色のシーンではユーモアにあふれて温かみがあり、歌って踊ってラップしてとウィルの持ち味が存分に生かされている。ジャスミンの侍女で親友のダリア役はナシム・ペドラドがチャーミングに、国務大臣で魔法使いのジャファー役はマーワン・ケンザリが邪悪に、アグラバー王国の王でジャスミンの父親サルタン役はナヴィド・ネガーバンが、それぞれに演じている。余談ながら猿のアブーの動きのほとんどはCGながら、やっぱりかわいい。2019年5月17日に東京で行われた「日本最速試写会」にてウィルはジーニー役について、熱い思いと共にこのように語った。「『アラジン』は自分のキャリアのなかでも特別なもの。歌って、踊って、コメディして……30年間俳優をやってきた経験をぜんぶ使うことができたんだ!」。そしてナオミは自身が演じたジャスミンへの思いと本作のキャラクターたちについて、前述のUSプレミアでこのように語った。「ジャスミンは子どもの頃から大好きなディズニーキャラクターの1人よ。私たちが新作で作り上げたキャラクターの進歩がまるで嘘のように感じられるわ。ジャスミンは現代的なプリンセスで、リーダーになることを祈っている。それはとても納得のいくことよ。『アラジン』に出てくるすべてのキャラクターが自己発見の旅に出るの。実写版はそこを描いているのよ」
 また“プレミアム吹替版”では、人気若手俳優の中村倫也、新進のミュージカル女優・木下晴香、映画やドラマで活躍する俳優の北村一輝、『ルパン三世』(峰不二子)の声優・沢城みゆき、そして1992年のアニメーション『アラジン』でもジーニー役の吹き替えをつとめたベテラン声優の山寺宏一が再びジーニー役で参加している。

音楽は作曲家のアラン・メンケンが参加し、1992年のアニメーション版の楽曲が新たなアレンジで楽しめる。ジーニーがアラジンに自己紹介がてら歌う有名な劇中歌のひとつ「Friend Like Me」について、ウィルとメンケンはUSプレミアでそれぞれこのように語った。
 ウィル「『Friend Like Me』は僕が一番初めに撮影した楽曲なんだ。そこでジーニーにヒップホップのフレーバーを加えようと思った。とても自分らしい要素だからね」
 メンケン「ウィルの『Friend Like Me』を聞いた時、僕は『いいね』と思った。曲に彼の楽曲スタイルや人格を持ち込み、見事にやりとげたんだ。文句なしの出来だよ」
 そしてメンケンと『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』のチームによる本作の新曲「Speechless」は、ヒロインが自らの意思をソロでパワフルに朗々と歌い上げるあたり、『アナと雪の女王』の大ヒット曲「Let It Go」をどことなく思わせる印象も。アカデミー賞歌曲賞(’92年)とグラミー賞最優秀楽曲賞(’94)を受賞したのは、ディズニーソングのなかでもこの1曲だけという、アラジンとジャスミンが魔法のじゅうたんに乗って歌う「A Whole New World」は、フレッシュでロマンティックに気持ちよく。筆者はもともと1992年のアニメ版のサウンドトラックが好きでしばしば聴いていることもあり、オリエンタルなメロディで気分を盛り上げる冒頭の「Arabian Nights」、アラジンが市場で逃げるシーンの軽快な「One Jump Ahead」、ジーニーの魔法でアラジンが偽りの王子となりパレードするゴージャスな曲「Prince Ali」などの曲をはじめ、原曲を大切にしながらモダンにアレンジされた数々のサウンドを楽しんだ。
 メンケンはUSプレミアで本作について、大きな喜びと共にこのように語った。「製作チームもキャストも、私たちのコラボレーションは素晴らしかったよ。時間をかけて、アラジンの象徴的な部分の実写化に取り組み、さらにそれを膨らませたんだ。子どもの頃にアニメーションのアラジンを観た人たちの多くは今、自分自身の子どもを持っている。アニメーション映画を観た人たちに前作を思い出してもらいながらも、まったく新しい経験をしてもらいたいね」

メナ・マスード

ディズニーの名作アニメの実写化に、男性的でエッジィなイメージのガイ・リッチー監督とは意外な組み合わせでありながら、魅力的にマッチしている本作。ガイ・リッチー監督は本作への思いについて、USプレミアでこのように語った。「『アラジン』の話が持ち上がった時、子どもたちはとても興奮していたよ。妻はディズニーの大ファンで、妻側からくるディズニープリンセスの要素と、子どもたちからくるほかの要素と、私のストリート・ハスラーの要素のコンビネーションになった。『アラジン』はそういった様々な要素をひとつにしなければいけなかったんだ」
 2019年5月16日に東京で行われた“マジック・カーペットイベント”に参加したウィルは、観客へのメッセージをこのように伝えた。「この作品は、歌とダンス、ドラマ、コメディ、アクション、というすべての要素が詰まっている本当に美しい映画です。そしてこの映画の中心には、人々を幸せにできるという、魔法があるのです。アランの名曲に乗せて、そのテーマが世界中に広がっていくと思いますよ」

2019年5月27日更新

作品データ

公開 2019年6月7日よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国ロードショー
制作年/制作国 2019年 アメリカ
上映時間 2:08
配給 ウォルト・ディズニー・ジャパン
原題 Aladdin
監督・脚本 ガイ・リッチー
脚本 ジョン・オーガスト
音楽 アラン・メンケン
出演 メナ・マスード
ナオミ・スコット
ウィル・スミス
マーワン・ケンザリ
ナヴィド・ネガーバン
ナシム・ペドラド
“プレミアム吹替版”
声の出演
中村倫也
木下晴香
山寺宏一
北村一輝
沢城みゆき
平川大輔
多田野曜平
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。