ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密

J.K.ローリング脚本による魔法ワールド最新作
ニュートと仲間たちは魔法界を守れるのか
宿命の対決、国際魔法使い連盟の選挙の行方は?

  • 2022/04/11
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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
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「ハリー・ポッター」の著者J.K.ローリングが脚本を手がける『ファンタスティック・ビースト』のシリーズ第3弾。出演は、『博士と彼女のセオリー』のエディ・レッドメイン、『グランド・ブダペスト・ホテル』のジュード・ロウ、『ジャスティス・リーグ』のエズラ・ミラー、『アナザーラウンド』のマッツ・ミケルセン、そしてダン・フォグラー、アリソン・スドルほか。監督は前2作より引き続き、『ハリー・ポッター』シリーズ後半4作品のデイビッド・イェーツが手がける。アルバス・ダンブルドア教授は、魔法界の支配を目論む旧友、強力な闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドの野望を阻止すべく、魔法動物学者ニュート・スキャマンダーに依頼するが……。ニュートが仲間たちと力を合わせて、グリンデルバルドの陰謀に立ち向かう。1930年代の中国、イギリス、ニューヨーク、ドイツ、オーストリアのアルプス地帯、ブータンを舞台に、魔法ワールドが生き生きと展開するファンタジー作品である。

ジェシカ・ウィリアムズ,カラム・ターナー,ジュード・ロウ,ダン・フォグラー,エディ・レッドメイン,ほか

アルバス・ダンブルドア教授は、旧友である強力な闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドが魔法界を支配しようとする企みを知る。教授は友人で元教え子の魔法動物学者ニュート・スキャマンダーに依頼し、魔法使いや魔女、マグル(非魔法使い)でチームを組むよう依頼し、グリンデルバルドの野望を阻止すべくミッションを託すが……。

魔法動物たちがスクリーンで生き生きと動き回り、「ハリー・ポッター」と地続きの世界が味わい深く広がってゆく魔法ワールドシリーズの最新作。魔法動物学者ニュートと仲間たちが活躍し、アルバス・ダンブルドアとその一族の秘密が明らかになってゆくストーリーとなっている。この映画は、J.K.ローリングによるオリジナル脚本を、共同脚本のスティーブ・クローブスと2人で練り上げたとのこと。クローブスは「ファンタスティック・ビースト」シリーズの前2作で製作を担当し、「ハリー・ポッター」シリーズでは7作品で脚本を担当したことから世界観をよく理解しているそうで、イェーツ監督は2人のコラボレーションについて、「ジョー(J.K.ローリングの愛称)とスティーブのことは脚本家として、また仕事仲間として敬愛しています。とても心強かった」とコメントしている。
 また新型コロナが流行している最中、イェーツ監督のもとにはファンから“興味深いメッセージ”が届いたと語る。「それによると、ロックダウンのさなか、安らぎを求めて『ファンタスティック・ビースト』シリーズを見たというんです――現実の世界は混乱しているけれど、魔法ワールドなら安心して見ていられると。このシリーズがみなさんの日常に溶け込み、共感を呼んでいることを知って感激しました。それこそが映画の作り手にとって究極のゴールですから」

マッツ・ミケルセン

ちょっとドジな魔法動物学者ニュート役はエディが、動物たちを大切にお世話して、仲間たちと力を合わせてミッションに尽力する、心優しい青年として。やがてホグワーツ魔法学校の校長となるアルバス・ダンブルドア教授役はジュードが、魔法界を公正に保つべく戦略をたてるブレインであり、お茶目で懐の大きな人物として。ジュードは2022年3月28日に東京で行われたファンナイトにリモート出演し、“ダンブルドアの秘密”というサブタイトルと、今回の役作りについてこのように語った。「作品を観てぜひその秘密とは何なのか、そしてダンブルドアという人物について皆さんに知ってほしいです。今回は監督と、彼はいかにしてダンブルドアになったのかということを掘り下げていきました」
 ダンブルドア教授による作戦チームのメンバーとして、ニュートの友人でありチーム内で唯一のマグルであるパン職人のジェイコブ役はダンが、アメリカのイルヴァーモーニー魔法魔術学校で呪文学を教える教師ラリーことユーラリー役はジェシカ・ウィリアムズが、ニュートの兄で闇祓いのエリート魔法使いテセウス役はカラム・ターナーが、ニュートの優秀な助手バンティ役はヴィクトリア・イェーツが、名門魔法一族の末裔でフランス系アフリカ人の魔法使いユスフ役はウィリアム・ナディラムが演じている。そしてダンブルドア教授の旧友であり、指名手配中の闇の魔法使いグリンデルバルド役はマッツが、魔法界の支配を目論む人物として、グリンデルバルドの信奉者である青年クリーデンスこと本名アウレリウス・ダンブルドア役はエズラ・ミラーが、闇に落ちてしまったジェイコブの最愛の女性で、開心術の使い手であるクイニー役はアリソンが、グリンデルバルドの部下ロジエール役はポピー・コービー=チューチが演じている。またパブ兼宿屋「ホッグズ・ヘッド」の主でアルバス・ダンブルドアの弟アバーフォース役はリチャード・コイルが、クイニーの姉でアメリカ闇祓い局の局長となったティナ役はキャサリン・ウォーターストンが演じている。さらに、国際魔法使い連盟の次期リーダー選挙関連では、国際魔法使い連盟のアントン代表役はオリバー・マスッチが、ドイツ闇祓い局のヘルムート局長役にアレクサンドル・クズネツォフが、連盟の次期リーダー選挙の公認候補のひとりであるブラジルのヴィセンシア・サントス役はマリア・フェルナンダ・カーンヂドが、もうひとりの次期指導者候補である中国のリウ・タオ役はデイブ・ウォンが演じている。また「ハリー・ポッター」シリーズの厳格なマクゴナガル先生の若い頃として、フィオナ・グラスコットの出演も。
 魔法動物たちは、光モノが大好きですばしっこい小動物であるニフラーのテディ、ニュートの賢い相棒であり枝状でひょろひょろ動くボウトラックルのピケット、というレギュラーのキャラクターが活躍。どんな時も迷いなく欲望にまっしぐらでまったくブレないテディと、いつもニュートを思いやる健気なピケットのあるシーンはユーモラスで笑いを誘う。映画の予告編やCMでも登場しているカニやサソリといった甲殻類ふうの魔法動物マンティコアのシーンで、イケメンのスキャマンダー兄弟2人が奇妙な横歩きをすることになるのもわかりやすく可笑しい。新たに登場する魔法動物の目玉は、魔法界で人の心を読む神獣とされる伝説のビースト、キリンである。玉虫色のうろこをもつ魔法動物で、成獣は竜と馬の合体した竜馬ふう、生まれての姿は小鹿のように愛らしい。ほかの新しい魔法動物は、風船のようにふくらんだり尻尾が伸びたりする鳥のようなワイバーンも。また「ハリー・ポッター」シリーズで知られるドラゴンやズーウー、スウーピング・イーヴル、ヒッポグリフ、そしてダンブルドア家とつながりのある不死鳥といった魔法動物たちも多数登場。撮影の時には、実際に触れて動かすことができる各ビーストの立体モデルが用意され、俳優たちはその立体モデルを相手に演技をしたそうだ。イェーツ監督は魔法動物への思い入れについて、このように語っている。「『ハリー・ポッター』シリーズが終わった後、ただ美しくて、謎めいている魔法動物たちを中心とした映画をつくりたかった。僕が一緒に旅に出たいくらいだよ」

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密

劇中の舞台としては、イギリス、ニューヨーク、ドイツ、オーストリアのアルプス地帯からブータンと、3つの大陸の6カ国にて。ただしパンデミックにより長距離の移動が制限されていることもあり、主要な撮影の大部分はイギリスのワトフォードにあるワーナー・ブラザース・スタジオ・リーブスデンの広大なバックロットと複数の防音スタジオで行われたとのこと。中国南部にあるコ天瀑布(バンゾックの滝)と漓江の映像をもとに作った滝のセットや、石灰岩の洞窟である月亮山をもとに作ったキリンの巣といった作り込まれた大型の美術セットも見どころのひとつとなっている。なかでも魔法ワールドのファンにとっては、ホグワーツ城、魔法の箒に乗ってクィディッチをする生徒たち、ホグワーツ魔法魔術学校のみんなで食事をする大広間や“必要の部屋”、学校の近隣にある魔法使いだけが暮らす唯一の場所、ホグズミード村などが登場することは楽しみのひとつだろう。ホグズミード村は、リーブスデンスタジオで人気の「ハリー・ポッター・ツアー」にある“すばらしい模型”をもとに美術セットをつくり上げたとのこと。このセットには、キャストみんなが喜び、特に熱狂的なハリー・ポッターのファンを自負する呪文学の教師ラリー役のジェシカは、その時の感動と興奮をこのように語っている。「小説全巻を読み、映画全作を観た私にとって、これらのセットのなかにいることは夢のような体験だった。これほど没入感を感じたことは今までになかったわ。2カ月間、セットのなかを歩くたびに、『うそみたい! 私たち、ホグズミードにいるのよ!』と感激していたの」

「ファンタスティック・ビースト」シリーズ最新作として、イェーツ監督は「このシリーズ3作目では魔法や珍騒動や楽しい場面をもっと増やしたいと思いました」と笑顔でコメント。製作のデイビッド・ヘイマンは観客へのメッセージを語る。「この作品の3本柱は感動、ユーモア、冒険です。シビアなエピソードもでてきますが、一方でやさしさと笑いとスリルにあふれている。もちろん、魔法も飛び交いますよ。だれもが魔法の世界に憧れると思いますが、『ファンタスティック・ビースト』シリーズはジェイコブだけでなく観客のみなさんを歓迎します。みなさんも魔法ワールドの一員ですからね」
 第1作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』のロンドンでのイベントにて、J.K.ローリングが「5本の映画になる」と発表したことが報じられたのは、2016年10月13日の「The Guardian」記事などで周知の通り。また2016年11月21日にはJ.K.ローリングはツイッターで、「私たちの物語は1926年に始まり1945年に終わります。1本の映画に入れるには大きすぎる!」とコメントも。さて、ワーナー映画の公式サイトでは、「魔法ワールド特集」のピックアップ記事として、前作までの振り返りや新作の検証などを詳しく紹介。映画をより深く楽しむのにおすすめだ。まだまだ続くニュートと仲間たちの冒険、1945年までの物語がどのように展開していくのか楽しみだ。

参考:「the Guardian

作品データ

公開 2022年4月8日より全国ロードショー
制作年/制作国 2022年 アメリカ
上映時間 2:23
配給 ワーナー・ブラザース映画
原題 Fantastic Beasts: The Secrets of Dumbledore
監督 デイビッド・イェーツ
脚本 J.K.ローリング
スティーブ・クローブス
出演 エディ・レッドメイン
ジュード・ロウ
エズラ・ミラー
ダン・フォグラー
アリソン・スドル
カラム・ターナー
ジェシカ・ウィリアムズ
キャサリン・ウォーターストン
マッツ・ミケルセン
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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