鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成

荒川弘の人気コミックを実写映画化した完結編2部作
兄弟は身体を取り戻せるか、仲間と陰謀を阻止できるのか
バトル・アクション満載のダークファンタジー

  • 2022/06/15
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鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー/最後の錬成©2022 荒川弘/SQUARE ENIX ©2022 映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会

荒川弘の人気コミックを実写映画化した2017年の1作目『鋼の錬金術師』より5年、原作の最終話までを描く完結編2部作が完成。出演は、山田涼介、本田翼、ディーン・フジオカ、蓮佛美沙子、本郷奏多、黒島結菜、渡邊圭祐、山田裕貴、舘ひろし、山本耕史、栗山千明、佐藤隆太 、新田真剣佑、内野聖陽ほか充実の俳優陣が集結。監督は1作目と同じく『ピンポン』の曽利文彦が手がける。国家錬金術師を狙う連続殺人事件が起きるセントラルシティを訪れたエドとアルの兄弟は、額に十字傷をもつ謎の犯人“傷の男(スカー)”に襲われる。一方、ホムンクルス(人造人間)たちの生みの親“お父様”の陰謀が最終段階に進んでいると判明し……。『復讐者スカー』では、スカーの復讐の理由とその目的、アメストリス国家の秘密、『最後の錬成』では、すべての鍵を握るエドとアルの父親のこと、市井の人々を巻き込む陰謀の全容、エドとアルの兄弟は失った身体を取り戻すことができるのか、というすべてを描き出す。アクションなど人気俳優たちのキャラクターぶりも華やかに、見どころたっぷりのダークファンタジー2部作である。

『復讐者スカー』:アメストリスの中央(セントラル)にて、軍に忠誠を誓うことを義務付けられた国家錬金術師ばかりを狙う連続殺人事件が発生。エドとアルの兄弟は、額に十字傷をもつ謎の犯人“傷の男(スカー)”に襲われ、圧倒的な強さによって機械鎧(オートメイル)を破壊されてしまう。復讐に燃えるスカーの過去は、国家の秘密につながっていた。
『最後の錬成』:最大の敵であるホムンクルスたちの生みの親“お父様”の陰謀が最終段階へと進んでいる。エドとアル、軍の暗部に立ち向かうマスタング大佐たち、「賢者の石」(幻の術法増幅器)を求めてシンの国からやってきた来訪者たちは、陰謀を阻止すべく共闘するが……。

本田翼

2021年に連載開始20周年を迎えた荒川弘の人気コミックを原作に、錬金術が存在する架空の世界を描くダークファンタジーの完結編。前作では1〜8巻あたりまでを描き、完結編2部作では全27巻の最後まで、約19巻分が描かれている。続編の話は第1作目の公開時からあったなか、人物の数がとても多い原作から登場するキャラクターをしぼり、長い時間をかけて脚本を開発し、完結編2部作として完成させた。

機械鎧(オートメイル)の右腕と左足をもつエドワード・エルリック役は山田涼介が、史上最年少で国家資格を得た天才錬金術師として。エドの弟で、人体錬成の代償に肉体をすべて失い魂だけが鎧に定着したアルフォンス役は水石亜飛夢が、エルリック兄弟の幼なじみで機械鎧(オートメイル)技師のウィンリィ役は本田翼が、アメストリス国軍大佐で「焔」の国家錬金術師ロイ・マスタング役はディーン・フジオカが、一流の狙撃手でありマスタング大佐の腹心であるアメストリス国軍中尉リザ役は蓮佛美沙子が、変身能力をもつ人造人間エンヴィー役は本郷奏多が、東の大国シンの第十二皇子リン・ヤオ役は渡邊圭祐が、リン皇子に仕える仮面姿の護衛の少女ランファン役は黒島結菜が、「紅蓮」の国家錬金術師ゾルフ・J・キンブリー役は山田裕貴が、アメストリスの最高権力者であるブラッドレイ大総統役は舘ひろしが、アメストリス国軍少佐で「豪腕」の国家錬金術師アレックス役は山本耕史が、アレックスの実姉で北のブリッグズ要塞を統括するアメストリス国軍少将のオリヴィエ役は栗山千明が、アメストリス国軍のヒューズ中佐役は佐藤隆太が、国家錬金術師を憎む額に大きな十字傷をもつ男スカー役は新田真剣佑が、エルリック兄弟の父親である錬金術師ヴァン・ホーエンハイム役は内野聖陽が、それぞれに演じている。さらに大勢の実力派キャストも参加している。
 原作者の荒川氏は2022年4月4日に『復讐者スカー』の視聴後に、俳優陣の活躍への感動をこのように語っている。「アクションもとにかく凄くて、オープニングの列車内で、エドたちとシン組が戦うシーンからワクワクし通しでした。なかでもランファンはとてもカッコよかったです! やっぱり映画は役者さんの演技が入るので、感動がぜんぜん違いますね。エド役の山田くんも、ますます演技の感情の幅が豊かになって、とても魅力的な主人公になっていました。あと翼ちゃんの泣く演技には、もらい泣きしてしまいました。栗山さんがオリヴィエに決まったと聞いたときは一気にテンションが上がりお祭り騒ぎでした」

内野聖陽,ほか

原作コミックは、「月刊少年ガンガン」で2001年8月号〜2010年7月号まで連載。全世界シリーズ累計8,000万部を超えることで知られ、2004年に第49回小学館漫画賞、2006年に第5回東京アニメアワード原作賞を受賞。2003年〜2004年と2009年〜2010年に2度のアニメ化、2017年に実写映画化、そして2022年に2部作の実写映画化となった。原作者の荒川弘(あらかわひろむ)は、『獣神演武』『銀の匙 Silver Spoon』『アルスラーン戦記』などでも知られ、2022年1月からは新連載の『黄泉のツガイ』を「月刊少年ガンガン」でスタートした。また農業をテーマに描くコミックエッセイ『百姓貴族』は、自身も農業高校に通い、漫画家になる前は北海道で7年間農家である実家で農業をしていた経験を活かして、作者本人の農業や酪農への明快な思い入れがコミカルに描かれていて興味深い。また荒川氏は人気コミックの連載をしながら3人の子どもを出産し育てている母でもある、本当にすごいバイタリティーの持ち主だ。この映画の公式HPのNEWSでは、2022年5月19日付の記事のなかで、荒川氏が『復讐者スカー』の見どころシーンベスト3を挙げているので、こちらも注目だ。

新田真剣佑

劇中の見どころとしてさまざまなバトル・アクションがある。冒頭の列車内外の戦闘シーンに始まり、数々の戦いが展開。山田涼介は撮影の半年前からパーソナルトレーナーをつけて体作りを始め、ディーン・フジオカや山本耕史もトレーニングで体をつくっていったとのこと。そして撮影現場にはプロテインとミキサーを常備、トレーニングマシンが設置され、俳優たちは撮影の合間も筋トレをしていたとも。なかでも、何度みても「誰?」という風貌のつくり込みが面白いのは、金髪モヒカン姿である「豪腕」の錬金術師アレックス役の山本耕史だ。山本は今回の役作りについてこのようにコメントしている。「役作りのため、とにかく筋トレをしました。現場では山田さんや新田さんをはじめとしたキャストの皆さんとも筋トレの話をしましたし、本番前にも筋トレをするなど、身体を限界まで追い込みました。ポージングをするシーンでは酸欠になりかけました(笑)」
 撮影は、千葉の鋸南町に作られたオープンセットと、後からCGを合成するグリーンバックの撮影を中心とする東宝スタジオの2か所を拠点に実施。美術スタッフがつくり上げた大規模なオープンセットでは、ドローンを用いたり、約100人のエキストラが参加したりするなど原作の世界観を具現化。そうしたビジュアルに、撮影現場を訪れた原作者の荒川氏も驚いたという。そして2022年4月4日に『復讐者スカー』の視聴後のコメントで、荒川氏は実写作品への思いを語った。「自分で描いたお話なんですけど、CGの進歩の凄さと相まって、あぁ、実写だとこうなるんだなと、終始新鮮な気持ちで作品を楽しむことができました」

原作の大ファンである山田涼介や俳優たち、製作に心を砕く曽利監督とスタッフたちがつくり上げた完結編2部作。実写映画を自身の“孫”としてとらえているという荒川氏は、前述の4月4日付のコメントで完結編への思いをこのように語った。「実写映画1作目を観てからこのオリジナルキャストでの完結編を作ってほしいとずっと思っていたので、エドとアルの旅を最後まで描き切ってもらえて本当に嬉しかったです。原作が凝縮されているので、イベントが目白押し。本当に全部が見どころなので、原作ファンのみなさまにも是非観ていただきたいです」
 最後に、「『最後まで描きたい、演じ切りたい』という夢が、ようやく叶いました」という山田涼介のメッセージをご紹介する。「広く愛されている漫画作品の実写化が難しいのはわかっていますし、プレッシャーはものすごく大きかったです。でも、絶対に実写でしか見せられない『鋼の錬金術師』の良さがあると信じています。生身の人間が魂を込めて演じると、また違う感動が生まれると思います。だから今回は、ハガレンの一ファンとしての愛を全部監督に伝えさせていただきました。前作以上にさらに強い想いを込め、妥協することなくスタッフ・キャスト一丸となって取り組むことができました。その進化には、僕自身も驚いています。皆で作り上げた映画『鋼の錬金術師 完結編』を楽しんでもらいたいです!」

作品データ

公開 2022年5月20日『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』
2022年6月24日『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』
完結編二部作連続公開
制作年/制作国 2022年 日本
上映時間 2:22
配給 ワーナー・ブラザース映画
英題 『FULLMETAL ALCHEMIST The Revenge of Scar』
『FULLMETAL ALCHEMIST The Final Alchemy』
原作 荒川 弘
監督 曽利文彦
脚本 曽利文彦
宮本武史
出演 山田涼介
本田 翼
ディーン・フジオカ
蓮佛美沙子
本郷奏多
黒島結菜
渡邊圭祐
山田裕貴
舘ひろし
山本耕史
栗山千明
風吹ジュン
佐藤隆太
新田真剣佑
内野聖陽
:あつた美希
ライター:あつた美希/Miki Atsuta フリーライター、アロマコーディネーター、クレイセラピスト インストラクター/インタビュー記事、映画コメント、カルチャー全般のレビューなどを執筆。1996年から女性誌を中心に活動し、これまでに取材した人数は600人以上。近年は2015〜2018年に『25ans』にてカルチャーページを、2015〜2019年にフレグランスジャーナル社『アロマトピア』にて“シネマ・アロマ”を、2016〜2018年にプレジデント社『プレジデントウーマン』にてカルチャーページ「大人のスキマ時間」を連載。2018年よりハースト婦人画報社の季刊誌『リシェス』の“LIFESTYLE - NEWS”にてカルチャーを連載中。
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