自然や都市に存在する現実の色を、水彩絵の具を調合してその場で紙片に写し取っていくデザイン手法「カラーハンティング」を基に、色からはじめるデザインの取り組みを紹介する展覧会です。
カラーハンティングの生みの親は、2011年までISSEY MIYAKEのクリエイティブディレクターであったデザイナーの藤原 大氏。今回は展覧会ディレクターとしてライオンなど野生動物の色を写し取るところや、その色が内包する意味について紹介します。1200年前の古文書に記されている幻の色の再現に取り組む研究や、野菜から色を抽出しようとする企業とのプロジェクトの発表、国内外の教育機関と協働で対象のイメージや情報を色に置き換える試みなど、来場者が一緒に考えたり、見つけたりできる内容になっています。
日々の暮らしは色であふれていますが、世の中に流通している商品の多くは、カラーチャートと呼ばれる色見本から選ばれた既存の色でしかありません。対して、自然界には海、空、森など、見え方や、時刻の違いによって変わる多様な色の世界が広がっています。その色を直接採取し、利用することで広がる新たなデザインの可能性は、ものづくりや発想を一層豊かにすることでしょう。

「世界色遺産」 佐渡市立新穂小学校 撮影:永野雅子
次の世代に残したい色をハンティングし、
アーカイヴすることをめざすプロジェクト。
次の世代に残したい色をハンティングし、
アーカイヴすることをめざすプロジェクト。

「食べる色」 株式会社 常磐植物化学研究所
野菜をカラーハンティングし、「食べる色」をつくるプロジェクト。
野菜をカラーハンティングし、「食べる色」をつくるプロジェクト。

「ネーム・ザ・ツリー」
シドニー、台北、東京、ニューヨーク、
ヘルシンキ、香港の学生と行うプロジェクト。
身近な木を選び、名前と色を与えるというテーマで、
その木を特徴づけるコンテンツを制作。
シドニー、台北、東京、ニューヨーク、
ヘルシンキ、香港の学生と行うプロジェクト。
身近な木を選び、名前と色を与えるというテーマで、
その木を特徴づけるコンテンツを制作。

「肌色めがね」 株式会社ジェイアイエヌ
カラーハンティングした肌の色を用い、
顔になじむメガネフレームを制作。
カラーハンティングした肌の色を用い、
顔になじむメガネフレームを制作。

会期 | 2013年6月21日(金) 〜 10月6日(日) |
---|---|
休館日 | 火曜日 |
時間 | 11:00〜20:00 ※入館は閉館時間の30分前まで | 会場 | 21_21 DESIGN SIGHT 港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内 |
入館料 | 一般1,000円、大学生800円、中高生500円 |
公式サイト | http://www.2121designsight.jp/ |
問合せ | 03-3475-2121 |
2013年5月更新