松竹梅 新年を寿ぐ吉祥のデザイン

神秘的な力を宿すと信じられた松、竹、梅 絵画や工芸作品から長寿の願いや祝意を読み取る

  • 2015/12/24
  • イベント
  • アート

祝儀のデザインとして広く定着している松、竹、梅を取り上げ、それらをモチーフにした絵画や工芸作品を展観しながら、込められた祝意や願いを読み解く、新年に相応しい企画展です。

祝い事でよく用いられる松竹梅の概念は、中国の「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」が元になっていると言われています。寒い季節でも色あせることのない松、竹に、寒中に花を咲かせる梅は、清廉潔白を目指した中国の文人たちの理想を表すとされました。現地では祝いの認識はなく、日本へ伝来して室町時代以後に、日本人の文化や生活と結びつき、慶事に用いられる主題として定着しました。
 兼好法師が「家にありたき木」として第一に挙げた“松”。門松はもともと正月の歳神が祭場に降臨するための依代として立てられたものでした。真っ直ぐ凛とした竹は霊性があると信じられ、かぐや姫や七夕飾りなどに取り入れられていきます。

本展では、松、竹、梅を単独に、あるいは組み合わせた状態で描いた絵画や工芸品を展示。室町時代の作品で、重要文化財「芦屋松梅図真形釜」、桃山時代の「松鶴図屏風」、江戸時代の「染付色絵松竹梅文皿」や「染付色絵岩竹文皿」などが並びます。

  1. 小松引図 冷泉為恭筆 日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵
    小松引図
    冷泉為恭筆
    日本・江戸時代 19世紀
    根津美術館蔵
  2. 松鶴図屏風(左隻) 日本・桃山時代 17世紀 根津美術館蔵
    松鶴図屏風(左隻)
    日本・桃山時代 17世紀 根津美術館蔵
  3. 紅地松竹梅鶴文振袖 日本・江戸時代 19世紀 根津美術館蔵
    紅地松竹梅鶴文振袖
    日本・江戸時代 19世紀
    根津美術館蔵
  4. 染付色絵松竹梅文皿 肥前 鍋島藩窯 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵 山本正之氏寄贈
    染付色絵松竹梅文皿
    肥前 鍋島藩窯
    日本・江戸時代 17世紀
    根津美術館蔵 山本正之氏寄贈

開催概要

展覧会名 松竹梅 新年を寿ぐ吉祥のデザイン
会期 2016年1月9日(土) 〜 2月14日(日)
休館日 月曜日(ただし1/11は開館、1/12は休館)
時間 10:00〜17:00
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 根津美術館
港区南青山6-5-1
>> 会場の紹介記事はこちら
入館料 一般1,000円、高大生800円
公式サイト https://www.nezu-muse.or.jp/
問合せ 03-3400-2536

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