世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画

秋田藩士が目指した西洋と東洋の美の融合! 『解体新書』の挿絵も

  • 2016/11/14
  • イベント
  • アート

解体新書(部分) 杉田玄白ら訳、小田野直武画 一冊(序図) 安永3年(1774) 国立大学法人東京医科歯科大学図書館 【全期間展示】
解体新書(部分) 杉田玄白ら訳、小田野直武画
一冊(序図) 安永3年(1774)
国立大学法人東京医科歯科大学図書館
【全期間展示】

18世紀後半、秋田藩士を中心に描いたオランダ風の絵画「秋田蘭画」。中心となって描いた小田野直武に着目し、その画業と秋田蘭画の謎や魅力に迫る企画展です。

秋田藩角館城代の槍術指南役の第4子として生まれた小田野直武は、武家のたしなみとして書画を始め、その才能によって藩のお抱え絵師である武田円碩(たけだ・えんせき)から狩野派を学びます。1773(安永2)年、藩主の佐竹曙山の命で江戸へ派遣され、平賀源内との交友を通じて、杉田玄白、前野良沢らによる西洋医学書の翻訳『解体新書』の挿絵担当に抜擢されました。また、当時流行していた南蘋派の技法も宋紫石(そう・しせき)から学び、西洋と東洋の世界を融合させ、拡大した近景と緻密な遠景を配した構図などの特徴を持つ秋田蘭画の画風を構築したと考えられています。

本展では、小田野直武の生涯とともに、秋田蘭画の誕生からその後の行方までを5章立てで展観します。若くして画力が認められた直武が17歳の時に制作した絵馬、絵が得意だった佐竹曙山が描いた「巌に松図」などに始まり、『解体新書』とその元となった『ターヘル・アナトミア』、直武が影響を受けた南蘋派の宋紫石筆「富嶽図」、重要文化財の「不忍池図」や「唐太宗・花鳥山水図」などの秋田蘭画を紹介します。

  1. 重要文化財 不忍池図 小田野直武筆 一面 江戸時代 18世紀 秋田県立近代美術館 【展示期間:11/16〜12/12】
    重要文化財 不忍池図 小田野直武筆
    一面 江戸時代 18世紀
    秋田県立近代美術館
    【展示期間:11/16〜12/12】
  2. 富嶽図 小田野直武筆  一幅 江戸時代 18世紀 秋田県立近代美術館 【展示期間:12/7〜1/9】
    富嶽図 小田野直武筆
    一幅 江戸時代 18世紀
    秋田県立近代美術館 【展示期間:12/7〜1/9】

開催概要

展覧会名 世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画
会期 2016年11月16日(水) 〜 2017年1月9日(月・祝)
※会期中、展示替えあり
休館日 火曜日(ただし1月3日は開館)、12月30日(金)〜1月1日(日・祝)
時間 10:00〜18:00(12月22日(木)、1月8日(日)は20:00まで)
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 サントリー美術館
港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
>> 会場の紹介記事はこちら
入館料 一般 1,300円、高大生 1,000円
公式サイト https://www.suntory.co.jp/sma/
問合せ 03-3479-8600

記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。