香炉、香合から辿る! 1400年を超える「香」の文化と魅力
仏前に芳香を献ずることから始まった香を焚く文化。6世紀に仏教伝播とともに日本へ伝来し、貴族の生活に浸透していきます。室町時代に“香道”として大成した香と香炉をはじめとする香道具、そして茶の湯文化の中で注目をあびるようになった香合の名品を通して、1400年を超えて息づく文化を辿る企画展です。
香りを楽しみつつ部屋や衣服に焚く「空薫(そらだき)」、一人静かに香りと向き合う「聞香(もんこう)」から香道へと発展した「香」。香薬を練り合わせた練香や、天然の香木などを、香合と呼ばれる蓋つきの器に保管し、香炉で焚きました。16世紀末あたりから、“茶の湯”で炉や風炉に炭を継ぎ、香を入れる「炭手前(すみでまえ)」という作法が成立。香合だけが用いられるようになり、茶人の趣向に合わせて多彩な素材、造形が生まれました。
本展では、香合、香炉を20余年ぶりにまとめて公開。野々村仁清作の重要文化財「色絵法螺貝香炉」、「銹絵白鷺香炉」の2点を始め、南宋官窯「青磁香炉」、日本諸窯の動物を象った香炉などが並びます。陶磁と漆芸を合わせて250件と、国内有数のコレクションを誇る香合からは、明時代の「堆朱三聖人香合」や「交趾狸(こうちたぬき)香合」、桃山時代の「撫子蒔絵錫縁香合」や「織部六角蓮実香合」などが紹介されます。また、国宝「曜変天目」も、茶碗内部まで鑑賞できる高さ70cmの展示台で公開。雅な香りを飾る、さまざまな造形をじっくりと鑑賞できます。
展覧会名 | 〜かおりを飾る〜珠玉の香合・香炉展 |
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会期 | 2017年6月17日(土) 〜 8月13日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし7月17日は開館)、7月18日(火) |
時間 | 10:00〜16:30 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 静嘉堂文庫美術館 世田谷区岡本2-23-1 |
入館料 | 一般 1,000円、高大生 700円 |
公式サイト | https://www.seikado.or.jp |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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