没後40年 幻の画家 不染鉄展 暮らしを愛し、世界(コスモス)を描いた。

鳥瞰図と細密画の要素が合わさった独創的世界

才能を評価されながら画壇を離れ、晩年まで飄々と描き続けた孤高の日本画家 不染鉄(ふせんてつ)。代表作、新たに発見された作品、絵はがき、焼き物など約120点を展示し、その足跡と魅力を辿る東京で初めての回顧展です。

1891(明治24)年、東京小石川の光円寺で生まれた不染鉄は、20代初めに日本美術院研究会員となり、伊豆大島・式根島に写生旅行に行きますが、漁師として3年間も暮らします。その後、京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)に入学し、第1回帝展に入選。1946(昭和21)年、かつて図画の教員を務めていた奈良県正強中学校の理事長に就任し、以後は奈良に住み続けます。1952(昭和27)年に正強学園理事長を退任した後は、画業に専念しました。

本展では、5つの章に分けて足跡を辿ります。第1章では、日本画の技法に則った瑞々しい感性の作品が並びます。第2章は、再評価の機運が高まった南画を意識した作品や、理想と現実の風景を織り込んだ山水画などが展示され、第3章では、薬師寺東塔を題材にした日本画や、代表作の1つである《山海図絵(伊豆の追憶)》などが紹介されます。第4章では、海を軸に独自の心象風景を描いた画業の集大成となる作品群が並び、第5章では、晩年の女子学生との交流を踏まえた情感豊かな作品や絵はがき、焼き物などが展示されます。過去に美術館での回顧展は1回だけという、謎に包まれた画家の魅力にじっくりと迫ることができます。

《林間》大正8(1919)年頃 奈良県立美術館蔵
《山海図絵(伊豆の追憶)》大正14(1925)年 木下美術館蔵
《古い自転車》昭和43(1968)年 個人蔵
《廃船》昭和44(1969)年頃 京都国立近代美術館蔵
開催概要
展覧会名 没後40年 幻の画家 不染鉄展
会期 2017年7月1日(土) 〜 8月27日(日)
休館日 月曜日(ただし7月17日は開館)、7月18日(火)
時間 10:00〜18:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 東京ステーションギャラリー
千代田区丸の内1-9-1 
入館料 一般 900円、高大生 700円
公式サイト http://www.ejrcf.or.jp/gallery/
問合せ 03-3212-2485
2017年6月更新