ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで

中世絵画から現代アートまで! 500年にわたるベルギー美術の旅

  • 2017/07/13
  • イベント
  • アート

写実主義から空想上の事物を描いたベルギーの絵画。ボスが活躍した中世から19世紀の象徴派、現代アートへ続く、約500年の軌跡を“奇想”をテーマに辿る企画展です。

ベルギーは、ヨーロッパの中ほどにあって陸と海ともに交通の要衝。フランスなどの大国に常に狙われ、戦乱の舞台となりました。1830年、ようやく独立を果たします。その歴史は同地の芸術家にもアイデンティティーの一つとして深く根ざし、奇想の表現の中にも“死”が多く取り上げられています。

本展では、約500年のベルギー美術史を1〜3章に分けて展観します。15〜17世紀のフランドル美術では、ヒエロニムス・ボス、ブリューゲル、ルーベンスの作品を展示。ボスが描いた地獄の鮮烈なイメージは、死後もボス派やブリューゲルによって継続します。ルーベンスは、恐れや怒りなどの激しい感情を「奇想」で表現しました。
 19世紀末から20世紀にかけて生まれたベルギー象徴派、表現主義では、ロップスが骸骨の描写を近代に甦らせ、クノップフは暗示に満ちた静謐な作品で謎を生み出し、アンソールは叫びだす自我を骸骨と仮面で表すなど、内面を追求した作品が多く登場。
 20世紀のシュルレアリスムから現代まででは、マグリット《大家族》、ヤン・ファーブル《フランダースの戦士》などの著名な作品が紹介されます。表現方法が絵画や版画に留まらず、彫刻、音、インスタレーションと拡大しているなか、シュルレアリスムを経て、幻想の世界を押し広げていくベルギー美術の系譜を総括します。

  1. ヒエロニムス・ボス工房 《トゥヌグダルスの幻視》 1490-1500年頃 油彩・板 ラサロ・ガルディアーノ財団 © Fundación Lázaro Galdiano
    ヒエロニムス・ボス工房 《トゥヌグダルスの幻視》
    1490-1500年頃 油彩・板
    ラサロ・ガルディアーノ財団
    © Fundación Lázaro Galdiano
  2. ぺーテル・パウル・ルーベンス[原画]、リュカス・フォルステルマン(父)[彫版] 《反逆天使と戦う大天使聖ミカエル》 1621年 エングレーヴィング・紙 ベルギー王立図書館
    ぺーテル・パウル・ルーベンス[原画]、
    リュカス・フォルステルマン(父)[彫版]
    《反逆天使と戦う大天使聖ミカエル》
    1621年 エングレーヴィング・紙
    ベルギー王立図書館
  3. ジェームズ・アンソール 《オルガンに向かうアンソール》 1933年 油彩・キャンヴァス メナード美術館
    ジェームズ・アンソール
    《オルガンに向かうアンソール》
    1933年 油彩・キャンヴァス
    メナード美術館
  4. トマス・ルルイ 《生き残るには脳が足らない》 2009年 ブロンズ ロドルフ・ヤンセン画廊 © Studio Thomas Lerooy, Brussels, courtesy rodolphe janssen, Brussels /Photo: Philippe D. Hoeilaart
    トマス・ルルイ
    《生き残るには脳が足らない》
    2009年 ブロンズ
    ロドルフ・ヤンセン画廊
    © Studio Thomas Lerooy, Brussels, courtesy rodolphe janssen, Brussels /Photo: Philippe D. Hoeilaart

開催概要

展覧会名 ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで
会期 2017年7月15日(土) 〜 9月24日(日)
※会期中、展示替えあり
前期:7月15日(土) 〜 8月21日(月)
後期:8月23日(水) 〜 9月24日(日)
休館日 7月18日(火)、8月22日(火)
時間 10:00〜18:00(毎週金・土は21:00まで)
※入館は各閉館時間の30分前まで
会場 Bunkamura ザ・ミュージアム
渋谷区道玄坂2-24-1 
入館料 一般 1,500円、高大生 1,000円、小中生 700円
公式サイト https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/17_belgium/
問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)

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