名古屋で大ダルマを描き、宣伝活動!? 北斎の意外な面にフォーカス
江戸後期に活躍し、「冨嶽三十六景」などを描いて世界的に広く知られるようになった浮世絵師 葛飾北斎。自身の作品の宣伝活動にも積極的であった側面に注目し、名古屋で行われたパフォーマンスの作品や資料を中心に、北斎が聴衆をひきつけたテクニックに迫る企画展です。
浮世絵でだけでなく、パフォーマーとしても活躍した北斎は、名古屋で120畳大の紙を使って大だるまを描きます。名古屋城下の賑わいを利用して、自身の『北斎漫画』の宣伝も兼ねたパフォーマンスがあったとされます。多くの人が行きかい、活気を呈した江戸、名古屋などの都市ではこのようなパフォーマンスが多く行われました。
本展は、4章で構成され、当時の都市の賑わいから、代表作の1つである『北斎漫画』の紹介、パフォーマンスの詳細、名古屋に残した足跡まで、幅広く紹介します。
「1章 江戸と名古屋のにぎわい」では、北斎がデザインした見世物の宣伝チラシを展示。大型麦わら細工、駱駝の夫婦の見世物など、江戸と名古屋の華やかさがうかがえます。「2章 北斎漫画の誕生」では、森羅万象を気の向くままに描いたとされる『北斎漫画』全15冊を一堂に展示。版元の永楽屋東四郎の業績、発行に関わった門人たちの出版した版本など、関連作品も並びます。「3章 大パフォーマー北斎、大ダルマを描く!」では、『葛飾北斎伝』など活字でしか知られていなかった活動を両都市で打った宣伝チラシやキロクと希少な肉筆画と共に紹介する目玉の章になります。江戸では米1粒に2羽の雀を描いた「米粒アート」、名古屋では大ダルマ制作の様子など、両都市で行ったパフォーマンスを作品や資料から読み解きます。「4章 名古屋に残した北斎の足跡」では、『冨嶽三十六景』、『北斎漫画』、『富嶽百景』から、名古屋が描かれた作品を展示し、当時の名古屋の様子を展観します。弟子の牧墨僊など、門下生の作品も公開されます。会期中は、フォーラムやスライドトークなども開催される予定です。
展覧会名 | 大ダルマ制作200年記念 パフォーマー☆北斎 〜江戸と名古屋を駆ける〜 |
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会期 | 2017年9月9日(土) 〜 10月22日(日) ※会期中、展示替えあり 前期:9月9日(土) 〜 10月1日(日) 後期:10月3日(火) 〜 10月22日(日) |
休館日 | 月曜(ただし9月18日、10月9日は開館)、9月19日(火)、10月10日(火) |
時間 | 9:30〜17:30 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | すみだ北斎美術館 墨田区亀沢2-7-2 |
入館料 | 一般 1,200円、高大生・65歳以上 900円、中学生 400円、小学生以下無料 |
公式サイト | https://hokusai-museum.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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