色と向き合い表現を模索した2人の巨匠の共鳴を探る
抽象絵画を生んだヴァシリー・カンディンスキーと、自分自身の内面の光や本質をとらえて表そうとした宗教画家ジョルジュ・ルオー。同時代を生き、独自の表現を模索した二人の巨匠の色への探求における共鳴を探る企画展です。抽象表現を確立したパウル・クレー、個人の精神を表現しようとしたドイツ表現主義の画家たちも加え、共鳴の軌跡を追います。
ロシア出身の画家、美術理論家だったカンディンスキーは、法律と経済学を学ぶもののモネの《積み藁》に衝撃を受けて画家へ転向。ミュンヘンで芸術家集団に所属し、ドイツ表現主義のけん引役として活躍します。1921年、バウハウスの教授となりますが、1933年にバウハウスが閉鎖すると、パリ郊外に移住しました。
一方、パリ出身で、同地で活動したジョルジュ・ルオー。国立美術学校でギュスターヴ・モローと出会い、大きく影響を受けます。1903年、サロン・ドートンヌ設立に参加。キリスト教に根差した深い精神性のある作品を制作し、20世紀最大のフランス人宗教画家と呼ばれました。
本展では、2人が共有した芸術表現の志向を色と形を軸に探します。宮城県美術館、パリのルオー財団などのコレクションをベースに、油彩画、水彩画、版画、デッサン、書籍など、約130点で構成。ルオー財団からは約20点の作品が初来日します。2人が共に拠点としたサロン・ドートンヌでの足跡を辿る「1章 カンディンスキーとルオーの交差点」では、カンディンスキーが故郷ロシアへの憧憬を描いた《商人たちの到着》を東京で約30年ぶりに紹介。「2章 色の冒険者たちの共鳴」では、カンディンスキーが牽引したドイツ表現主義の画家とルオーの親近性をモティーフや色使いから探り、「3章 カンディンスキー、クレー、ルオー−それぞれの飛翔」では、パウル・クレーの作品なども展示します。カンディンスキーのそれぞれの時代の様式を代表する作品が集い、画歴を作品で辿れるのも大きな特徴です。
展覧会名 | 表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち |
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会期 | 2017年10月17日(火) 〜 12月20日(水) |
休館日 | 水曜日(ただし12月6日、13日、20日は開館) |
時間 | 10:00〜18:00 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | パナソニック 汐留ミュージアム 港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般 1,000円、65歳以上 900円、大学生 700円、中高生 500円 |
公式サイト | https://panasonic.co.jp/ew/museum/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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