芸術、科学、自然物が一堂に!皇帝の驚異の世界
神聖ローマ皇帝としてハンガリー、クロアチア、ボヘミア、オーストリアなどを支配したハプスブルグ家のルドルフ2世。政治よりも文化に注力して、世界各地から人材を集め、17世紀初頭のヨーロッパで随一の文化拠点を創り上げました。芸術、科学、自然と多岐にわたったそのコレクションを筆頭にルドルフ2世が愛好した、時に魔術的な魅力に満ちた芸術と科学の世界を紹介します。
スペインのフェリペ2世の宮廷で育ち、後に帝位を継いだルドルフ2世は、ラテン語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、チェコ語に堪能な博学者でした。帝都をウィーンではなくプラハにおき、世界各地から優れた人物を集めて活動を庇護しました。宮廷に仕えた画家には、動植物などを組み合わせて人物像を創り上げるジュゼッペ・アルチンボルド、エロティックな雰囲気をたたえた神話画を得意としたハンス・フォン・アーヘン、同じく神話画が秀でたバルトロメウス・スプランガー、宗教画や寓意的な主題の作品を制作したディルク・ド・クワード・ファン・ラーフェステインなどがいます。
馬を愛好して動物園も所有し、お抱え画家の一人であるルーラント・サーフェリーに動物画を描かせ、ヨーリス・フーフナーヘルには華麗な細密画や装飾を施した写本を作らせたほか、天文学や占星術にも関心を持ち、デンマークの天文学者ティコ・ブラーエらをお抱えの天文学者として雇用。天体道具や各国の博物などを集めた驚異の部屋を作り上げました。
本展では、宮廷画家などルドルフ2世が好んだ芸術家を中心に、版画を含む絵画約80点、工芸品や天文道具約20数点、天文学や錬金術に関する資料など約120点を紹介します。珍しいイッカクの牙、鉱物などの自然物(ナトゥラリア)も併せて展示。優美なもの、奇妙なもの、怪しげなものなど、皇帝が愛した芸術と科学の数々もじっくり展観できます。また、アルチンボルドの作品にインスパイアされて創作した、現代美術家フィリップ・ハースの巨大彫刻《四季》シリーズから《春》をはじめとるす作品が特別展示される点も要注目です。
展覧会名 | 神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展 |
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会期 | 2018年1月6日(土) 〜 3月11日(日) |
休館日 | 1月16日(火)、2月13日(火) |
時間 | 10:00〜18:00(毎週金・土は21:00まで) ※入館は各閉館時間の30分前まで |
会場 | Bunkamura ザ・ミュージアム 渋谷区道玄坂2-24-1 |
入館料 | 一般 1,600円、高大生 1,000円、小中生 700円 |
公式サイト | https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_rudolf/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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