琳派の誕生から影響を受けた近代・現代の作家まで!受け継がれた魅力に迫る
17世紀に俵屋宗達が確立し、18世紀の尾形光琳が継承、19世紀に酒井抱一が江戸琳派につなげた“琳派”に焦点を当て、近代・現代の画家に取り入れられた過程を追い、その造形の魅力に迫る企画展です。酒井抱一の没後190年、弟子の鈴木其一の没後160年を記念して開催されます。
17世紀の京都で、宗達はやまと絵の様式をベースに、モチーフをデフォルメし、大胆にトリミングすることによって、装飾性やデザイン性あふれる独自スタイルを立ち上げました。宗達の下絵に、本阿弥光悦が書を記した一連の作品では、平安時代の料紙装飾をモデルとしながら、書と絵が一体感を持っており、現代のグラフィックデザインに通じる感性をみてとれます。琳派が創造したデザイン性のある造形は、18世紀に京都で活躍した光琳に受け継がれ、19世紀には抱一によって洗練された江戸琳派へと結びつきました。
近代に入ると、菱田春草や速水御舟、福田平八郎、加山又造など、多くの日本画家たちが琳派の装飾性や平面性に注目。自らの画風に積極的に取り入れます。20世紀には、グラフィックデザイナーの田中一光が琳派のエッセンスを散りばめた作品を多く発表。「琳派は〈日本のかたち〉の原型だ」と述べ、敬愛しました。
本展では、大御所だけでなく、神坂雪佳などの近年人気を集めている琳派の画家の作品も含めて紹介。重要美術品である酒井抱一《秋草鶉図》(山種美術館)のほか、本格的な修復後、初のお披露目となる伝 俵屋宗達《槙楓図》(山種美術館)などが並びます。近代の日本画では、福田平八郎《芥子花》(山種美術館)、奥村土牛《啄木鳥》(山種美術館)、 速水御舟《翠苔緑芝》(山種美術館)、 加山又造《華扇屏風》(山種美術館)など、時代を代表する作家の作品が集結。琳派がどのように作品に取り入れられているのかをじっくり展観できます。田中一光のグラフィックからは、琳派のエッセンスを感じる《JAPAN》(東京国立近代美術館)や《田中一光グラフィックアート植物園展》(東京国立近代美術館)などを展示。伝統的な作品と、20世紀のポスターを同時に楽しめ、独特な琳派の造形が受け継がれてゆく様を作品でたどれる点が特徴です。
展覧会名 | 【特別展】 琳派 ―俵屋宗達から田中一光へ― |
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会期 | 2018年5月12日(土) 〜 7月8日(日) ※会期中、一部展示替えあり 前期:5月12日(土) 〜 6月3日(日) 後期:6月5日(火) 〜 7月8日(日) |
休館日 | 月曜日 |
時間 | 10:00〜17:00 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 山種美術館 渋谷区広尾3-12-36 >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般 1,200円、大高生 900円、中学生以下無料 |
公式サイト | http://www.yamatane-museum.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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