生誕120年 イスラエル博物館所蔵 ミラクル エッシャー展 奇想版画家の謎を解く8つの鍵

初期から代表作、直筆ドローイングまで!世界最大級のコレクションが初来日

滝から流れた水がいつの間にか滝の上に戻っているようなトロンプ・ルイユ(だまし絵)の版画作品を多く生み出し、“視覚の魔術師”と言われるマウリッツ・コルネリス・エッシャー。世界最大級のエッシャーコレクションを誇るイスラエル博物館の作品を約150点展示し、奇想の世界をどのようにして生み出してきたかを探ります。初期から代表作、直筆のドローイングまで幅広く並ぶ大規模展です。

1898年、オランダでエッシャー家の5男として生まれ、当初は大学で建築を学んでいましたが、版画家メスキータと出会ってその魅力を知り、版画科へと転向。シエナで図版を反転・回転させる正則分割作品を制作。26歳で、初めての展覧会を開きました。ファシズムの台頭により、1935年にイタリアからスイスに移住。38歳頃から、主題が具象的なものから心象風景へと変化していき、39歳で代表作《メタモルフォーゼ》シリーズに着手。アムステルダム国立美術館の「ナチに協力しなかった作家の展覧会」やベルギーでの「オランダのグラフィック・アート展」に参加し、それらが雑誌に取り上げられて次第に英語圏で人気が高まります。1953年、代表作《相対性》を制作し、日本で初めての作品展示も実施。翌年にはアメリカでも初個展を開催しました。

本展では、20世紀のヨーロッパ美術の中でも異彩を放つ、エッシャーの版画作品を、科学、聖書、風景、人物、広告、技法、反射、錯視の8つの観点から展観。独創性にあふれる構図や造形などに迫ります。同時代の科学から着想を受け、数学的な理論を発展させて生み出された幾何学的表現を、《対照(秩序と混沌)》、《メビウスの輪Ⅰ》などから探り、《アマルフィ海岸》や《カストロヴァルヴァ、アブルッツィ地方》などの風景表現からは、《相対性》や《滝》へつながる視覚的な実験を垣間見ます。版画家としての意識が高かったエッシャーの木版、リトグラフ、メゾティントなどの技法が駆使された《トンボ》や《眼》など、幅広い魅力と各所で光る独自性が楽しめます。特に、1939〜40年にかけて制作した大作《メタモルフォーゼⅡ》は、文字から始まり、多様な形態に変わりつつ元の文字へ戻る、エッシャー芸術の極致を表しており、必見です。

《対照(秩序と混沌)》 1950年 All M.C. Escher works copyright © The M.C. Escher Company B.V. - Baarn-Holland.  All rights reserved. www.mcescher.com
《カストロヴァルヴァ、アブルッツィ地方》 1930年 All M.C. Escher works copyright © The M.C. Escher Company B.V. - Baarn-Holland.  All rights reserved. www.mcescher.com
《アマルフィ海岸》 1934年 All M.C. Escher works copyright © The M.C. Escher Company B.V. - Baarn-Holland.  All rights reserved. www.mcescher.com

《眼》 1946年 All M.C. Escher works copyright © The M.C. Escher Company B.V. - Baarn-Holland.  All rights reserved. www.mcescher.com
《相対性》 1953年 All M.C. Escher works copyright © The M.C. Escher Company B.V. - Baarn-Holland.  All rights reserved. www.mcescher.com
開催概要
展覧会名 生誕120年 イスラエル博物館所蔵
ミラクル エッシャー展 奇想版画家の謎を解く8つの鍵
会期 2018年6月6日(水) 〜 7月29日(日)
休館日 会期中無休
時間 10:00〜17:00(金曜は20:00まで)
※入場は閉場時間の30分前まで
会場 上野の森美術館
台東区上野公園1-2 
入館料 一般 1,600円、高・大生 1,200円、小中生 600円
公式サイト https://www.ueno-mori.org/
問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
2018年5月更新