建築 × 写真 ここのみに在る光

写真から見る建築の魅力。都市の変貌や歴史も読み解く

動くものの撮影が技術的に難しかった19世紀、建築は格好の被写体で、多くの作品が生まれました。そんな19世紀以降の建築写真に焦点を当て、近代を振り返りながら被写体に選ばれた建築の特徴や、写真家がどのように建築を捉えてきたのかを約160点の作品から読み解く展覧会です。

1839年、ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが世界初の実用的な写真術「ダゲレオタイプ(銀板写真)」を発表します。銀メッキをした銅板にヨウ素の蒸気を当て光に感じさせて撮影する技法はシャープな画像が生まれることもあり、世界中に広まりました。
 1841年、ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットが、紙をベースにしたネガ/ポジ方式の写真術「カロタイプ」を考案し、写真の複製ができるようになります。1850年には、ルイ・デジレ・ブランカール・エヴラールが、卵の白身を使った印画紙「鶏卵紙」を考案し、19世紀はこの技法が一般的に使われました。日本でも、印画紙に彩色を施した「横浜写真」が外国人観光客へのお土産として販売されます。翌年の1851年、フレデリック・スコット・アーチャーが、ガラス板に感光乳剤を引き、それが乾かないうちに撮影・現像をする湿式コロディオン方式の「湿板写真」を生み出しました。

本展では、初期の記録としての写真から、魅力的なモチーフとして撮影された写真まで2章構成で展観します。
 1章では、ダゲレオタイプ(銀板写真)で撮影された建物写真や、1844〜46年にかけて、ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットが制作した世界初の写真集『自然の鉛筆』に掲載された作品を紹介します。世界的に都市開発が進んだ19世紀後半から20世紀、アントニオ・ベアトやウジェーヌ・アジェが古い街並みを記録として残し、ベレニス・アボットやベッヒャー夫妻が新しい時代を象徴するモチーフとして多彩なアングルで建築を取り上げました。
 2章では、渡辺義雄、奈良原一高、北井一夫、柴田敏雄、二川幸夫など、11人の写真家が建築をテーマに撮影した作品を一堂に展示。アントニ・ガウディ、丹下健三などの著名な建築家による建築、1950年代の日本の民家や香港の九龍城砦、地形を利用した中世の丘状都市など、写真家のユニークな視点で捉えた建築写真の魅力が楽しめます。

渡辺義雄〈伊勢神宮〉より《内宮東宝殿》1953年
細江英公〈ガウディの宇宙〉より 《サグラダ・ファミリア #179》 1977年
ベレニス・アボット〈変わりゆくニューヨーク〉より 《ウォーター・フロント》1938年

ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット〈自然の鉛筆〉より《オックスフォードのクィーンズ・カレッジの一角》 1844-46年
宮本隆司〈九龍城砦〉より 1987年 作家蔵 ©Ryuji Miyamoto, Courtesy of Taka Ishii Gallery
開催概要
展覧会名 建築 × 写真 ここのみに在る光
会期 2018年11月10日(土) 〜 2019年1月27日(日)
休館日 月曜日(ただし12月24日、1月14日は開館)、
12月25日(火)、12月29日(土)〜1月1日(火・祝)、1月15日(火)
時間 10:00〜18:00(木・金は20:00まで)
※12月28日(金)・1月4日(金)は10:00〜18:00、1月2日(水)・3日(木)は11:00〜18:00
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 東京都写真美術館 3階展示室
目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
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入館料 一般 600円、学生 500円、中高生・65歳以上 400円
※1月2日(水)は観覧無料、3日(木)は2割引
※第3水曜日は65歳以上無料
公式サイト http://topmuseum.jp/
問合せ 03-3280-0099
2018年11月更新