フィンランドが生んだ近代建築の巨匠。
決して廃れない建築・プロダクトデザインの魅力とは
周囲の自然環境との調和を図る建築、そして有機的なフォルムと機能性を兼ね備えた家具デザインでも知られる、フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルト(1898〜1976)。個人邸宅や公共建築の設計から、アームチェアやスツール、照明器具、ガラス器のデザインまで、多岐にわたるアアルトの仕事の全貌を解き明かす企画展です。
1898年フィンランド中西部のクオルタネで生まれたアルヴァ・アアルトは、ヘルシンキ工科大学を卒業後、1923年に自身の建築事務所を開設。代表作となる療養施設「パイミオのサナトリウム」の成功により、建築家としての地位を確立しました。また、サナトリウム用に制作したアームチェアは、成形合板を使った斬新な座面により「材料革命」と評され、家具デザイナーとしても彼の名を一躍有名にしました。今日では、彼が手がけたプロダクトデザインは、フィンランドデザインのシンボルといえるほど世界中で親しまれています。
本展は、世界でも他に類をみない家具やインテリア、建築のデザイン美術館である「ヴィトラ・デザイン・ミュージアム」と「アルヴァ・アアルト美術館」の企画による国際巡回展で、ドイツを皮切りに、スペイン、デンマーク、フィンランド、フランスの各国で開催。生誕120年を迎えた2018年、日本においては20年ぶりとなる個展として実現しました。
建築にあわせて、家具をはじめ壁面タイルやドアノブに至るまでをデザインするなど、ディテールへのこだわりも徹底していたアアルトは、人々の暮らしをより豊かにしたいというヒューマニズムの考えに基づきながら、フィンランドの豊かな自然のなかに見出した有機的なフォルムを設計やデザインにとり入れました。その建築やデザインに触れると、周囲の環境との親和性や、空間と光の調和のなかに、「もうひとつの自然」のような存在を感じるのはそのためでしょう。
オリジナルドローイングや模型、家具・照明・ガラス製品など実際のプロダクトや部材サンプルと、約300点の贅沢な展示で魅せるアアルトの仕事。彼の作品の神髄とフィンランドデザインの普遍性を再発見する良い機会となることでしょう。
展覧会名 | アルヴァ・アアルト もうひとつの自然 |
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会期 | 2019年2月16日(土) 〜 4月14日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし4月8日は開館) |
時間 | 10:00〜18:00(金曜は20:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京ステーションギャラリー 千代田区丸の内1-9-1 |
入館料 | 一般 1,200円、高大生 1,000円、中学生以下無料 |
公式サイト | http://www.ejrcf.or.jp/gallery/ |
問合せ | 03-3212-2485 |
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