クリムト、シーレからモダニズム建築まで
“芸術の都”ウィーンで育まれた世紀末芸術の世界
19世紀末から20世紀初頭にかけて、ウィーンでは、絵画や建築、工芸、デザイン、ファッションなど、それぞれの領域を超えて新しい芸術を求める動きが盛んになり、装飾性豊かで煌びやかなウィーン独自の文化が開花した。この時代に登場した各界を代表する芸術家たちは、モダン・アート、モダン・デザインの黄金期「世紀末芸術」を作り上げた。本展では、18世紀後半やビーダーマイアー時代の傑作から、世紀末芸術の代表格といえるクリムトやシーレ、ウィーン分離派、ココシュカ、オットー・ヴァーグナー、ウィーン工房、アドルフ・ロースに至るまで、約400点の作品群で“芸術の都”ウィーンで育まれた芸術世界を総観する。
これまであまり注目されることがなかったウィーンの世紀末文化を「近代化(モダニズム)への過程」という視点から紐解く新しい試みの本展。18世紀中頃までさかのぼり、女帝マリア・テレジアとその息子、皇帝ヨーゼフ2世の啓蒙主義に基づいた社会の変革、そして後のウィーン工房に影響を与えた、ビーダーマイアー時代の工芸や、芸術都市へと発展する起源となった都市改造計画など、ウィーン世紀末文化に至るまでの歴史背景にスポットライトを当てる。
約400点の展示は、100万点に上る所蔵品を有するヨーロッパ有数の博物館「ウィーン・ミュージアム」の主要作品が主。収蔵品の中でも評価が高い世紀末ウィーンの美術コレクションの中から、グスタフ・クリムト(1862〜1918)の油彩画など47点、エゴン・シーレ(1890〜1918)の生涯のテーマであった自画像など22点、オスカー・ココシュカ(1886〜1980)の大胆なポスターなど17点と、ウィーン世紀末の巨匠の傑作が集結する。また、クリムトに影響を与えた画家ハンス・マカルト(1840〜1884)による、1879年の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と皇后エリーザベトの銀婚式記念パレードの絵画、作曲家アルノルト・シェーンベルク(1874〜1951)が描いた絵画作品なども見どころだ。
さらに本展は、絵画や工芸はもちろん、建築、デザイン、インテリア、ファッション、グラフィックデザインなど、当時の写真や資料、本展のために特別制作されたウィーン市の変遷映像など、多様なジャンルで魅せるのも特徴の一つ。モダン・デザインの全貌や、モーツァルトなどウィーンが生んだ音楽家にまつわる展示品も楽しめる。
展覧会名 | ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道 |
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会期 | 2019年4月24日(水) 〜 8月5日(月) |
休館日 | 毎週火曜日(ただし4月30日は開館) |
時間 | 10:00〜18:00 ※金・土曜日は、4・5・6月は20:00まで、7・8月は21:00まで ※4月28日(日)〜5月2日(木)と5月5日(日)は20:00まで開館 ※5月25日(土)は「六本木アートナイト2019」開催に伴い22:00まで開館 ※入場は閉館時間の30分前まで |
会場 | 国立新美術館 企画展示室1E 港区六本木7-22-2 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 | 一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 800円、中学生以下無料 |
公式サイト | https://artexhibition.jp/wienmodern2019/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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