平安から近世の日本美術の傑作が揃う、令和を祝うにふさわしい特別展
「日本美を守り伝える『紡ぐプロジェクト』―皇室の至宝・国宝プロジェクト―」の一環として、宮内庁三の丸尚蔵館の協力の下、日本美術の名品を選りすぐり紹介する特別展。狩野永徳筆で、皇室ゆかりの名品である《唐獅子図屛風》と、永徳最晩年の名品で国宝の《檜図屛風》をはじめ、雪舟、尾形光琳、葛飾北斎らの名品全41件が一堂に会する貴重な展覧会となる。
紡ぐプロジェクトとは、皇室ゆかりの優品や国宝・重要文化財をはじめとする日本の美を、広く国内外へ、さらに未来へ紡ぐために、文化庁、宮内庁、読売新聞社が協力して進めているプロジェクトで、貴重な文化財・美術品の公開を通じて得た収益を修理に充てることで、それらを後世に紡いでいくために欠かせない「保存、公開、修理」のサイクルを永続させようという取り組みだ。
宮内庁三の丸尚蔵館所蔵の名品で注目したいのは、狩野派の代表的な絵師・狩野永徳の傑作《唐獅子図屛風》。もとは城内の床貼付け、あるいは陣屋屛風とも言われる特に大型の作品で、江戸時代に曾孫にあたる狩野常信が左側に同大の画面を補って、一双の屛風として伝えられた。両者の全く異なる画風も興味深いところだ。
東京国立博物館からは、狩野永徳の最晩年の作で、桃山時代の金碧障屛画の一つである国宝《檜図屛風》が出展。豊臣秀吉が念願の実子・鶴松(棄丸)を得たのを機に建てた御殿のために、狩野永徳一門が描いた障壁画の一部分で、「大蛇が奔るが如き」と評された力強い表現は必見だ。
そして、文化庁からは、身近な動植物を巧みな筆致で描き出した長沢芦雪の《花鳥遊魚図巻》や、京焼の大成者として名高い陶工・仁清作の重要文化財《色絵若松図茶壺》などの名品が揃う。
紡ぐプロジェクトだからこそ実現した、全てが主役級の名品の集結。新しい時代「令和」最初の贅沢な日本美術鑑賞として、ふさわしい内容になりそうだ。
展覧会名 | 特別展「美を紡ぐ 日本美術の名品 ―雪舟、永徳から光琳、北斎まで―」 |
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会期 | 2019年5月3日(金・祝) 〜 6月2日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし5月6日は開館)、5月7日(火) |
時間 | 9:30〜17:00(金・土曜日は21:00まで) ※入館は各閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京国立博物館 本館特別5・4・2・1室 台東区上野公園13-9 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 | 一般 1,100円、大学生 700円、高校生 400円、中学生以下無料 |
公式サイト | https://www.tnm.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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