【山種美術館 広尾開館10周年記念特別展】東山魁夷の青・奥田元宋の赤 ―色で読み解く日本画―

近代以降の日本画壇を牽引した日本美術院の軌跡を4人の画家を中心に振り返る

日本画で代名詞のように語られる“魁夷の青”、“元宋の赤”。ある特定の色が画家の名と結び付けられ、作品のイメージや画家本人の世界観をも象徴することは、絵画の世界でしばしば見受けられることだ。その色に着目し、近代・現代の日本画から印象的に色が表された作品を取り上げ、画家と色の密接な関わりをひもとく展覧会が開催される。

元来、日本美術の伝統的な絵具は、群青は藍銅鉱、白は胡粉などに見られるように、鉱石や貝殻をはじめとする天然素材が主に用いられてきた。そのため、表現できる色数も限られていたが、近代以降、多彩な合成顔料の流入や新たな人造の岩絵具が開発されたことなどにより、色の種類が増加していき、日本画家に刺激と表現の多様化をもたらした。画家たちの間では新たに開発・輸入された合成絵具や西洋の色彩学などを取り入れて制作を試みる者がいる一方で、天然岩絵具を中心とした伝統的な彩色表現が日本画の神髄とみなす者もおり、それぞれが日本画ならではの色の可能性を追求しながら、バリエーション豊かな作品を生み出している。

本展では、雪降る京都を青色で静謐に表した東山魁夷の《年暮る》、紅葉した奥入瀬渓流を赤色で鮮麗に描いた奥田元宋の《奥入瀬(秋)》をはじめ、黄色で愛らしい雛の姿を描いた竹内栖鳳の《鴨雛》、黒色の多彩な表情を活かした奥村土牛の《舞妓》、様々な緑色で装飾的な画面を構成した山口蓬春の《卓上》など、色の特性や魅力を存分に引き出した日本画家の作品を約50 点展示。画家が自らの芸術を創造するため、どのような色を制作に活かしたのか、それぞれの言葉や、社会的背景などを踏まえながら、色を通じて見えてくる画家たちの軌跡を紹介する。

東山魁夷 《年暮る》 1968(昭和43)年 紙本・彩色 山種美術館
宮廻正明 《水花火(螺)》<br>2012(平成24)年 絹本・彩色<br>山種美術館
奥田元宋 《奥入瀬(秋)》 1983(昭和58)年 紙本・彩色 山種美術館
竹内栖鳳 《鴨雛》 1937(昭和12)年頃 絹本・彩色 山種美術館
千住博 《松風荘襖絵習作》 2006(平成18)年 紙本・彩色 山種美術館
開催概要
展覧会名 【山種美術館 広尾開館10周年記念特別展】
東山魁夷の青・奥田元宋の赤 ―色で読み解く日本画―
会期 2019年11月2日(土) 〜 12月22日(日)
休館日 月曜日(ただし11月4日は開館)、11月5日(火)
時間 10:00〜17:00 ※入館は閉館時間の30分前まで
会場 山種美術館
渋谷区広尾3-12-36
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入館料 一般 1,200円、高大生 900円、中学生以下無料
公式サイト http://www.yamatane-museum.jp/
問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
2019年10月更新