日本最古の歴史書『日本書紀』から、古代日本の成立や特質に迫る!
神代(神武天皇より前の神の治めた時代)から持統天皇11年(697)までを記した歴史書で、日本最古の正史『日本書紀』。今年は、その編纂から1300年という記念すべき年だ。本展では、日本書紀を象徴する地である島根県と奈良県、そして東京国立博物館が共同で展覧会を開催、出雲と大和の名品を一堂に集めて、古代日本の成立やその特質に迫る。
日本書紀は舎人親王(676〜735)が中心となって編纂。全30巻で巻1・巻2は神代、巻3の神武天皇から巻30の持統天皇までは編年体でまとめられており、和銅5年(712)編纂の歴史書『古事記』よりもたくさんの記事が収められ、現代までさまざまな視点から研究が続けられている。
その冒頭に記された国譲神話によると、出雲大社に鎮座するオオクニヌシは「幽」、すなわち人間の能力を超えた世界、いわば神々や祭祀の世界を司るとされている。一方で、天皇は大和の地において「顕」、すなわち目に見える現実世界、政治の世界を司るとされている。つまり、古代において出雲と大和はそれぞれ「幽」と「顕」を象徴する場所として、重要な役割を担っていたのだ。
出雲の章では、出雲大社に古くから伝わる手箱や甲冑などのご神宝をはじめ、社殿を飾っていた絵画、境内から出土した巨大柱など、出雲大社の歴史を物語る作品が一堂に会する。また、国宝・荒神谷遺跡出土青銅器(銅剣・銅鐸・銅矛)から計189点、国宝・加茂岩倉遺跡出土銅鐸のうち30個を展示。これだけの数が東京でまとまって出品されるのは、およそ20年ぶりとなる。
そして大和の章では、1300年の間、大和の地でひっそりと守り伝えられた最古級の石仏が寺外初公開。鋭い彫り口や、わずかに残る彩色などの細部にも要注目だ。また、黒塚古墳の被葬者を護り鎮めた33面の三角縁神獣鏡は、1つの古墳から出土した数としては全国最多で、その全点が出品される。
日本が国内外から大いに注目される2020年、古代日本の始まりに想いを馳せ、出雲と大和へのロマン紀行に旅立とう。
展覧会名 | 日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」 |
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会期 | 2020年1月15日(水)〜3月8日(日) ※会期中、展示替えあり 前期展示:1月15日(水)〜2月9日(日) 後期展示:2月11日(火・祝)〜3月8日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし2月24日は開館)、2月25日(火) |
時間 | 9:30〜17:00(金・土曜日は21:00まで) ※入館は各閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京国立博物館 平成館 台東区上野公園13-9 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 | 一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 900円、中学生以下無料 |
公式サイト | https://www.tnm.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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