日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」

日本最古の歴史書『日本書紀』から、古代日本の成立や特質に迫る!

  • 2020/01/20
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神代(神武天皇より前の神の治めた時代)から持統天皇11年(697)までを記した歴史書で、日本最古の正史『日本書紀』。今年は、その編纂から1300年という記念すべき年だ。本展では、日本書紀を象徴する地である島根県と奈良県、そして東京国立博物館が共同で展覧会を開催、出雲と大和の名品を一堂に集めて、古代日本の成立やその特質に迫る。

日本書紀は舎人親王(676〜735)が中心となって編纂。全30巻で巻1・巻2は神代、巻3の神武天皇から巻30の持統天皇までは編年体でまとめられており、和銅5年(712)編纂の歴史書『古事記』よりもたくさんの記事が収められ、現代までさまざまな視点から研究が続けられている。
 その冒頭に記された国譲神話によると、出雲大社に鎮座するオオクニヌシは「幽」、すなわち人間の能力を超えた世界、いわば神々や祭祀の世界を司るとされている。一方で、天皇は大和の地において「顕」、すなわち目に見える現実世界、政治の世界を司るとされている。つまり、古代において出雲と大和はそれぞれ「幽」と「顕」を象徴する場所として、重要な役割を担っていたのだ。

出雲の章では、出雲大社に古くから伝わる手箱や甲冑などのご神宝をはじめ、社殿を飾っていた絵画、境内から出土した巨大柱など、出雲大社の歴史を物語る作品が一堂に会する。また、国宝・荒神谷遺跡出土青銅器(銅剣・銅鐸・銅矛)から計189点、国宝・加茂岩倉遺跡出土銅鐸のうち30個を展示。これだけの数が東京でまとまって出品されるのは、およそ20年ぶりとなる。
 そして大和の章では、1300年の間、大和の地でひっそりと守り伝えられた最古級の石仏が寺外初公開。鋭い彫り口や、わずかに残る彩色などの細部にも要注目だ。また、黒塚古墳の被葬者を護り鎮めた33面の三角縁神獣鏡は、1つの古墳から出土した数としては全国最多で、その全点が出品される。

日本が国内外から大いに注目される2020年、古代日本の始まりに想いを馳せ、出雲と大和へのロマン紀行に旅立とう。

  1. 重要文化財 日本書紀 巻第二(部分) 南北朝時代・永和1〜3年(1375〜1377) 後期展示(2/11〜3/8) 愛知・熱田神宮蔵
  2. 国宝 銅剣・銅鐸・銅矛(部分) 島根県出雲市 荒神谷遺跡出土 弥生時代・前2〜前1世紀 文化庁蔵(島根県立古代出雲歴史博物館保管)
  3. 国宝 七支刀 古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮蔵
  4. 重要文化財 浮彫伝薬師三尊像 飛鳥〜奈良時代・7〜8世紀 奈良・石位寺蔵
  5. 要文化財 画文帯神獣鏡・三角縁神獣鏡(部分) 奈良県天理市 黒塚古墳出土 古墳時代・3世紀 文化庁蔵(奈良県立橿原考古学研究所保管)
  1. 重要文化財 日本書紀 巻第二(部分) 南北朝時代・永和1〜3年(1375〜1377) 愛知・熱田神宮蔵
  2. 国宝 銅剣・銅鐸・銅矛(部分) 島根県出雲市 荒神谷遺跡出土 弥生時代・前2〜前1世紀
    文化庁蔵(島根県立古代出雲歴史博物館保管)
  3. 国宝 七支刀 古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮蔵
  4. 重要文化財 浮彫伝薬師三尊像 飛鳥〜奈良時代・7〜8世紀 奈良・石位寺蔵
  5. 重要文化財 画文帯神獣鏡・三角縁神獣鏡(部分) 奈良県天理市 黒塚古墳出土 古墳時代・3世紀
    文化庁蔵(奈良県立橿原考古学研究所保管)
  6. ※[1]のみ後期展示(2/11〜3/8)、他は通期展示

開催概要

展覧会名 日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」
会期 2020年1月15日(水)〜3月8日(日)
※会期中、展示替えあり
前期展示:1月15日(水)〜2月9日(日)
後期展示:2月11日(火・祝)〜3月8日(日)
休館日 月曜日(ただし2月24日は開館)、2月25日(火)
時間 9:30〜17:00(金・土曜日は21:00まで)
※入館は各閉館時間の30分前まで
会場 東京国立博物館 平成館
台東区上野公園13-9
>> 会場の紹介記事はこちら
観覧料 一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 900円、中学生以下無料
公式サイト https://www.tnm.jp/
問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)

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