トリックアートから細密な工芸品まで
ヨーロッパ貴族を驚嘆させた江戸のものづくり
日本人の豊かな遊び心と繊細な美意識を映した、伝統のものづくりをテーマにした展覧会。江戸が生んだ2人の蒔絵師・原羊遊斎と柴田是真、尾形乾山の陶法を継承した鬼才の陶工・三浦乾也、葛飾北斎の弟子で絵師から金工の道に転じた府川一則、江戸の職人気質を受け継ぎ超細密工芸を究めた小林礫斎など、特色ある名工たちの作品を取り上げ、その仕事と人生に光をあてる。また、江戸東京博物館の所蔵資料を中心に、明治前期に日本を訪れたヨーロッパ貴族バルディ伯爵の日本初公開コレクションも交えて、日本が世界に誇るものづくりの力の源泉を見つめる。
第1章では、1889年に日本を訪れたバルディ伯爵が収集した膨大なコレクションの中から、江戸から明治の工芸品を選び、西洋人が求めた日本の美のかたちを見ていく。当時日本土産として人気を博した日本風の肖像画や、初公開の《梨子地藤巴立葵紋散松竹藤文蒔絵行器》は必見だ。
第2章では、江戸東京博物館の収蔵品を中心に、大工の関係資料や刀剣・婚礼道具など、幕府御用職人が手がけた名品の数々を紹介する。
第3〜6章では各分野の名工たちに注目。蒔絵師・柴田是真の、板額がついているように見えて実は全て漆絵の “トリックアート”《漆絵 花瓶梅図》、鬼才の陶工・三浦乾也のサザエの質感をリアルに表現した超絶技巧やきもの《栄螺形香炉》、超細密工芸を究めた小林礫斎のミニチュア世界《桑箪笥》《六瓢提物》など、ものづくりを心から楽しむ遊び心に満ちた作品の数々から、江戸人の粋と洒落を感じることができる。
開国後の日本を訪れた西洋人を驚嘆させた、職人たちの繊細で粋なものづくりをじっくり堪能したい。
展覧会名 | 特別展「江戸ものづくり列伝−ニッポンの美は職人の技と心に宿る−」 |
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会期 | 2020年2月8日(土)〜4月5日(日) ※会期中一部展示替えあり |
休館日 | 月曜日(ただし2月24日は開館)、2月25日(火) |
時間 | 9:30〜17:30(土曜日は19:30まで) ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京都江戸東京博物館 1階特別展示室 墨田区横網1-4-1 |
観覧料 | 特別展専用券 一般 1,100円、大学・専門学校生 880円、小中高生・65歳以上 550円 |
公式サイト | https://www.edo-tokyo-museum.or.jp |
問合せ | 03-3626-9974(代表) |
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