基本理念「生活の中の美(Art in Life)」に立ち返ったリニューアルオープン記念展
2019年11月からの改修工事を経て、サントリー美術館がリニューアルオープンする。
サントリー美術館は1961年の開館以来、絵や彫刻だけではなく、日常使う道具や調度に美を認め、生活の中で味わい愉しむ「生活の中の美(Art in Life)」を基本理念に、展示・収集活動を行ってきた。リニューアル後初となる本展では、改めてこの基本理念に立ち返り、酒宴で用いられた調度、「ハレ」(=非日常)の場にふさわしい着物や装飾品、豪華な化粧道具などから、異国趣味の意匠を施した品々まで、生活を彩ってきた華やかな優品を厳選して紹介する。
また、新たな試みとして、古美術に造詣の深い現代作家の山口晃、彦十蒔絵・若宮隆志、山本太郎、野口哲哉の協力の下、現代アートと美術館コレクションをクロスさせた特別展示も行われる。
本展は3章から構成される。第1章「装い」では、華麗な装飾の鏡箱や香箱、紅板、さまざまな技法や素材で作られた櫛、簪、笄などの実用を超えた美しく細やかな意匠から、各時代の美人画や、化粧方法や髪型を解説した絵画と浮世絵、色鮮やかな小袖と打掛、雛形本などの、艶やかなファッションの変遷までを紹介。一方で「装い」は女性にとどまらず、鮮やかな色彩が引き立つ華麗な甲冑や、法螺貝や蜘蛛の巣といった大胆な意匠の鞍など、戦の出で立ちからダンディズムと言ってもよいサムライの美意識も探っていく。
第2章「祝祭・宴」では、同美術館が多く所蔵する、ハレの場を演出してきた祝いの品々を紹介。賀茂競馬や祇園祭などを題材にした絵画や浮世絵、婚礼調度として制作された屛風、祝いの席で用いられたうつわ、吉祥の意匠を散りばめた漆工作品などからは、当時の人々のハレの日の高揚感が伝わってくる。また、宴に欠かせないお酒に注目し、酒宴を主題とした屛風やさまざまな酒器も登場する。
第3章「異国趣味」では、同美術館のコレクションの大きな柱の一つである南蛮美術を中心に展示を構成。ポルトガルやスペインとの交流を通じて生まれた南蛮美術から、新しい外来の文化を積極的に受け入れて日常の美の中に昇華する、当時の日本人の柔軟な精神と旺盛な好奇心に触れる。
展覧会名 | リニューアル・オープン記念展 Ⅰ ART in LIFE, LIFE and BEAUTY |
---|---|
会期 | 2020年7月22日(水) 〜 9月13日(日) |
休館日 | 火曜日(9月8日は開館) |
時間 | 10:00〜18:00 ※入館は各閉館時間の30分前まで |
会場 | サントリー美術館 港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階 >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般 1,500円、高大生 1,000円、中学生以下無料 |
公式サイト | https://www.suntory.co.jp/sma/ |
問合せ | 03-3479-8600 |
記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。