日本が誇るマンガ・アニメ・ゲーム・特撮作品×大都市〈東京〉
フィクションと現実双方向の影響をダイナミックな展示から考察
2015年に開催された「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」をはじめ、日本が誇る独自のカルチャーを世界に発信する取り組みに力を入れてきた国立新美術館が、新たなMANGA総合展を開催。東京と密接な関係にあるマンガ・アニメ・ゲーム・特撮作品から90以上ものタイトルをとりあげ、マンガ原画、アニメやゲームの制作資料や映像など500点を超える展示物が2000㎡の展示室内に展開する。
日本のマンガ・アニメ・ゲーム・特撮作品は、都市〈東京〉の特徴や変化を、鏡のように映し出してきた。キャラクターはコンビニエンスストアなどの現実の空間に浸出し、都市の景観やイメージを変え、もはや我々にとって日常の一部となっている。本展では、そのさまざまな描写を、多数の原画や映像、都市模型や再現インスタレーションでたどる。現実の都市の特徴がいかにフィクションに影響を与え、方向付けてきたのか。またそれらフィクションやそのキャラクターが、現実の都市にいかなるイメージを重層的に付与し、作用をおよぼしてきたのか考察する。
セクション1では、「ゴジラ」「エヴァンゲリオン」シリーズなど、破壊と復興をテーマにした作品を取り上げる。日本のマンガ・アニメ・ゲーム・特撮作品において、未曾有の天災や未知の生命体の襲来などによって首都・東京が壊滅的な打撃を受ける描写は、半ば定番ともなっている。その背景には、東京という都市が実際に幾度も破壊され、そのたびに奇跡的な復興を遂げてきたという歴史があると言える。
セクション2では、「さくらん」「『坊っちゃん』の時代」「秒速5センチメートル」「新宿スワン」など、日常生活を描写した作品群を通して、人々の生活の場としての東京の姿とその変遷を見てゆく。江戸からポストモダン、そして現代へと繋がる3つの区分から、市井の人々の日々の暮らしにスポットライトを当てる。
セクション3では、これまでとは逆に、現実の都市空間に召喚されたキャラクターたちに目を転じる。生身の人間とキャラクターが共存する街としての〈東京〉のアンビバレンツな魅力を、インスタレーションで再現する。
日本最大級のMANGA総合展であると同時に、そこに映し出され、さらには人々の記憶の中に重ね合わされてきた〈東京〉の姿をも映し出す本展。新たな日本カルチャーへの視点を養う良い機会となりそうだ。
展覧会名 | MANGA都市TOKYO ニッポンのマンガ・アニメ・ゲーム・特撮2020 |
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会期 | 2020年8月12日(水)〜11月3日(火・祝) |
休館日 | 火曜日(9月22日、11月3日は開館)、9月23日(水) |
時間 | 10:00〜18:00 ※入場は閉館時間の30分前まで ※当面の間、夜間開館なし |
会場 | 国立新美術館 企画展示室1E 港区六本木7-22-2 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 | 一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 800円 中学生以下無料 ※日時指定入場制 ※詳細は公式サイトをご確認ください |
展覧会サイト | https://www.nact.jp |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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