マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在

「建物」の枠組みを利用した「自画像」とは?1フロア全体を使った本展だけのインスタレーションは必見

現代のアートシーンに独自の位置を占める作家、マーク・マンダースの、国内美術館では初となる個展。

マンダースは、1968年オランダのフォルケル生まれ。現在はベルギーのロンセにスタジオを構えている。1986年、18歳の時に、自伝執筆の試みを契機に得たと言う「建物としての自画像」という構想に沿って、以降30年以上にわたって一貫した制作を続けている。その構想とは、自身が架空の芸術家として名付けた、「マーク・マンダース」という人物の自画像を「建物」の枠組みを用いて構築するというもの。その建物の部屋に置くための彫刻やオブジェを次々と生み出しインスタレーションとして展開することで、作品の配置全体によって人の像を構築するという、きわめて大きな、そしてユニークな枠組みをもつ世界を展開している。この虚構的な枠組みをベースとして類のないビジョンを示す独創的な作品世界は、彫刻の概念を掘り下げる個々の作品の質とあいまって、世界的に高い評価を受けてきた。

本展では、マンダースの魅力を余すことなく紹介。近年のマンダースの重要な個展では必ず出品されてきた代表作、中でも《夜の庭の光景》、《マインド・スタディ》は本邦初公開となる。また、作家が2019年3月から本展のために温めてきた構想により、美術館の1フロア全体が一つの作品として構築される。
 「凍結した瞬間」と作家が呼ぶ、まるで、ある一つの瞬間ですべてが停止しているような、時間の流れを失ったような感覚が引き起こされる世界。そして、「建物としての自画像」というコンセプトがもたらす、今ここで実際に作品を前にしながら、もう一方ではこの想像の部屋の中にも居るという鑑賞者の体験。その場に立つことで得られる、彼の作品でなければ知ることのできない世界が存分に味わえるはずだ。

マーク・マンダース スタジオ風景
マーク・マンダース《椅子の上の乾いた像》2011-15年 東京都現代美術館蔵 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp, Tanya Bonakdar Gallery, New York and Gallery Koyanagi, Tokyo
マーク・マンダース《未焼成の土の頭部》2011-14年 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp & Tanya Bonakdar Gallery, New York/Los Angeles  Photo: Genevieve Hanson
マーク・マンダース《狐 / 鼠 / ベルト》1992-93年 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp, Tanya Bonakdar Gallery, New York and Gallery Koyanagi, Tokyo
マーク・マンダース《黄色と青のコンポジション》2014-18年 Courtesy: Zeno X Gallery, Antwerp  Photo: Peter Cox

開催概要
展覧会名 マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在
会期 2021年3月20日(土・祝)〜6月20日(日) 22日(火)
※6月1日(火)より再開、会期延長
休館日 月曜日(5月3日は開館)、5月6日(木) 会期中無休
時間 10:00〜18:00
※展示室入場は閉館時間の30分前まで
会場 東京都現代美術館 企画展示室 3F
江東区三好4-1-1
観覧料 一般 1,500円、大学生・専門学校生・65歳以上 1,000円、中高生 600円、小学生以下無料
※日にち指定制
※詳細はこちらをご覧ください
公式サイト https://www.mot-art-museum.jp/
問合せ 050-5541-8600 (ハローダイヤル)
2021年6月1日更新